【屁理屈が上手な子は頭がいい】生意気になってきたわが子にイライラする方へ

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【屁理屈が上手な子は頭がいい】生意気になってきたわが子にイライラする方へ

子どもは大きくなってくると、だんだんと自分の意見が言えるようになります。中には、屁理屈と思われるようなこともありますが、それは成長の証です。屁理屈がうまい子は頭もいいのでしょうか? 教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。

目次

子どもの屁理屈に親がキレる

子どもが成長してくると屁理屈を言うようになります。
それに対して親がキレてしまうことがよくあります。
「どっちがえらいかわからせなくっちゃ」という感じで。

 ねえ、○○を買って。
 ダメ。買わないよ。
 だって、みんな持ってるんだよ。
 ひとと比べないの。ひとはひと。うちはうち。
 え~? なにそれ!

 ところで、あんた宿題やってないでしょ。
 後でやるよ。
 □□君は、家に帰ってくるとすぐ宿題やるんだってよ。
 お母さん、さっき、ひとと比べないって言ったじゃん。

 口答えしないの。あんたのために言ってるのよ。
 お母さん、言ってることとやってることが違うじゃん。自分の言ったことはまず自分が守らなくちゃいけないんじゃないの?

 何を生意気なこと言ってるの! 誰のおかげで生きてると思ってるの? 毎日ご飯が食べられるのは誰のおかげ?!
 だって産んでくださいって頼んでないもん。

 何言ってるの! あんたなんか産みたくなかったよ。もっといい子を産みたかったよ。あんたみたいなバカで怠け者なんか産まない方がよかったよ!

生意気な屁理屈に親がキレる

 お母さん、片づけ手伝って。
 自分のことは自分でやりなさい。人を当てにしない!

こういう会話があってしばらくして…。

 ちょっと、あんた、食堂から踏み台を持って来てよ。
 お母さんもひとを当てにしてるじゃん。さっき「自分のことは自分で」って言ったよね。

 屁理屈言って親の揚げ足を取らないの。誰のおかげで学校に行けてると思ってるの?
 学校に行きたいなんて頼んでないもん。

 いつからそんなに生意気になったの? 屁理屈ばかり言ってないで、ちゃんと親の言うことを聞きなさい !そんなことだから勉強もできないんだよ。この前のテストは何? 頭が悪い癖に屁理屈ばっかり一人前で! あんたなんか、口ばっかりじゃないの。

いくら頭に来ても存在や人格を否定する言葉はNG

お互いに「ああ言えばこう言う」状態ですね。
だんだん生意気になって屁理屈を言うようになってきたわが子に、イライラしている方も多いと思います。

自分はできないくせに大人を批判して屁理屈を言うのはうまい、という子もけっこういますから。

でも、いくら頭に来ても、言ってはいけないことは言わないでください。
それは子どもの存在や人格を否定する言葉です。

先に2つの会話の例を挙げましたが、その最後の部分はいずれも言ってはいけないことですね

こういうことを言ってしまうと、子どもは深く傷ついて、親の愛情を疑うようになります

屁理屈がうまい子は頭もいい

それに、子どもが屁理屈を言えるようになったということは論理的な思考力がついてきたということでもあります。

つまり、順調に成長している証であり、屁理屈がうまい子は頭もいいのです。

もう一つ大事な点として、親を信頼しているからこそ安心して屁理屈が言えるということもあります。

その意味で親に対する形を変えた甘えでもあります。

また、自分の理屈がどれくらい通用するか試す一つの武者修行でもあります。

親が強権的だと子どもは…

親があまりにも強権的だと、子どもは屁理屈も言えません。

そういう子は家ではよい子にしていますが、その分ためこんだストレスを外で発散させているということがよくあります。

こういう子の指導が一番むずかしいです。

そして、さらに思春期以降になって自分の力がついてくると、問題行動が顕著になり、同時に親に対するリベンジが始まる可能性も高いと言えます。

「成長したなあ」と思い直す

ということで、まとめます。

たしかに、子どもの屁理屈は頭に来ますが、キレる前に深呼吸して「成長したなあ」と思い直してみましょう。

「こんな屁理屈が言えるようになったんだ。泣いてばかりで手が掛かる赤ん坊だったのに、ずいぶん成長したなあ」と思い直してみましょう。

そうすれば、子どもの屁理屈に対して必要以上にキレることもなくなると思います。

親子の楽しい会話の一種として、親子のじゃれ合いのひとつとして、エンジョイできるようになるといいですね。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。X、Instagram、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

音声配信サービスVoicyの配信番組「コソダテ・ラジオ」の2022年12月の金曜マンスリーゲストとして出演。「家庭での学習習慣」について熱いトークを配信しています。

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