「無視を断ったらターゲットに」小学生お友だちトラブル実例 その2

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「無視を断ったらターゲットに」小学生お友だちトラブル実例 その2

〈第2回 難しいトラブルにどう対処する?〉

小学校に入学すると多くの家庭が直面する、お友だちとのトラブル実例集・第2回をお届けします。今回も本サイトで実施したアンケートをもとに、先輩ママパパが経験した悩ましいトラブルを、前回の4つの実例に続き、さらに4つご紹介します。

家族問題カウンセラー・山脇由貴子さんは、入学後、子どもが友だちとよい関係を築くまでには時間がかかると話します。「就学前はずっと親と一緒に過ごしていた子どもが親から離れ、友だちとの世界を広げていくのは簡単ではありません。友だちがすぐにできなくても焦らず、『友だちづくりって大変だね』と寄り添ってあげてください。また、『子どもの友だち関係に親がどこまで口を出すべきか』と迷う人もいるかもしれませんが、小学校低学年くらいでは、まだ保護者の関わりは必要です。何かあったときに、お子さんがおうちのかたに率直に話をしてくれる親子関係を築いておくことも大切です。」

文:遊文社(小林 洋子)

目次

前回:「友だちに押されてケガをしたのに」小学校トラブル実例 その1

事例④ 無視される、ひそひそ陰口を言われる

[トラブルの内容]無視する誘いを断ったら、わが子がターゲットに


学童保育所に通う同学年の中に、相性の悪い子たちがいます。2年生の半ば頃から、仲間みんなで遊ぼうとすると「それは嫌」と泣いてわがままを言う子がいて、娘が仕方なくその子と遊ぶ日が多くなりました。そのうちに、他の子たちがその子を「無視しよう」と言い出し、娘が「ダメだよ」と言った結果、ひそひそと陰口を言われたり、無視されたりするように。

その後、一度は落ち着きましたが、学年が上がって泣いてばかりいた子が学童を辞めたため、今度はうちの娘がターゲットになり、無視されたり、物を隠されたりするようになりました。

[解決方法・反省点など]学校に相談したほうがいいのか、葛藤中……

その都度親子で話し合い、途中までは頑張って学童に通っていましたが、物を隠されたりすることに限界を感じたようで「学童は行かない」と言い出すようになりました。とても辛かったのだろうと思います。今は、学童を辞める方向で考えています。

学校を通して相手の親にも状況を知らせたほうがいいのか、悩みます。学校の先生は「何かあったら相談して。本人たちにすぐ言うから」とクラスで伝えてくれていますが、娘に「学校へ相談しようか?」と尋ねても、後が怖いのか、「絶対に言わないで!」と言われています。

[山脇さんからのアドバイス]子どもの話に耳を傾け、「あなたは悪くない」と伝えて

事例④のひそひそ話、無視などは女の子に多いトラブルです。そういういじめや嫌がらせを受けたときは、まず「あなたは悪くないよ」と伝えましょう。いじめをしてくる人たちと闘う必要はありません。闘う意味もないですから、私はいつも「ダッシュで逃げて」と伝えています。

家庭では、お子さんの話を丁寧に聞いてあげてください。家で話をして自分のことをわかってもらえると、気持ちがすっきりすることも多いものです。このとき「どうしてあなたは○○しなかったの?」などとお説教はしないこと。「嫌だったね、辛かったね、悲しかったね」と共感し、「お母さん・お父さんはあなたの味方だよ。どうしたらいいか、一緒に考えよう」と伝えましょう。

事例⑤ 荷物持ちをさせられ、仲間外れに

[トラブルの内容]荷物持ちをさせられているのを目撃し、ショック

娘が小学1年生の夏頃のことです。登下校中に、同級生の子から荷物持ちをさせられていました。自分の荷物だけでも重い1年生が、他の子のランドセルを持たせられてみんなの後ろを遅れて歩く姿を見て、私もとても辛い思いをしました。そこで子どもたちと保護者に「やめてほしい」とお願いしたところ、娘が仲間外れにされてしまいました。

さらに、相手の保護者が「荷物を持たせられるほうが悪い」と言って譲らず、怖い思いもしました。周囲にも「荷物を持つと言ったうちの娘が悪い、自分の子がいじめっ子にされるところだった」と言いふらしていたのを後で知りました。

[解決方法・反省点など]学校の先生から、注意を伝えてもらいました

当事者だけでは解決できなかったので学校の先生に相談し、相手の保護者に注意してもらい、子どもたちにも登下校時のルールなどを話してもらうことができました。

娘の場合、嫌なことを「嫌だ」と言うのが苦手だったので、自分の気持ちを伝えられるように練習する必要がありました。小学生になると目の届かない範囲でのトラブルが増えるので、親がしっかり話を聞いて見守る必要があると感じています。

[山脇さんからのアドバイス]「嫌だ」と意思表示していいんだよ、と伝えて

事例⑤のように、嫌なことをされたときに「嫌だ」と意思表示できることも重要です。くだらないことに誘われても「やらない!」と言って逃げるなど、すぐにできる対処法をお子さんに伝えてください。友だちのようでも上下関係があり、いつも相手に命令や意地悪をされるような関係なら、無理に付き合わずに距離を置きましょう。

事例④も⑤もそうですが、同じ学校に通う友だち同士でトラブルがあったときは、学校の先生を巻き込むことも大切です。お子さんが「学校に言わないで」と言ったとしても、「あなたを守るために必要なことだから」ときちんと説明をすれば、子どもも理解します。学校の先生にも事情を説明し、「様子を見てほしい」とお願いしておくとよいでしょう。

事例⑥ ふざけているのか、何度もお尻を触られる

[トラブルの内容]学校の休み時間に、クラスの子からお尻を触られた

深刻なトラブルという感じではなかったのですが、娘が小学校1年のとき、学校の休み時間にクラスメイトから、お尻を何度も触られるということがありました。

[解決方法・反省点など]学校に報告すると、厳しく叱ってくれました

いたずらなのか、間違いなのか、よくわかりませんでしたが、心配だったので学校の先生に報告して対応してもらいました。相手の子が怒られて廊下に立たされる罰を受けていて、先生の対応が思いの外、怖かったので驚きました。

[山脇さんからのアドバイス]プライベートゾーンについて、学ぶことが大切

暴力もそうですが、性的なことをする子どもは、身近な大人から同じことをされている可能性が高いです。また本人に悪気はなく、相手を「好き」「かわいい」と思う気持ちから、キスやハグなどといった身体接触がクセになっているようなケースもあります。

こうした場合は、事例⑥の保護者のかたのように、まず学校の先生に相談し、相手の子にやめるように伝えてもらいます。小学校低学年のうちに担任や養護教諭から、「体の中で、水着で隠れる部位はプライベートゾーンであり、人に触られるのもいけないし、人を触るのもいけない」と学んでおく必要があります。

お子さんが体を触られたときは、家庭でも身を守る行動を教えましょう。もし今後同じことがあったら、「嫌だ」と言って先生の近くへ行く、保健室へ逃げ込むなど、具体的な行動を伝えておくと、子どももいざというときにすぐ行動できます。

事例⑦ 押したなどと、相手から被害を訴えられた

[トラブルの内容]相手から、わが子が悪いと一方的に責められた

今の地域に転校してきたばかりのわが家。転校してきた直後に、同学年の子数人から意地悪をされ、いじめにつながるといけないと思い、相手の親御さんに注意をしたことがありました。

それから2年生の冬になり、そのときの加害側の1人の保護者から「あなたの娘が一方的に押した、引っ張った」などと被害を訴えるメール連絡が度々ありました。私も最初は驚いて、本当に娘が悪かったのだと思って謝罪し、娘を責めてしまいました。

その後、娘とじっくり話し合ったり、子どもたちの様子をよく観察したりするうちに、「相手の子があることないことを親に報告しているだけで、本当はお互いさまなのでは?」という疑念が大きくなり、イライラが募っていた矢先、相手の子の行動で娘が大けがをしてしまいました。

[解決方法・反省点など]子どもの話を聞き、真実を見極めることが大切

相手の親御さんに「やっぱりお互いさまでしたね、手や口を出す前に目を配ってください」といったことを伝え、今までのことにようやく謝罪をもらいました。幸いなことに娘のけがも傷は残らず、回復してきたのでよかったです。

この件では、被害を訴えられても、まずは自分の子を信じ、落ち着いていろいろな方面から情報収集をして真実を見極めることが大事だなと痛感しました。親は子どもの友だちを選べないので辛いな、と感じることもあります。

[山脇さんからのアドバイス]親が一人で抱え込まず、相談できる人をもとう

事例⑦のように、世の中には被害者意識が強い人がいます。何でもないことでも「押された」「いじめられた」という子どもはいますし、それを必要以上に大げさに考える保護者もいます。そういう人もいることを、頭に置いておく必要はあるでしょう。

また、子どもの友だち関係では、思いがけず、わが子が加害者になることもあります。そのとき、ただ強く叱るだけという対応はよくありません。大人が感情的に叱っても、子どもには「怒られた」という嫌な記憶が残るだけで、反省や改善につながらないからです。被害を受けた相手の気持ちを説明し、「次に同じことが起きたとき、どうすればいいか」を具体的に教えましょう。

子どもの友だちトラブルで大事なのは、おうちのかたが一人で問題を抱え込まないことです。夫婦で話してみるのもいいですし、学校の先生や実家の親、親しい友人など、相談できる人に悩みを聞いてもらいながらより良い解決法を考え、子どもの成長を応援していきましょう。

この記事の監修・執筆者

家族問題カウンセラー 山脇 由貴子

女性の生き方アドバイザー。都内児童相談所に心理職として19年間勤務。2006年出版のいじめ問題の核心に迫る『教室の悪魔』(ポプラ社)がベストセラーになり、全国各地で講演活動を行う。現在は個人の心理オフィスで心理相談を受けながら、テレビ等のメディアでも子ども、教育、家庭、女性の生き方などについて情報を発信。

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