男の子・女の子の子育て~違いはある?伸ばす育て方とは?

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男の子と女の子では、遊び方、友だちとのかかわり方に差が表れることが多く、それぞれに合った「ほめ方」「叱り方」があるそうです。それぞれのお子さんの特性にあった育て方ができれば、成長の伸び幅が変わるかも。
そこで、一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長 竹内エリカさんに、男の子・女の子の傾向と、それにあった育て方についてのお話をうかがいました。

目次

育ち方と育て方の違い、おもな傾向

子どもが遊ぶ様子、友だちどうしでのかかわり方などを観察してみましょう。男の子と女の子ではどんなところが違うでしょうか。どうして違うのでしょうか。

男の子と女の子の遊ぶもの・遊び方

<男の子の好きなおもちゃや遊びの傾向>
車、電車、虫などの動くものが好き。ミニカーなど動かして遊ぶもの、ヒーローものの堅い人形、ボールなどを選ぶ子が多いです。

<女の子の好きなおもちゃや遊びの傾向>
コミュニケーション能力が高く、おままごとなどの見立て遊びが好きです。家が作れそうな色がついた積み木、繰り返し遊べるブロックやパズル、縄跳びも好きです。

また、女の子は大人の真似をして学習するというモデリング(模倣学習)力が高いとされ、ぬいぐるみや人形など、人に似たもの、顔がついたものを好む傾向にあります。

これらはあくまで傾向であり、環境やその子の生まれ持ったものも作用します。どんな遊びでも子どもの成長に役立ちますので、その子がチョイスするもので遊ぶのがベストです。

親は、男の子らしいおもちゃ、女の子らしいおもちゃを選びがちですが、逆にお子さんが違うおもちゃを喜ぶこともあります。それはその子の個性なので、それが好きなんだな、と次に遊ぶ場所や道具など状況別に違いを確認してみましょう。

砂場での遊び方

男の子

「砂を投げてみる」「穴を掘る」「山を作る」「壊してみる」といった、結果がすぐにわかる遊び方をする傾向があります。実験欲、発見欲が強く、「こうしたらどうなる?」と好奇心旺盛です。

女の子

想像力を働かせて「お団子を作る」こと、感性が豊かなので「砂のサラサラ感を楽しむ」こと、手指を使うことが好きなので「シャベルですくってみる」「器に入れてみる」ことを楽しむ傾向があります。

積み木での遊び方

男の子

月齢が低い頃は「たたいて音を出す」「高く積んで壊す」を繰り返して遊びます。年齢が上がると横に並べて遊び、大きさもどんどん変化していきます。

女の子

いろいろな色が付いた積み木を好み、家やお城を作ります。その期間が長いのが特徴です。実際にはないものを想像して作るのが好きです。

縄跳びでの遊び方

男の子

縄を振り回したり、形状を観察したりし、うねうねと形が変わり何かに似ているといった発見を楽しむ傾向があります。

女の子

周りの様子を見て、縄跳びは「回して跳ぶものだ」と認識し、縄跳びを見よう見まねで始めます。

したがって、男の子のほうが女の子よりも、縄を跳べるようになるのが遅い傾向にあります。

友だちとの遊び方

男の子

同じ空間で一緒にいるけれど、それぞれが独自に好きなことをしてそこに存在している、という「並行遊び」をします。年齢が上がってくると、同じ目的の子と遊ぶようになります。

女の子

人とのやりとりがとても好きなので、「協力して何かを作る」「会話をして一緒のストーリーで遊ぶ」というかかわり方をします。

傾向の違いは、狩猟時代の名残?

男の子の特徴は「結果重視」

男性

男性は、昔狩猟をしていた時代、獲物を捕るために行動力が必要だったこと、生き延びるために獲物を捕るという結果が求められたことで、結果重視の傾向があると考えられています。
また、空間認知、動体視力が優れている子が多いとされ、「動くもの」に興味を持つことが多いのもその時代の名残と考えられています。

そして、本能的に肌のスキンシップを求めます。 スキンシップは自信の糧になります。男の子は自立心が強く、急にどこかへいなくなって、しばらくすると戻ってきますが、離れていたその分深く甘えさせてあげないと、自立していけなくなってしまいます。

女の子の特徴は「プロセス重視」

女性

女性は、出産し家庭を守るなかで、共感のコミュニケーション能力がとても発達したと考えられています。

女性の言語発達能力が高いのは、子育てや、それに関わる社会とのつながりのために、より会話が必要であったためと考えられます。結果よりも、そこに至るまでのプロセス重視の傾向があります。

また、いつも、ほどよくママのそばにいます。そんなに離れないので、個人差はありますが、甘えも男の子に比べ比較的少ないとされています。

男の子と女の子の、友だちとのかかわり方の特徴と違い

男の子

その場その場で気の合う子とかかわり、いろいろな子と広く付き合います。目的によってかかわる友だちも変わるのが特徴です。

自分の目的が重要で、「やりたいことが達成できるとき、そこに人が存在している」のです。したがって、サッカーするときはサッカーをする子と、野球をするときは野球をする子と行動します。おままごとをするときは女の子と遊ぶこともあります。

女の子

特定の友だちと深くかかわり合いたいという傾向にあります。人が前提にあり、好きな人と何かをやる、この人と遊びたい、という気持ちを重視します。

深くかかわろうとするので、けんかも女の子の方が多い傾向にあります。

男の子と女の子のほめ方・しかり方にもコツがある

男の子と女の子では、育て方にも違いがあります。ここではお子さんへのほめ方・叱り方を中心にコツをお教えします。

男の子のほめ方と叱り方のコツ

ほめ方のコツ:「やった事実」をほめる

何事も「できたね」「上手だね」と1つ1つの行動を認め、ほめること。でないとすぐにくじけてしまいます。

競争心も強いので、モチベーションを上げるために、どっちが早いか競争するのがおすすめ。「ママより早い」「ママ負けちゃった」も、ほめ言葉になります。

男の子にとって、それをやったという事実が大事であり、内容やプロセスはさほど重要ではありません。したがって、「きれいに」や「細かく」ができていなくても、強く叱らないことです。

叱り方のコツ:「わかりやすく一言」で

男の子は、𠮟られているときは、うわの空で耳に入っておらず、叱っても目が合わないことも多いです。なので、的確なひと言ですませます。

例えば、病院で騒いでいたとき
×「病院で騒ぐと、周りに迷惑でしょ」
「黙りなさい」「座りなさい」「止まりなさい」

そして、まったく違うタイミングで言い聞かせます。例えば甘えてきたとき、いい子のとき、一緒にお風呂に入っているとき、寝るときなどに、

「今日、病院で騒いじゃったよね。ああいうことをするとみんなに迷惑がかかるのよ」と論理的に話して聞かせると、よくわかってくれます。

女の子のほめ方と叱り方のコツ

ほめ方のコツ:「気持ち」をほめる

女の子は所属欲求が強く、「ありがとう」「助かったわ」という言葉が大好きです。うまくできなくても一生懸命取り組む姿勢と気持ちをほめましょう。

また、女の子はプロセス重視の「オンリーワン」思考。みんながいる中で自分がどういう存在かにこだわります。「あなたが一番字がきれいね」「あなたに頼むと、とてもきれいにやってくれるから、また頼みたいわ」というように、どうしてあなたなのかを重視すると個性が伸びていきます。

叱り方のコツ:「きちんと説明する」

女の子は理由がないと納得しない傾向があります。悪いことをしたその場で叱らないと理解しません。その瞬間に叱って、そこでスパッと終わらせることが大切です。

例えば、病院で騒いでいたとき
×「黙りなさい」「座りなさい」「静かにしなさい」
「周りのみんなに迷惑がかかるから、しゃべらないで」
「迷惑をかけてはいけないのよね。だから静かにしてて」

記憶力がいいため、何回もしつこく言うと「私ってダメな子なんだ」と落ち込んでしまうので気を付けましょう。

ふだんの会話ややりとりで気を付けること

ママとパパの、ふだんのかかわり方や気を付けるべき点も、男の子と女の子では違います。

男の子は検証するクセを

男の子は失敗を繰り返しながら学んでいきます。それはいいことなのですが、飽きるとほっぽり出して次に行ってしまうので、そのままにすると「飽きっぽい性格」になってしまうことがあります。

そういうお子さんには「どうしてダメだったか」「もっと大きいのを作るにはどうしたらいいのか」「それがどうしてうまくいったのか」など、検証をするクセをつけるといいでしょう。

女の子は教えすぎないこと・人と比べないこと

女の子は教わって学ぶタイプです。うまくできないと、「ママ教えて」「どうしてできないの?」「やり方どうするの?」と聞いてきます。

答えを求めるようとするので、完璧を求めやすい傾向にあります。そのため失敗を恐れて行動できないことも。

女の子には好きにやらせて、あまり教えすぎないことが大切です。

また、「あの子はこうなのに私は…」と人と比べる傾向にあるので、ママやパパも、ふだんから人と比べないこと。比べさせないようにしましょう。

男女共通して子育てで大切な3つのポイント

①子どもを観察すること

何かをしたときにどういう行動をとるか。どういう叱り方をすると素直に言うことを聞いてくれるか、どうほめるとモチベーションが上がるかなど、子どもの特徴をよく知ることです。

②会話の中で感情を表現する言葉をたくさん使う

形容詞には感情を表すのに役に立つ言葉がたくさんあります。「おもしろい」「楽しい」「うれしい」などがそれです。また、「使いたい」「遊びたい」など、「い」で終わる表現も、感情を表現しています。

例えば、自分が持っているおもちゃを、「貸せ」と言われたら貸したくないけど、「使いたい」と言われたら考えますよね。このように感情表現で全然印象が変わります。

これらを会話で意識して使うことで情緒が安定し、自分の気持ちを表せる人に育ちます。

③わたしが主語の「I」メッセージを心がける

英語の「I」(アイ)つまり、「わたし」のことです。例えば、ママ(わたし)が伝えるとき、

「(あなたは)片付けできたね、えらい」と「あなた」を主語にするのではなく、「片付けできてママ(わたし)は気持ちいい」と「I(わたし)」を主語にする伝え方がおすすめです。

「えらい」と言ってしまうと、「片付けた人がえらい」となってしまい、ほめられたくて片付けをする子になってしまいます。

いかがでしたか? お子さんをよーく観察して特徴や傾向を知り、お子さんに合ったほめ方・叱り方でお子さんの良いところを引き出し、能力をグンと伸ばしていきましょう!

この記事の監修・執筆者

幼児教育者。一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長 竹内 エリカ

たけうち えりか/幼児教育者。一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長。2児の母。

お茶の水女子大学大学院修士課程修了。20年にわたり講演・作家業をメインに多動症・不登校の克服、giftedと呼ばれる子ども達の心のケアなど育児・教育の専門家として約2万人の親子と関わる。「男の子の一生を決める0〜6歳までの育て方」他著書多数。

HP
https://linktr.ee/takeuchi_erika

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