【睡眠×運動が大切!】学習に良い影響を与える❝勉強・睡眠・運動❞のバランスとは⁉/藤田敦子さんの“賢い子”を育てるポジティブ教育法

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【睡眠×運動が大切!】学習に良い影響を与える❝勉強・睡眠・運動❞のバランスとは⁉/藤田敦子さんの“賢い子”を育てるポジティブ教育法

シングルマザーで2人の息子さんを難関私立中高一貫校、そして公立大学医学部現役合格へと導いた藤田敦子さん。現在は一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会代表理事として、主に小学3年生までのお子さんのいるご家庭を対象に、“受験子育て”にまつわる相談を多く受けていらっしゃいます。

ここでは小学3年生までのお子さんのおられるご家庭向けに、親子関係や家庭学習、中学受験に関することなど、さまざまな視点から藤田さん流の“幸せな子育て&賢い子を育てる”ためのアドバイスを発信していきます!



取材・文/細川 麻衣子 写真提供/日本ぺたほめアカデミー協会

目次

≪第7回(毎月1回公開/全12回)≫

今回は、睡眠と運動がいかに勉強をするうえで大切かということを、藤田さんの子育て法からお伝えします。ぜひ参考にしてくださいね。

ただ机に向かわせるだけでは学習効率は上がらない!

遊んでいる子どもを見るとつい「少しは勉強しなさい!」「宿題はもうやったの?」などと、日々の生活の中で声をかけてしまいがちではありませんか? 

中学受験を考えているご家庭はなおのこと「もっと勉強させなければ!」と焦る気持ちから、自宅にいる時間はもちろん、学習系の習い事や塾を詰め込み、毎日必死になって子どもを机に向かわせている――なんてことも、よく見受けられます。

もちろん学習の時間は大切です。しかし❝勉強させること❞に必死になって、子どもが勉強嫌いになってしまっては、元も子もありません。また、教育熱心なご家庭にありがちなのですが、家庭の方針で勉強時間をたっぷりとっているにも関わらず、「成績に伸び悩む」「たくさん勉強している割には勉強したことが定着していない」など、思うように結果が出ず、親子で悩みを抱えるケースも少なくありません。

そこで、今回はこの考え方をお伝えしたいと思います。
❝賢い子を育てたいなら、睡眠と運動をバランスよく取り入れることが大切❞だということです。

我が家は、息子たちの中学受験を成功させ、その後も医者になるまでさまざまな道のりを経てきました。振り返ってみると、❝睡眠と運動は学習にとても重要な要素で、バランスが大事❞と感じています

まずは我が家の「やってよかった」子育て経験談からお伝えします。

藤田家の❝睡眠❞ポイント

まずは、睡眠の大切さとポイントです。

【睡眠によって得られる効果】

1.脳の記憶を定着させる
睡眠中、日中学んだことや体験が脳で整理され、定着します。
(ノンレム睡眠は記憶の整理に、レム睡眠は創造性やひらめきに関わってくるといわれている)
2.感情を安定させる
十分な睡眠は「心の落ち着き」と「やる気」を支えてくれます。
睡眠不足だとイライラしやすく、集中力が続かなくなります。
3.成長ホルモンが分泌される
夜10時〜深夜2時ごろに成長ホルモンが多く分泌されるといわれています。
体だけでなく脳の発達も促進されます。

このように、睡眠は子どもの成長にはもちろん、❝学習❞にもとても影響するものだということがわかります。

これを、我が家の経験に置き換えると……

【藤田家の❝睡眠❞ポイント】
●寝る前は❝笑顔❞で寝る!
●寝る前にはテレビやゲーム画面を見ない!
●真っ暗にして寝る!(明かりはつけない)
●小2~4の頃、睡眠時間は毎日たっぷり9~10時間!
●小5~6の頃、塾から帰宅するのが22時を越える日は風呂に入りすぐ就寝⇒翌朝7時半起床。登校ぎりぎりまで寝ていた!
●❝朝勉強❞は、したこと無し!(中受試験日の3週間前を除く)

睡眠時間をたっぷりとることで脳が育ち、しっかり機能してくれると信じていましたので、寝ることをとても大切にしていました。中学年までは毎日たっぷり9~10時間、睡眠時間を確保。高学年のときは塾で忙しくしていましたが、帰宅したら22時を過ぎていたのでさらに勉強を夜遅くまでさせることはせず、お風呂に入ってなるべく早く就寝。少しでも睡眠時間がとれるように意識していました

もうひとつのポイントは寝る前の❝笑顔タイム❞♪ これは良質な睡眠がとれるように、という考えからです。子ども達は学校や塾で頑張ってきているので、寝る前はなるべく怒らず(何かに怒っていたとしても引きずらずに)、「大好きやで~♡」と言って、笑顔で触れ合ってから寝るように心がけていました。脳は1日の出来事を寝ている間に整理するとも言われていますので、❝良い気持ち❞で眠りにつくことが、より良質な睡眠につながっていたことと思います

また、テレビやゲームは脳が覚醒してしまうので寝る前は避け、明かりはつけずに真っ暗にして、子どもたちといっしょに寝ていました。

「朝勉強」については、うちは息子2人とも登校ぎりぎりまで寝ているタイプだったので、朝勉強をさせたことは一度もありません!(ただし、中学受験の試験当日のタイムスケジュールに慣れておくため、試験の3週間前から早起きするようにしました。そのとき、家を出るまで時間があったので「じゃあ勉強しよう」という流れで朝に勉強をした期間はありましたが、❝朝勉強をする❞という目的での取り組みではありませんでした)

でも、朝勉強すると脳に記憶されやすいという研究結果などがあることから、できるなら「朝勉強を取り入れたい」と考えるご家庭も多いことでしょう。これが生活スタイルに合うお子さんは、とっても良いと思います! ただし、朝が弱いお子さんに無理して朝勉強をさせてしまうことは、勉強嫌いになってしまう可能性も……。しっかりと見極めることが大切です。

こんなふうに❝睡眠❞を大切にすることで、息子たちはスムーズかつ効率よく学習に取り組めていました。
≪関連記事≫【専門家監修】子どもの成長の土台をつくる良質な睡眠環境とは?

藤田家の❝運動❞ポイント

次に、運動の大切さとポイントです。

【運動によって得られる効果】

1.脳を活性化する
運動すると脳に酸素や栄養がたっぷり行き渡り、海馬(記憶をつかさどる部分)の働きが活発になります。
2.非認知能力を育てる
遊びや運動を通じて「挑戦する力」「協力する力」「あきらめない力」が育ち、机上の勉強だけでは得られない“生きる力”が身につきます。
3.集中力を高める
運動後は脳内に「ドーパミン」や「セロトニン」といった神経伝達物質が分泌され、気分が安定し集中力が高まります。

これを、我が家の経験に置き換えると……

【藤田家の❝運動❞ポイント】
●公園で遊べる日は、放課後にいーっぱい遊ばせる!
●『水泳』を、長男1年生から、次男は年長から始めた。
●受験期❝だからこそ❞運動=本人が選んだ水泳は続けた!(水泳教室は5年生3月まで)
●『団体球技』を、次男は1年生からサッカー、長男は3年生からバレーボールを始めた。

運動すると体が疲れる⇒おのずと夜はパタっと寝る⇒しっかり体も脳も休ませることができる⇒翌日も健康に過ごせる⇒続けることで体力がつく⇒と、信じていました。

放課後遊べる日は「友だちとめいっぱい遊んでおいで!」と送り出し、公園などでからだを動かして遊ぶ時間を大切にしました。❝運動❞としての効果はもちろんですが、子どもは遊びの中でたくさんのことを学びますので、公園遊びも大切な時間。❝遊び=学びの一環❞と捉えれば、「勉強していない!」と感じることも減りますので、保護者の方の気持ちも穏やかになれるのではないでしょうか。

『水泳』は、受験期に入っても我が家は継続していました。運動することを無くすのではなく、あえてストレス発散&体力づくりの手段と、しておきたかったからです。本人たちに「球技と水泳のどちらを続けたい?」と質問すると2人とも「水泳を続けたい」と答えました。6年生の夏といえば、受験勉強も本番に入り、夏期講習があります。ちょうど水泳大会が夏期講習と重なってしまう日程でしたが、水泳大会を優先! すると塾の先生に「夏期講習ですよ? 塾を優先させないんですか?」とクギを刺されましたが、「家庭の方針なので!」と子どもたちの選んだ『水泳』の時間を尊重。周囲は塾の先生を含め、賛否両論でしたが、我が家は我が家――。そう割り切り、息子たちの勇姿を6年生の夏、応援しました! 結果はみごと、京都で長男4位、次男6位入賞! 当時、子どもたちから「大会に出られて嬉しかった! ありがとう」と言われ「そんなん、あたりまえやん! これまで頑張ってきてんから(^^)」と――。その後はこの達成感からか、気持ち&体力面の両方で、集中して勉強に打ち込むことができていました! 親子の絆を改めて再確認できたエピソードです。

『団体球技』については、次男は1年生からサッカー、長男は3年生からバレーボールを、塾が忙しくなる頃まで、水泳とも並行して取り組んでいました。目的は、コミュニメーション力や判断力を身に付けてほしいと思ったからです。運動しながらルールやチームメイトの動きをみて❝考える❞ことをしますよね。チームで頑張ることや対人関係についても、とても学ぶことが出来た良い機会でした。

このように、運動することで体も脳も使い、疲れてぐっすりと眠ることができる⇒良い睡眠がとれる⇒継続することで成長を促してくれる! という、良いサイクルを生むことができました。

≪関連記事≫【子どもの集中力を高める】おすすめの習い事&集中力がアップする生活習慣

子どもを賢く育てるには睡眠と運動のバランスが大切!

充分な睡眠をとることは、脳が学んだことをきちんと整理でき、集中力や心の安定にも良い影響を与えてくれます。一方で運動は血流を促して脳を活性化し、やる気や集中力を高めてくれます。さらに、日中の適度な運動は夜の眠りを深め、生活リズムを整える助けにもなります。

このように睡眠と運動をバランスよくとることで、学習効果はぐんと高まります!
机に向かう時間だけでなく、毎日の生活リズムこそが、子どもの学びを支える力になるのです

もし今、我が子が外で遊んでばかり! と焦っていたり、勉強時間は確保しているのに成績が思うように伸びない……と悩んでいるご家庭は、今一度、睡眠と運動と学習のバランスを、見直してみてはいかがでしょうか。


今回は、藤田さん流の❝子どもを賢く育てるための睡眠と運動❞についてお伝えしました。

次回11月は、『絶対に言ってはいけないNG言葉』をお届けします。その後も学習や受験へのアドバイスをはじめ、子育ての悩み相談まで、さまざまなテーマで藤田さんにお話を伺っていきます! お楽しみに♪

この記事の監修・執筆者

一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会 代表理事 藤田 敦子

一般社団法人日本ぺたほめ®アカデミー協会代表理事。ぺたほめ®医専アカデミー代表。日本心理学会認定心理士・日本心理学会正会員。同志社大学文学部心理学専攻卒業。

息子二人を洛星中学校・高等学校卒業後、京都府立医科大学医学部医学科現役合格(現在は二人とも現役医師)に導いたシングルマザー。現在は、ご自身の子育てで培った「ぺたほめ®教育法」で多くの保護者から教育・育児相談を受けている。

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