【夏休みは要注意!】不審者から子どもを守る防犯の『おまもりルール』|専門家監修

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楽しいはずの夏休み。でも実は、子どもをねらった犯罪が増える時期でもあることをご存じですか?

近所の公園や通学路といった、ふだん通い慣れた場所でさえ、事件やトラブルが起こる可能性があります。そんな「もしも」のときに備えるために、親子で確認しておきたいのが、“防犯の基本”をまとめた「おまもりルール」。これは、子ども自身が危険に気づき、自分の身を守るための防犯ルールです。
今回は、防犯の専門家監修のもと、子どもが不審者を見分けて身を守る力を身につけるための「おまもりルール」をご紹介します。

安心・安全に夏休みを過ごすために、親子で一緒に確認しておきましょう。

目次

子どもに教えたい! 不審者を見分ける3つのステップ

不審者を見極めるには「変だな」→「怪しい」→「危ない!」という3つの段階があります。

まずはこの3つの段階を理解し、不審者の行動が変化していく過程を見逃さないことが大切です。

1.「変だな」

「この人、なんか変だな」 と感じるのは、「その場、その時、その人に似つかわしくない」からです。

例えば、夕方、近所の公園で子どもたち4人が友だち同士で遊んでいると、どこからかおばさんがやってきて、ベンチに座ってじっとしている。

何かするわけではないけれど、なんとなく違和感がある、というのがこの段階です。

2.「怪しい」

ところが、ベンチに座っていたおばさんが、一緒に遊んでいる友だちのAさんに近づいてきて、じっと見つめたり、近くをうろうろしたり、急に話しかけたりしてきました。

こんなときは、友だち4人一緒に 「そろそろ帰ろう」 と言って、その場を離れるのが賢明です。

この「怪しい」という段階で見分けることが、早く逃げたり離れたりすることにつながります。

3.「危ない!」

「怪しい」 おばさんが、子どもに向けて急にポケットから刃物を出した、拳を振り上げて直進してきた、というようなことがあったら、迷わず逃げてください

防犯ブザーを鳴らし、「助けて!」 と大声を上げ、近くの避難所(こども110番の家やお店、交番、学校など)に走りましょう。

身近な大人との信頼関係が「危ない人」を見分ける力に

昨今のさまざまな事件から分かるように、不審者は見た目や性別などでは判断できませんでは、どうすればいいのでしょうか?

1つは、親や学校の先生、友だちとその家族、地域の人々との信頼関係を通じて、不審者を見分ける力を養うことです。

信頼できる大人との関係性があって初めて「この人、ちょっと変かもしれない」「油断しない方が良さそう」といったように、不審者を見分けられるようになります。

夏休み前にやっておきたい! 親子で確認する「地域の安全マップ」

夏休みは、普段と生活リズムが変わります。普段よく慣れた道でも、歩く時間帯によって危険な場所になる場合があります。

また、塾や習い事、地域のイベントなどで、子ども一人で出かける機会も増えることでしょう。そのようなときに事件・事故に巻き込まれないために、夏休み前に家の近所を子どもと一緒に歩いて、「地域の安全マップ」をつくるのがおすすめです。地域の危ない場所と、避難先をチェックしましょう。

危ない場所は、合言葉「ひまわり」を参考にしてみてください。これらは犯罪者が好む場所ですので、要チェックポイントです。

● ひ:一人きりになるところ
● ま:周りから見えにくいところ
● わ:別れ道があって裏道になるようなところ
● り:利用されていない空き家や空き地

出典:『一生つかえる!おまもりルールえほん ぼうはん』

あわせて、地域には「こども110番の家」として、子どもが助けを求められる場所があります。

近所の家やコンビニなど、『こども110番の家』のステッカーがある場所を、子どもと一緒に探してみてください。

そのような避難所の位置も確認しつつ、いざという時に助けを求めることができることを子どもに伝えておくとよいでしょう。

ネット犯罪から子どもを守るには? スマホやネットの利用ルールを家庭で決めておく

長い休みになると、子どもをねらったネット犯罪も増加傾向あります。

子どもがインターネットに触れられる時間も増える分、しっかりと注意する必要があります。不審な人が、インターネットで子どもの個人情報を調べて、実際に自宅まで会いに来る、という事件もありました。

インターネット上での危険を避けるためには、スマホやタブレット端末の利用について、親子で「具体的なルールを決めること」が大切です。

具体的なルールについては、合言葉「おこのみやきそうす」を参考にしてみてください。

出典:『一生つかえる!おまもりルールえほん ネットのぼうはん』

子どもに伝えたい「おまもりルール」のポイントまとめ

■ 不審者を見分ける3ステップ:「変だな」「怪しい」「危ない!」

■ 信頼できる大人との関係性が、見分ける力を育てる

■ 親子で地域を歩きながら、危ない場所や「こども110番の家」を確認する(合言葉「ひまわり」)

■ スマホやネットの使い方を家庭で決めておく(合言葉「おこのみやきそうす」)

長い休みだからこそ、普段よりも防犯を意識することが大切です。親子で「おまもりルール」を徹底し、楽しい夏休みにしましょう!

※本記事は学研エデュケーショナル発行の広報誌「Smile」2025年7・8月号の記事をもとに作成したものです。

この記事の監修・執筆者

NPO法人体験型安全教育支援機構代表理事。博士(教育学) 清永奈穂(きよなが・なほ)

非行やいじめ、犯罪、災害などについて研究。自分自身で命を守る力を養うために「自分で考え、自分で判断し、動いてみる」という体験型の学び・教育を推進。全国の自治体や保育・教育施設などで安全教育を行っている。『一生つかえる!おまもりルールえほん ぼうはんネットのぼうはん』(Gakken)が発売中。

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