「犬も歩けば棒に当たる」や「猫に小判」など、多くの人が知っているものから、「当て事と越中褌は向こうから外れる」「垢も身の内」のようなちょっと難しいものまで、日本にはさまざまな「ことわざ」があります。
「ことわざを覚えるのが好き!」という子どもの中には、こんな難しいことわざを知っている子もいるかもしれませんね。せっかく「ことわざ」を覚えたら、検定試験を受けて形のあるものにしてみるのはいかがでしょうか?
本記事では、小学校の低学年でも挑戦でき、楽しく受験できるのでオススメの「ことわざ検定」をご紹介します。
※「当て事と越中褌は向こうから外れる」とは、自分が勝手によいことを期待しても、相手の都合でダメになりがちだということ。「垢も身の内」とは、垢も体の一部だから、そんなにこすり落とす必要はないよ、という長風呂の人への冷やかしのことわざです。
文/マムズラボ
子どもでも挑戦できる「ことわざ検定」とは?
「ことわざ検定」とは、一般社団法人の「ことわざ検定協会」が行っている「国語・日本語の総合力強化を実現し、世界で活躍する人づくりに貢献」している検定試験です。
日本の伝統的な言語文化である「ことわざ」や「慣用句」、「故事成語」などの知識と技術を客観的に測ることができます。
オンライン形式で受検できる
試検はオンライン形式で、1週間の日程の中で都合の良い日を選び、インターネットにつながっているパソコンやスマートフォン、タブレットから受検します(団体申し込みの場合はペーパー試検も可能です)。
なお、2023年度は4回試検が実施される予定です。
第33回 2023年5月20日(土)~5月28日(日)終了
第34回 2023年8月19日(土)~8月27日(日)
第35回 2023年11月18日(土)~11月26日(日)
第36回 2024年2月17日(土)~2月25日(日)
上記の受検期間内の都合の良い日時で、専用ページにログインして受検できます。
また、受検資格に年齢制限はなく、何歳からでも挑戦できます。
出題範囲は多岐にわたる
試検は、昔から言い伝えられている「ことわざ」や「慣用句」、中国の故事からできた言葉の「故事成語」から出題されます。
最上級である「1級」では、「貝を以て海を汲む」「管中に豹を見る」など難しいことわざの意味が出題されます。
・「貝を以て海を汲む」とは、自分の狭い知識だけで大きな問題を解決しようとするといった「無駄なこと」の例え
・「管中に豹を見る」は、管の中から豹を見ても豹の模様しか見えないため、全体の様子はわからないという意味から、「見識が狭いこと」の例え
自分のレベルに合った級から挑戦できる
「ことわざ検定」は級が多いのも魅力のひとつ。「10級」では、「小学校の低学年のうちに、学んでおくと良いことわざ」が出題されます。そのため、合格しやすい「10級」から勉強を始めれば、低学年の小学生でも合格が狙えるレベルです。
無理せず合格できるレベルからスタートしましょう。
また、オンラインでの受検では、選択問題になっているので、ひらがなが書けなくてもパソコンのマウスやスマートフォンのタッチ操作で解答が可能です。
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「ことわざ検定」を受けるメリットとは?
「ことわざ検定」を受検するメリットは、ただ「ことわざを覚えられる」というだけではありません。いくつかのメリットについてご紹介します。
家族みんなで楽しめる
新しいことを覚える楽しさを知ったり、家族でクイズを出しあったりすることで家族団欒の楽しい時間を持つことができます。
「子どもには、新しい知識を覚えるのが楽しくて仕方がない時期がある」と感じたことはありませんか?筆者の長女は幼稚園の年長のとき、祖母に買ってもらった本をきっかけにことわざに興味を持ち始めました。ある程度覚えると、暇さえあれば家族に「ことわざクイズ」を出すようになりました。例えば次のような問題です。
「転ばぬ先の、なんでしょう~?」
(答え 杖)
「笑う門には何が来るでしょう~?」
(答え 福)
など
おかげで筆者もことわざに詳しくなりました。当時「ことわざ検定」を知っていれば、子どもといっしょに受検するのも楽しかっただろうな、と思います。
クイズ感覚で覚えられて自信がつく
「好きこそ物の上手なれ」ということわざのとおり、好きなことなら自分から努力をするため上達も早くなります。「ことわざがおもしろい!」というお子さんは、保護者の方もぜひ応援してあげましょう。いっしょに「ことわざクイズ」に取り組んで遊ぶと、クイズ感覚で覚えられるのでオススメです。
また、「ことわざ検定というのがあるよ」と、興味を持たせてあげるのもいいでしょう。合格することで自分に自信を持てるようになり、さまざまなことに積極的に取り組めるようになるかもしれません。
成功体験が自己肯定感を向上させる
低学年の子どもにとって、「検定資格」を受検するというのはチャレンジ精神が必要かもしれません。ただ、すべて正解しないといけないわけではなく、合格正解率は70%以上(2級と1級は80%以上)なため、10級なら低学年の子どもでも合格できる可能性があります。
「合格できた!」という経験は、「やればできる」と自分を認めることにつながり、自己肯定感を上げるきっかけになるかもしれません。
大学の入試評価対象資格にも活用される
「ことわざ検定」は何級でも履歴書に記入できる資格です。そのうえ、取得した検定資格が学校や企業で評価されることもあります。入試評価対象になっている大学もあるので、小学生のときから挑戦して試験に慣れておくこともできます。
ことわざへの興味が深まったら、上位級の取得を目指すのもいいですね。
参考:ことわざ検定を評価する大学
https://kotowaza-kentei.jp/pdf/nyushihyoka.pdf
いくつわかるかな? 「ことわざ検定」で出題される問題
「ことわざ検定」の9~10級で出されるレベルの問題をいくつかご紹介します。どれくらいわかるでしょうか?
【問題】つぎの ことわざの いみとして ただしいものを えらびなさい。
1.三どめの しょうじき
ア 一かいや 二かいめは しっぱいしても、三かいめには うまくいくと いうこと。
イ 三どめでは だれも せいこうしないと いうこと。
2.ねこの手も かりたい
ア とても いそがしいので だれでも いいので てつだってほしいと いうこと。
イ ひまなので だれでも いいから あそんでほしいと いうこと。
【こたえ】
1.ア
2.ア
【問題】つぎの 〇のなかに ことばを 入れて ことわざを かんせいさせて みよう。
1.かべに 〇〇あり しょうじに 〇あり
2.はらが へっては 〇〇〇は できぬ
【こたえ】
1.みみ め
2.いくさ
参照:一般社団法人ことわざ検定協会
ことわざは学べば学ぶほどおもしろい!
ことわざを覚えて普段の会話で自然と口に出せるようになると、さらにことわざがおもしろく感じるでしょう。また、言葉が豊富になると、自分の思いを表現しやすくなります。さらに「国語が得意科目!」という自信から、学習意欲が高まることも期待できます。
「ことわざ検定」を受検することをきっかけに、新しいことを覚える楽しさを知り、何事も楽しく学ぶ良い機会になるといいですね。
<参照>
一般社団法人 ことわざ検定協会
https://kotowaza-kentei.jp/
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