春~夏ごろに流行する はしか(麻疹/ましん)。2019年もすでに患者が出ており、大人の感染も多いのだとか。
流行のピークを迎える前に、症状やケアの仕方をきちんと知っておきましょう。
監修:渋谷 紀子(総合母子保健センター愛育クリニック 小児科・母子保健科部長)
はしか(麻疹)の主な症状 ~高熱が続き、赤い発しんが全身に~
主な症状
麻疹ウイルスの潜伏期間は10〜12日ほど。
初期症状は、
●38℃前後の発熱
●かぜと似た症状(せき・鼻水・目やに など)
が2~3日続いたあと、
●ほおの内側に白いポツポツ
が現れます。
いったん熱が下がりますが、
●再び40℃前後の高熱
になり、
●全身に赤い発しん
●せき
●目の充血
●下痢
などが見られるようになります。
発症してから7~10日ほどたつと、熱が下がってせきや鼻水もおさまります。
せきだけがしばらく続くこともあります。
引き起こしやすい合併症
麻疹ウイルスや細菌による合併症に注意が必要です。
特にほかの細菌が二次感染して「細菌性肺炎」を引き起こすと重症になります。
また、まれに「麻疹脳炎」を併発することがあります。
治療や、家でのケアは? ~安静にし、熱を発散させる~
高熱が続くので、脱水症の予防に、十分な水分補給をします。
水分がとれないほど状態が悪いときは、至急受診を。
熱がある間は体力を消耗する入浴は避け、タオルで体をふく程度にします。
はしかにかかると、全身の状態が悪くなるので入院することもあります。
入院せずに家庭でケアする場合は、家の中で安静に過ごします。
室温を調整し、温めすぎたり、服を着せすぎたりしないように注意して熱を発散させるようにします。
はしか(麻疹)の予防接種と薬
麻疹ウイルスは、空気感染・飛沫感染・接触感染により、人から人へうつります。
その感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症するほど。
そのため、1歳になったら、早めに予防接種を受けるようすすめます。
まだ予防接種を受けないうちに、はしかにかかった子どもに接触した場合は、
●3日以内であればワクチン
●6日までならガンマグロブリン(血液製剤)
で発症を抑え、症状が軽くできる可能性があります。
ただ、ガンマグロブリンは血液製剤であるため、そのリスクとベネフィットについて十分理解できるよう、かかりつけ医とよく相談してください。
(※予防接種の際も、かかりつけのお医者さんに相談されることをおすすめします。)
保育園・幼稚園の登園の目安は?
はしか(麻疹)は、法律・法令で「学校において予防すべき感染症」として出席停止期間などの対応が定められています。
はしか(麻疹)の出席停止期間の基準は、
解熱した後、3日を経過するまで
とされています。
※症状が現れた翌日を第1日目とします。「解熱した後3日を経過するまで」の場合、解熱した日が月曜日なら、火~木曜日の3日間を休み、金曜日から登園許可になります。
参考:厚生労働省「麻しんについて」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
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