食事のマナーは、早めに身につけてもらいたいもの。マナーが身についていないと、いっしょに食事をする人を不快にさせてしまうこともあります。ただ、小さな子どもにマナーを教えるのは決してかんたんなことではありませんよね。
そこで今回は、小学校入学までを目安に、子どもが身につけておきたい食事のマナーや、伝え方のポイントについてご紹介します。
文/マムズラボ
いつごろから子どもに食事のマナーを教える?
食事のマナーを教える時期は、はっきりとは決まっていません。目安としては、離乳食がはじまり、『食事の時間』ができてくるころから少しずつ伝えはじめるのがいいでしょう。
子どもが食べ物を口に入れるときや、お箸やスプーンを使うときに、どうすればいいかを教えてあげます。ことばがわからなくても、保護者がお手本を見せたり、いっしょにやってあげたりすることで子どもは少しずつ覚えていきます。
もちろん、教えたことをすぐに実行できなかったり、覚えられなかったりすることもあるでしょう。子どもの様子や、得意不得意をよく観察しながら、根気強く教えていくことが大切です。
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子どもに教えておきたい食事マナー7つ
次に、小学校入学までを目安に教えておきたい食事のマナーをご紹介します。入学までにすべて完璧に身につけることは難しい場合もありますが、大切なマナーとしてしっかり理解してもらうことが重要です。
食事の前後に挨拶をする
月齢が低いころから伝えることができ、習慣化しやすいのが「挨拶」です。
「いただきます」「ごちそうさま」は、食材や食事に関わってくれるすべての人に感謝を示す大切なことばです。意味がわかっていなくても、手を合わせてしっかりと挨拶することを伝えましょう。
ことばがわかるようになってきたら、「いただきます」「ごちそうさま」にはどのような意味が込められているかを教えると、より気持ちを込めた挨拶ができるようになりますよ。
お箸・スプーン・フォークの正しい持ち方をマスターする
お箸・スプーン・フォークには、それぞれ正しい持ち方や扱い方があります。身につけておかないと自己流の癖がついてしまい、改善するのが難しくなってしまいます。
ただ、頭ではわかっていてもなかなかうまく持てない子どももいるでしょう。子どもは、指や手首の筋肉が弱く、最初から大人と同じ持ち方では上手に食べることが難しいのです。そのため、まずは、グーで握って使うことからスタートしてみましょう。
食事に集中できるようになり、手先も器用になってきたら正しい持ち方を伝えます。
基本的にはそれぞれ鉛筆と同じような持ち方です。指の動かし方や力の入れ方を練習していきましょう。
参考:【画像で解説】子どもに教える、箸の持ち方|子どもとお箸トレーニング
また、料理をお箸からお箸へ渡す「箸渡し」や、お皿をお箸で近くに寄せる「寄せ箸」など、箸づかいのタブーもあります。タブーとされる行為を見つけたら、その都度「それはお行儀が悪いよ」などと注意していきましょう。
姿勢よく食べる
食事中は、背筋を伸ばしてイスに座り、正しい姿勢を維持することも大切です。背中が曲がっていると、見た目が悪いだけでなく消化不良にもつながってしまいます。「ごはんがまっすぐおなかに落ちていけるように」など、シンプルな理由だと子どもにも伝わりやすいです。
保護者がきれいな姿勢でお手本を見せ、正しい座り方、食器の持ち方などを教えていきましょう。
口を閉じて食べる
口を閉じてしっかり食べ物をかむことも大切です。
口に食べ物が入っていても、おしゃべりしてしまう子どもも多いものです。咀嚼中の口の中が見えたり、咀嚼音が聞こえたりすると、いっしょに食べる相手は不快になってしまいます。また、食べこぼしがふえる原因にもなります。
「おしゃべりは口の中が空っぽのときだけ」と伝えておきましょう。
お茶碗は手で持つ
お箸を使わないほうの手で、お茶碗を持つことも教えておきたいマナーのひとつです。この習慣が身につけば、自然と両手がテーブルの上に出るようになるため、正しい姿勢で座ることにもつながります。
熱さや重さなどの理由で持ち上げることが難しい場合は、手をそえるだけでも大丈夫です。テーブルにお皿を置いたままにするより、こぼしにくくなることも伝えてあげましょう。
食事中に立ち歩かない
小学校にあがっても、食事中でも気が散ったり、立ち歩いてしまったりなど、食べ終わるまで座っていられない子もいます。
子どもが集中していられるのは、小学校低学年でも15分ほどといわれています。そのため、子どもの集中力を手助けする工夫が必要です。
食べ物を食べやすい大きさにする、お気に入りのキャラクターの食器を使うなど、子どもが食事に興味を持てるように準備してあげましょう。
ほかにも、テレビを消す、気が散るものを目の届かない場所にかくすなど周囲の環境を整えることも効果的です。
飲食店では静かに過ごす
家庭だけでなく、飲食店で食事をするのも楽しみのひとつですよね。飲食店では周りの人に迷惑をかけないように、大声を出したり騒いだりせず、静かに過ごすことが大切であるとしっかり伝えましょう。
静かに楽しみたい人、ゆっくり休みたい人など、いろいろな状況の人が集まっているため、自宅とは違う環境であると前もって伝えておくといいですね。
周りの人も自分もいい気分で食事をするために、飲食店ではどのようなお約束が必要かを子どもといっしょに考えるのも効果的でしょう。
子どもに食事のマナーを伝えるときのポイント
食事のマナーに限りませんが、いいことと悪いことを伝えるだけではなかなか子どもの心には響きません。ここでは、どのような伝え方がオススメかをご紹介します。
伝えることはひとつに絞る
子どもは複数のことを同時に指導されると、混乱して理解しづらくなってしまいます。あれもこれも注意するのではなく、伝えたいことをひとつに絞り、わかりやすく何度も伝えてみてください。
まずは座って食べることをめざす、それができるようになったらお箸の持ち方に気をつけるなど、一つひとつクリアしていきましょう。
保護者がお手本を見せる
ことばで伝えるのも大切ですが、保護者の姿を見てまねることも大切な学びになります。食事のマナーを身につけるには、まずは保護者がよいお手本になってあげましょう。
上の子がいる場合は、上の子ができていることをほめると、いっしょにがんばろうと張り切ってくれることもありますよ。
明るい食事になるように心がける
マナーを教えることはもちろん大切ですが、できないからといって厳しい口調で注意したり、怒鳴ったりするのはオススメできません。
「こうしたらかっこいいよ」「お箸で小さなお米も取れて、お皿がきれいだね」など、マナーが身につくようなことばがけを心がけましょう。
マナーは一朝一夕では身につかないものと心得て、毎回の食事でほめたりことばがけをしたりを繰り返していってください。
食事のマナーを身につけて、楽しく食事をしよう!
食事のマナーを身につけることは、食材や食事に関わってくれるすべての人たちへの感謝の気持ちを身につけることにつながります。食事のマナーには、箸やスプーンの使い方だけでなく、周囲の人に迷惑をかけないような気配りも必要です。
まずは、保護者がお手本になれるような姿を心がけ、根気強くマナーを伝えていきましょう。きっと、子どもが大人になってからも役立つはずですよ。
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