【新学期スタート!】席替えはなんのためにするの?

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こんにちは。現役小学校教諭の舟山由美子です。
楽しかった夏休みも終わり。気持ち新たに学校生活がスタートします。
宿題や感想文なども無事に終わりましたか?
今回は、この時期に気になる話題として、席替えと忘れ物について取り上げます。

目次

席替えはコミュニケーション教育!

夏休み明けに、席替えをするクラスも多いのではないでしょうか。
席替えに対する考え方は、先生によって違いがあり、必ず行わなければ行けないというものではありません。席替えをする先生もいれば、しない先生もいますし、席替えをする場合も、どれくらいの期間で席替えするか、くじびきなのか先生が決めるのかなど、やり方が大きく違ってきます。

席替えをする理由のひとつは、学習意欲がわくようにするということです。学校は、30人程度の子どもが教室という1つところに集まって、長時間過ごします。ずっと同じ環境だと、当然マンネリ化してしまいます。そこに席替えによって、緊張感を加えることで、学習意欲を刺激するのです。

また、クラスであまりよくない雰囲気になるようなことがあると、それを解消するための即効策にもなります。
先生によっては、それぞれの個性や学習の内容に応じて、最も学習効率が高くなると思われる座席を考えて席替えをすることもあるようです。

また、席替えには「コミュニケーション教育」という意味もあります。
学齢期の子どもたちにとって教室とは、「この先に待ち構えている社会の縮図」です。いろいろな家庭の、いろいろな価値観をもった子がいて、失敗やトラブルやケンカをしつつ、それらを乗り越えていこうとする気持ちや方法を身につけていく場なのです。コミュニケーション能力を育てるという意味でも、いろいろな子と席を並べることが重要だと考えます。

席替えをした直後に保護者の方から、隣りの子が「うるさい」「意地悪をする」「ちょっかいを出したりして落ち着かない」ので、席を替えてほしいという要望を受けることがあります。しかし、その数日後に誰よりも気の合う友だちになっていた、ということも実際にありました。

また、席替えをしたとたん、それまで落ち着かなかった子が、すごく授業に集中して表情まで変わったということもあります。「配置の妙」とでも言うのでしょうか。こうなると、担任がいくら考え抜いて席を決めても、その策の通りにいくわけではないということです。

特に1・2年生では、席替えによって学習態度や友だち関係に、予想もしなかった劇的な変化が見られることがあります。保護者の方の心配はごもっともですが、長い目で見てください。

子どもの中で優先順位が低いものは忘れる

新学期が始まった直後は、宿題や提出書類など、学校に持ってくるものが多い時期。忘れ物が多い子は、毎日よく確認することが必要です。

忘れ物をしやすい子の行動を見ていると、お知らせプリントを配られても、ランドセルに無造作に入れてぐちゃぐちゃにしてしまったり、連絡帳袋にすぐ入れない傾向があります。連絡帳と連絡帳袋に入っているプリントは、学校と家庭を結ぶ基本アイテムなのですが、忘れ物をしやすい子は、その意義が理解できていないようです。

担任は、忘れ物をしないように持ち物や学校行事の通知、提出書類の締め切りなどを連絡帳に書かせたり、子どもたちにもよく説明したりするのですが、忘れ物をしやすい子は、こうしたことを軽く考えているため、よく聞いていません。その結果、忘れてしまうというわけです。

しかし、自分が楽しみにしている水泳の持ちものや工作の材料などは絶対に忘れないことも多いのです。つまり、その子の中で優先順位が低いものは忘れるということになります。

子ども自身が忘れない意識を持つことが必要

私は、忘れ物には、「先生や周りの友だちがフォローできるもの(鉛筆・消しゴム・教科書・ノートなど)」と「フォローが難しいもの(上履き・体育着・提出書類・各自で準備することになっている学習材料)」の2種類があると考えています。ほとんどの子は、ときどき前者を忘れるくらいですが、忘れ物が多い子はどちらもよく忘れます。

後者を忘れたときは、担任が個別に家庭に連絡し、持ってきてもらうのが一般的です。ただし私自身は、なるべくそうしないようにしています。子どもたちに「忘れても先生から家に電話してもらえばいいんだ」と思ってほしくないからです。保護者は電話1本で届けてくれる宅配便ではありませんし、保護者にもすぐ届けられる人と、そうでない人がいます。

学習する「主体」は子どもなので、最終的には主体である子どもが、忘れ物がないように自分で意識していかなければなりません。

忘れ物を防ぐための4つの対策

お子さんの忘れ物が多い場合、家で次のようなことを意識してやっていくとよいでしょう。

1 毎日の時間割をそろえる作業を習慣づける。保護者も確認する

2 連絡事項の内容を見て、持ち物を子どもと一緒に確認する

3 上履き・体育着・給食着など、1週間のはじめに持って行く物は、置く場所を決める

4 忘れものをしたときには、そのときのことを振り返って親子で話す(学校で忘れたとき、どんな気持ちがしたか、周りの友だちはどんな様子だったか、困ったことが実際にあったかなど)

特に、4については、担任から「忘れ物が多い」と指摘された子の場合に重要です。忘れ物をしたことで後ろめたいネガティブな気持ちになり、集中できず、10のうち3レベルの学習達成しかできなかった。忘れ物をしなければ本当は8ぐらいのレベルまで行けたかもしれないし、もっとやる気が出て、どんなにいいことが待ち構えていたかもしれない……など、多少大げさでもよいので、話しながら「思考」させましょう。

すぐに効果は表れないかもしれませんが、怒ったり、口先で「これからは忘れないようにする!」と言わせるのではなく、何度も根気よく話し合うことが大切です。
低学年のうちにしっかりと教えると、そのあとは手がかからなくなります。

この記事の監修・執筆者

小学校教諭 舟山 由美子

ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。

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