【主人公の気持ちなんて分からない?】文章読解には『視写』と『音読』がオススメ

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【主人公の気持ちなんて分からない?】文章読解には『視写』と『音読』がオススメ

こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。
小学2年生にもなると、学習に関するお悩みが見受けられるようになってきます。今回届いたメールも、学校で保護者の方から相談されることの多いご相談内容のひとつです。

目次

Q.じっくり読めばわかる問題もささいなミスで減点に

小学2年生の息子がいます。

息子は国語(特に漢字)に興味があるものの、主人公の気持ちを考える問題が苦手なようです。例えば『(問題の文章を読んで)このときの◯◯君はどんな気持ちだったでしょう』などです。

3択など、答えを選ぶ問題ならなんとか理解できるようなのですが、選択肢のないものだと( )の後ろに『まるで( )のようだ』などの文章で( )の最後に『のようだ』と締めくくる言葉がプリントに書いてあるにも関わらず『~のようだのようだ』と書かなくてもいい語尾をつけてしまったりします。

本人が締めくくりの言葉に気づけばいいのですが、答えの文章を当てはめることに真剣になっているのか、はたまた締めくくりの語尾が見えてないのか……。テストでもたびたび訂正され、減点されてしまっています。

また、算数の文章問題が苦手で、きっちり読めば解けるような問題でも、数字だけを見て計算してしまうのか、足し算と引き算の区別がつかなくなっています。

「全部で・合わせて」「ちがいは・どちらが」など言葉で区別できるように教えてはいるのですが、理解しにくいようで……。

このようなケアレスミスを改善するにはどうしたらいいでしょうか?

(匿名希望)

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A.「よく読む」ことが身につけば、ミスは少なくなる

こうした悩みは、多かれ少なかれ、ほとんどの保護者の方が思っていることです。個人面談でも、「学習面の悩みトップ3」に入ると思います。

ご相談者は「ケアレスミス(不注意な間違い)」と書かれています。国語の問題にせよ、算数の文章問題にせよ、大人がそばについて言って聞かせて(子どもに)答えを言わせたら、正しく答えられるので、大人のほうはこうした間違いを「ケアレスミス」だと思っています。しかし、ことはもう少し複雑なだと私は思っています。

ひとつは、話を耳で聞いて理解することと、文章を目で読んで理解することには、ときに大きな隔たりがあるからです。

私たち人間は、赤ちゃんの頃から耳で聞いて理解し、考えたことを口で話す「回路」を使ってきました。就学時になると、今度は目で読んだことを理解して、手を使って文字で表すという「回路」が加わります。これは大きな変化です。ある子どもたちにとっては、「聞いて話す」の回路と「読み書き」の回路とでは、そのつながりやすさにおいて、深い谷のような隔たりがあるように感じられるようです。

ですから、1年生のころのテストプリントには絵がたくさんあったり、できるだけ具体物を使うようにしたり、考えたことを話させてから答えを書くようにしたりして、この隔たりを埋めたり、2つの回路の間に“橋”をかけるような指導をするのです。

こうした指導をしている期間に、すんなりと回路の間に橋をかけられればよいのですが、そうならない子もいます。私の印象では、「早合点をしがちな子」です。たとえば、質問を言い終わらないうちからさっさと答えを書いたり、書く文字もそそっかしくて「ていねいに書きましょう」と注意されたりする子です。

こういうお子さんは、目で読む文字に、あまり必要性を感じていません。聞いたらわかるのに、何でそれを書かなければならないのかと、まどろっこしさを感じているはずです。

ですから、文章問題の設問の重要性も、本人は重要だとは思っていないので、安易に答えて間違えます算数の足し算・引き算でも「全部で・合わせて」「ちがいは・どちらが」というのは、「これさえあれば問題がわかる魔法の言葉だよ!」と教えても、先ほどの回路の間に橋がかかっていないと、「魔法の言葉」どころか「混乱の種」にしかならないのです。

こうして、耳で聞いたらわかるようなことでも、読んで書くとなると間違えてしまうため、だんだん苦手意識をもつようになります。理解度を測定する方法としては、いわゆるペーパーテストを使うことが多いので、この点数がはかばかしくないと、勉強が苦手という意識が子にも保護者にも植え付けられてしまうのだと思います。

間違いは悪いことではないということも教えたい

さて、そこでどうするかです。

低学年のクラスに30人の児童がいると、丈夫な「橋」がかかっている子が3分の1。とりあえず「橋」がかかっているものの、あぶなっかしい「つり橋」であったり「橋」を渡るのを忘れていたりする子が3分の1いる、と仮定します。

私は、よく「読む・書く」ことに重点を置いて、教科書の物語文をそのままていねいにノートに「視写(=教科書の文通りに書き写すこと)」をして、書き終えたら、教科書を閉じてそのノートを見て「ひとマスあける(改行)」「、(てん)」「。(まる)」も声に出して発表するという授業をしていました。

1度やってみると、書き落としのない子と、文字が抜け落ちる子とに分かれます。でも次にやると、文字の抜け落ち率がぐんと減ります。こうして、読む文字に対して慎重さが出るようになり、「よく読むとは、こういうことなんだな」と実感できるようになるようです。

ただし、授業で行うには時間がかかるので、そんなにひんぱんにできません。また、本当にやってほしい「橋がかかっていない子」がやると、とても時間がかかって、ほかの子との差がどんどん開いてしまうのです。

そこで、こういった「橋渡し」の作業をお家でやってみてはいかがでしょうか。教科書の物語文でもいいですし、保護者の方が読み聞かせをしてきた本でもいいと思います。長さは、ノートに2ページ分くらいから始めるとよいでしょう。短いと感じるかもしれませんが、こうした子どもにとってノート2ページをしっかり書くというのは、とてもすごいことなのです。

そして大切なのは、最初のうちは保護者の方も一緒に書く、ということです。これ以上できないというくらい、ていねいに書いて、お子さんを驚かせてください。
一緒に書くと、お母さん自身も文章への理解が深まると思います。そして、家では決してせかさないことです。お子さんが書き終えるまで待ちます。

お互いに書き終えたら、それぞれノートを交換して、一緒にゆっくり読んでみましょう。「ひとマスあける(改行)」「、(てん)」「。(まる)」も声に出します。お互いの声で確認しながら、違っていたら、赤鉛筆で直します。

ここで、保護者の方がわざと間違えておいて、「あっ、間違えちゃったな」と言いながら、ていねいに書き直して、もう一度、言い直します。これをする目的は、間違いは悪いことではない、ということを教えるためです。間違えたら直せばいいし、次に間違わないように気をつければよいだけのことだからです。

勉強に苦手意識をもっている子ほど、間違いを隠そうとして、あわててごまかして、その結果、何も身につかないことが多いのです。

こんなふうに、「読む・書く」を家で補習するのです。書くノートのページ数を少しずつ増やしたり、かかった時間を記録しておいたり、保護者の方が食事の支度をしている間に子どもだけで書いたりします。無理強いせず、何度かやってみると、「橋」がかかったかな?と思うような出来事が出てくるかもしれません。

こうしたことは個人差が大きいのです。多くの子は、いずれ理解することですが、今のうちに、お家でもこのようなに取り組みをされてはいかがでしょう。

この記事の監修・執筆者

小学校教諭 舟山 由美子

ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。

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