【“ほめる”と“承認”は違う】子どもには具体的な言葉で伝える

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「子どもを上手にほめられない」という方にオススメしたいのは、コーチングの技法のひとつ「承認」です。教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

「承認」は評価を加えずに認める

「子どもをほめたいと思ってはいるけど、うまくほめられない」
「ほめようとすると、なんとなくぎこちなくなってしまう。自分はほめるのが苦手だ」

このように感じている人もけっこういるようです。
そういう人にお薦めしたいのがコーチングの技法のひとつ、「承認」です。
これは評価を加えないで相手を認めることです。

例えばママが美容院に行ったことにパパが気づいたとします。
そのときの言葉として次のふたつを比べてみましょう。

 美容院に行ったね。きらきらしてるよ
 美容院に行ったね

Aのように言えばそれはほめているということです。
それに対して、Bはとくにほめてはいませんが、美容院に行ったという行動を承認しています。

ママにしてみれば、どちらもうれしいです。

こちらもオススメ:【幼稚園教諭監修】「じょうずにほめる」ってどういうこと? 子どもに伝わることばかけ

気にかけていることが伝わる

Bのように当たり前のことを言っても意味はない、と思う人もいるかも知れませんが、実はそうではありません。

認めてもらえた、承認してもらえたというだけで、人は十分うれしいのです。
それは気にかけてもらえているということだからです。

パパが何も言ってくれないとすれば、それは気がついていないということであり、ママのことを気にかけていないということでもあります。

ママとしては寂しいことです。

「承認」の具体例

例えば、次のような言い方が承認です。

  • 歯磨きが5日間続いたね
  • こぼしたところを拭いてくれたね
  • 毎朝縄跳びの練習をしてるね
  • 消しゴムのカスもゴミ箱に入れてるんだね
  • 時間を意識して行動してるね
  • お茶碗の中だけでなく外側も洗ってるね
  • 下敷きをして書いてるね
  • 妹の靴を揃えてくれたね
  • 使った物をもとの場所に戻してくれたね

「承認」のよいところ

「承認」には「ほめる」とは違うよさがいくつかあります。

ひとつ目

Aのようにほめる言葉は言えないけど、Bなら言えるという人がたくさんいます。

ふたつ目

子どもをほめるときには、「すごい」「えらい」「りっぱ」「じょうず」「いい子」などの限られた言葉しか出てこないことが多いのですが、承認のときはそれぞれの状況に応じて自然に言葉が変わってきます。

しかも、具体的です。
ですから、子どもは何を認められたのかがよくわかります。

逆に言えば、「すごい」「えらい」などとほめられた場合、子どもは何をほめられたのか実はよくわかっていないということもあるのです。

3つ目

「承認」に心がけていると相手をよく見るようになります。

というのも、ほめる場合はよく見ていなくてもとりあえず「すごい」と言えますが、「承認」の場合はよく見ていないと何も言えないからです。

4つ目

ほめる場合、それによって「もっとやらせたい」という意図が露骨にあり、子どももそれを感じ取ります。

もちろん「承認」にもそれはありますが、「ほめる」ほど露骨ではありません。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOk』などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Threads、X、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
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