
「やる気がない子」はいるのでしょうか?
やる気がないのではなく、ただ無理矢理やらされているからなのかもしれません。
教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。
やる気のない子などいない
「うちの子はやる気がなくて困る。どうしたらやる気が出るのか?」と嘆く声をよく耳にします。
- もっと勉強をがんばってもらいたい。なぜやる気が出ないのか?
- 習い事を始めても、すぐにやめたいと言い出す。どうしたらやる気になるのか?
- 決められたお手伝いが続かない。本当にやる気がない子で困る
多くの親が、勉強にしろ、習い事にしろ、お手伝いにしろ、わが子のやる気のなさを嘆いています。
でも、本当は、もともとやる気のない子など一人もいません。
小さい子どもを見てみてください。
常に活動的に動き回っていて、落ち着いて座っていることなどありません。
ちょっとでも興味を引くことがあれば、すぐに反応してアクションを起こします。
見たことがないものがあれば覗き込みますし、面白いものがあればさわろうとします。
出っ張ったものがあれば引っ張りますし、スイッチがあれば押そうとします。
本人のやる気を大切に
こういうことは、すべてやる気の表れであり、子どもは本来「やる気」のかたまりなのです。
やる気がないように見えるとしたら、それはやりたくないことを無理矢理やらされているからです。
あるいは、親が望むことをしていないというだけで、親が「やる気がない」と決めつけて叱っているのです。
こういうことをしていると、子どもの本当の「やる気」がしぼんでいきます。
ですから、まずはその子のやる気を大切にしてあげてください。
興味を持ったものはやらせてあげて、それを大いにほめましょう。
さらには、それがもっと深められるように応援してあげてください。
子どものやる気が親の価値観とは違うところにある
私の教え子で、夏休みに蝉の抜け殻を100個も集めた子がいました。
でも、親はそれをほめませんでした。
そして、「こんなことばかりしていて、計算ドリルも漢字の書き取りもやる気がなくて困ります」と言いました。
そうではなく、こういうときはぜひほめてあげて欲しいと思います。
子どものやる気が親の価値観とは違うところにあるのは当たり前のことです。
ですから、その子のやる気を認めてあげてください。
「こんなに集めるなんてすごいね。根性があるね」と言ってあげれば、子どもは自信がつきます。
「自分は根性があるんだ」とも思えます。
「どうしたらこんなに集められるの?」と聞いてあげれば、大喜びでそのコツを話してくれるかも知れません。
さらに深められるように応援しよう
ほめるだけでなく、さらに次のような応援をしてあげてください。
親の応援があれば、もっともっと深めることができます。
- 蝉のたくさんいるところに蝉取りに連れて行く
- 蝉の図鑑を買ってあげる。あるいは図書館で借りる
- 蝉やその抜け殻のことをネットで一緒に調べる
子どもに専用のノートを買ってあげて、観察したことや調べたことを絵や文章でかいてもらえば、それはもう1つの研究です。(ただし、無理強いは逆効果です)
このように、本人のやる気があることを応援したりほめたりしてあげることが大切です。
そうすれば、やる気に満ち溢れた子どもになります。
この記事の監修・執筆者

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOk』などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Threads、X、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
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