【医師監修】花粉症は0歳から!風邪との見極めポイント&家庭でできる対策

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熱がないのに鼻水、くしゃみ…。風邪?それとも花粉症?と悩んでいませんか。
「もしかして、花粉症?」と思ったら、まず何科にかかればよいのでしょうか?
風邪との見分け方って?
保護者が知っておきたいポイントを、小児科の先生に教えてもらいました!

監修:宮野 孝一(みやのこどもクリニック 院長)

目次

子どもも花粉症になる!発症は0歳から

花粉症は0歳から発症します。
「産まれたばかりで、まだ花粉にも遭遇していないはずなのに…なぜ?」と思うかもしれませんが、両親や兄弟が何らかのアレルギー(ダニ・ハウスダスト、食物アレルギーなど)をもっていたり、喘息や鼻炎などの病気があったりする場合は、アレルギーの素因をもって生まれてくる可能性が十分に考えられます。

実際には2歳ごろから発症する場合が多く、それ以降は年齢とともに、発症する子どもが増えていきます。

子どもの花粉症の症状は「鼻づまり」と「鼻水」

未就学児の子どもは鼻腔が狭く、鼻づまりの症状がよくみられます。
口呼吸がうまくできない子どもにとって、鼻づまりはとても苦しい症状です。
もし、鼻呼吸が苦しそうだったり、寝ているときにいびきをかいたりするときは、花粉症のサインと考えてみましょう。

そのほかにも、サラサラの鼻水が止まらないといった症状もあります。

中耳炎や喘息につながることも

鼻は耳や喉に直結しているため、鼻づまりや鼻水をそのままにしておくと「滲出性中耳炎」や「喘息」などにもつながりやすくなります。
鼻づまりや鼻水の症状が出ているときは、早めの受診が大切です。

風邪かどうかを見極めるポイント

①鼻水の状態

風邪と花粉症では鼻水の状態が違います。
風邪の場合は黄色く、粘りのある鼻水ですが、花粉症の場合は透明でサラサラした鼻水が出ます。

②目や皮膚のかゆみ

花粉症の場合、目や皮膚のかゆみが出ます。
手で顔などをこすっていないか、注意して見てあげましょう。

子どもの花粉症は「小児科」を受診するのがベスト!

花粉症かな? と思ったときは、ほかのアレルギー症状や喘息、アトピーなどの病気をもっている可能性もあるため、総合的に診てくれる小児科に行きましょう。

さらに、専門医がいる小児科であれば、鼻炎や喘息、食物アレルギーなどの検査もしてもらえます。

日本アレルギー学会認定の専門医がいる小児科はインターネットで調べることができます。
小児科に行くのであれば、一度アレルギー専門医がいる小児科を探してから行くとよいでしょう。

治療は大人と同じ?

症状にもよりますが、通常は抗アレルギー剤を服用します。
鼻づまりに効く薬、鼻水に効く薬など、多くの場合は2種類ほどを組み合わせて処方されます。目や鼻の症状がひどいときは、子ども用の点鼻薬や目薬が処方されることもあります。

!注意

市販薬や、大人用に処方されたアレルギー薬などを無断で飲ませることは、副作用もあり危険なのでやめましょう。

花粉症は治るの?

花粉症は、基本的に完治しません。
しかし最近では、「免疫舌下治療」といった治療法もあり、花粉症の症状を軽くしていくことはできます。
なお、この治療は5歳ごろから受けられるといわれています。

「免疫舌下治療」:あらかじめスギ花粉などを毎日適量体に含ませ、花粉に対しての免疫を強めるといった治療法

悪化させないためにできる3つのこと

未就学児の場合も、対策は大人と同じです。
まずは花粉が家に侵入しないように工夫し、免疫力を上げるからだづくりをしましょう。

1.外で着た衣類は部屋に持ち込まない

外出時に着ていた衣類は、リビングや寝室などに持ち込まないようにしましょう。
肌の弱い子どもの場合、家の中で花粉のついている衣類に触れることで、「花粉症皮膚炎」を引き起こしてしまうこともあります。
外から帰ったらすぐに着替え、外で着ていた服は室内に持ち込まない工夫が必要です。

花粉症皮膚炎の症状

刺激に弱い目の周りや頬(ほお)に、かゆみや赤み、痛みなどが起こります。

2.洗濯物はできれば部屋干しに

洗濯をするときは、あらかじめその日の花粉飛散情報などを確認してから、外干しか部屋干しかを決めましょう。

とくに花粉が多い2~3月などは、基本的に部屋干しがオススメです。

3.食事はバランスよく、規則正しい生活を

免疫力を上げるためにも、食事は偏らないようバランスよくとらせましょう。
ヨーグルト(乳酸菌)は、アレルギー症状や、感染を抑える効果が期待できるといわれています。
また、ビタミンを多く含んだ果物は粘膜を強くする効果があります。

疲れや睡眠不足も花粉症がひどくなる原因につながるので、規則正しい生活をさせるように心掛けましょう。

2023年の花粉飛散傾向をチェック!

春のイメージが強い花粉ですが、一年中飛散しています。
地域によって飛散する花粉の種類や時期は変わりますので、国のガイドラインなどでこまめにチェックすることが大切です。

主な花粉の飛散時期と種類(関東地方の場合)

  • 2月~4月…スギ花粉
  • 4月~5月…ヒノキ花粉
  • 4月~6月…シラカンバ
  • 6月~8月…イネ科の花粉(カモガヤなど)
  • 8月~10月…雑草類の花粉(ブタクサやヨモギなど)

環境省:花粉情報サイト https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/

この記事の監修・執筆者

みやのこどもクリニック院長 宮野 孝一

みやのこどもクリニック院長。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医であり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などの診療にも積極的に取り組む。

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