【高校生まで児童手当がもらえる?】異次元の少子化対策による現行制度との違いを比較!

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現在、日本では保育園の待機児童問題や金銭的負担などから少子化が進んでいます。そこで、子育て世代の負担をへらそうと「異次元の少子化対策」が掲げられました。

2024年度から検討されている異次元の少子化対策は、現在とどう変わるのでしょうか?
この記事では、異次元の少子化対策について児童手当の現行制度と検討案を比較しご紹介します。

文/マムズラボ

目次

現状の児童手当とは?

まずは、現状の児童手当についておさらいしておきましょう。 

対象者は中学生まで

内閣府のホームページより、児童手当の支給対象者は「15歳の誕生日後の最初の3月31日までの子どもを養育している方」、 原則として児童が日本に住んでいること(留学は一定の要件を満たすなどの条件あり)とあります(※1)。 

児童手当を受けるためには、住んでいる市区町村へ申請が必要です。なかには、毎年6月に現況届の提出が必要な自治体もあります。引っ越し、留学などの際は申請を忘れないように注意しましょう。 

支給額は10,000~15,000円

児童手当を受け取れる子ども1人あたりの支給額は以下のとおりです。 

・3歳未満:一律15,000円/月
・3歳以上小学校修了前:10,000円/月(第3子以降は15,000円/月)
・中学生:一律10,000円/月
(※1)

支給日は年に3回あり、毎年6月、10月、2月にそれぞれの前月までの分(6月には2~5月分、10月には6~9月分、2月には10~1月分)が支給されます。 

所得制限がある

児童手当には、「所得制限限度額」「所得上限限度額」があります。所得制限限度額を超えると、児童手当のかわりに「特例給付」という形で子ども1人あたり月額5,000円が支給されます。 

一方、所得上限限度額は、それを超えると特例給付も支給されません。共働きの場合、どちらか一方の所得の高い方を対象としており、世帯の総収入額とは関係ないため注意が必要です。

所得制限の金額については扶養親族の数などによって異なるので、内閣府のホームページなどで確認しましょう。 

オススメの記事:【知らないと損!?】子育ての負担を軽減できる「子育て支援」の種類や条件とは?

異次元の少子化対策による児童手当の変更点とは?

2024年度から検討されている児童手当の新制度について3点ご紹介します。 

支給期間の延長

現在の支給期間は0歳から中学校卒業までですが、変更後は0歳から高校卒業までに伸びる予定です。

高校に通っていない場合は、保護者と生計が同一であることなどを要件に、18歳の誕生日後の最初の3月31日まで支給される見通しとなっています。 つまり、子どもが一人暮らしをしながら仕事をして生計が独立していた場合は、支給対象外になる可能性があります。 

所得制限の撤廃

所得制限をなくし、保護者の所得額に関係なくすべての子どもを対象に支給されます。今まで所得制限のため児童手当がなかった、金額が少なかった家庭にとっては子どもに使えるお金がふえるのはありがたいですね。 

第3子以降の支給額の増額

これまで、第3子が3歳以上小学校修了前の期間のみプラス5,000円の増額がありました。変更後は、第3子以降の子どもは0歳から高校卒業まで一律30,000円が支給されます。 

例として、小学1、3、6年生のきょうだいがいる場合の児童手当の月あたりの金額について表にまとめました。  

表1

 現在の児童手当 変更後の児童手当 
第1子:小学6年生 10,000円 10,000円 
第2子:小学3年生 10,000円 10,000円 
第3子:小学1年生 15,000円 30,000円 

現状の児童手当と新制度の比較・注意点

現状の児童手当と、新しく変わる児童手当の制度を比較した表が以下となります。  

表2 

 現在の児童手当 変更後の児童手当 
年齢(支給期間) 0歳から中学校卒業まで 0歳から高校卒業まで 
支給月額 3歳未満:一律15,000円 
3歳以上小学校修了前:10,000円 
中学生:一律10,000円  
3歳未満:一律15,000円  
3歳以上小学校修了前:10,000円 
中学生:一律10,000円  
高校生:一律10,000円 
所得制限 あり
 特例給付月額5,000円 
なし
 全員支給対象 
高校生への支給 なし あり 
第3子以降の支給月額 3歳以上小学校修了前のみ
 第3子に追加支給がある (10,000円→15,000円)  
0歳から高校卒業まで 
一律30,000円の支給 

支給は、2025年2月(2024年10月~2025年1月分)からスタートする予定です。表2で確認すると、児童手当の金額がふえているのがわかりますよね。今まではもらえなかった「高校生」の期間に児童手当が支給されると、大学や専門学校などの進学費用にも使えます。 

注意点としては、第1子が大学1年に相当する「19歳の学齢」に達すると「第1子」から外れ、2番目の子どもが「第1子」、3番目の子どもが「第2子」の扱いになることです。  

具体的に、高校3年生の第1子が大学生になった場合の児童手当について比較した表が以下になります。 

表3 

 2024年10月 半年後 
第1子:Aさん 高校3年生 
10,000円 
大学1年生 
児童手当はなくなる 
第2子:Bさん 高校1年生 
10,000円 
高校2年生 
第1子扱いとなり、支給額は
10,000円 
第3子:Cさん 小学6年生 
30,000円 
中学1年生 
第2子扱いとなり、支給額は
10,000円 

今まで、Cさんは第3子だったので30,000円受け取れていましたが、Aさんが19歳の年になると児童手当の対象から外れるため、Bさんが第1子、Cさんが第2子にカウントされます。 

子どものために児童手当の新しい情報を収集しよう

学費や習い事など、子育てにはお金がかかりますよね。国から受け取れる児童手当や補助金を有効活用すれば、貯蓄などの資産管理に役立ちます。 

3人以上の子どもを育てている家庭や、第3子を望んでいる家庭にとってはもらえる金額がふえるので、新制度についての理解を深めておきましょう。 

【参考元】 
(※1)内閣府「児童手当制度のご案内」 

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