2020年度から小学校では3年生から外国語(英語)の授業が必修化され、お子さんにとって英語学習は身近なものとなりました。
最近では、「実用英語技能検定(英検)」の受験者数も増えています。英検を運営している(公財)日本英語検定協会によると、2022年度の小学生以下の受験者は約52万人もいます。お子さんの受験を検討しているおうちの方も多いかもしれませんね。
そこで今回は、2024年度からのリニューアルが発表されている英検について、どのような内容なのか、その目的とともに紹介します。
英検の概要とリニューアルの内容は?
英検って、どんな試験?
英検は、「英検」と「英検S-CBT」の2つの形式の試験が実施されています。
まず、「英検」は従来型の試験形式で、指定された会場でマークシートを使った筆記テスト(1次試験)と面接試験(スピーキングテスト。3級以上で、1次試験合格者に実施する2次試験)を行います。年3回、1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級と、すべての級の試験を実施します。4級・5級のスピーキングテストは、任意でウェブ上で受験することができます。
次に、「英検S-CBT」は、全国にあるテストセンターでコンピューターを活用して行います。出題形式は従来型と同様ですが、スピーキングテストを吹き込み式で行うので、1日で受験を済ませることができます。原則として毎週土曜日と日曜日に、準1級・2級・準2級・3級の試験が実施されます。英検S-CBTに合格すれば、従来型と同じ資格を得ることができます。
変更の対象となる級と時期は?
2024年度のリニューアルは、従来型の英検と英検S-CBTの両方で行われます。3級以上の級(1級・準1級・2級・準2級・3級)がリニューアルの対象です。4級・5級はこれまで通りで変更はありません。
英検は2024年度の第1回検定(6月実施)から、英検S-CBTは2024年5月実施分からリニューアルされる予定です。
リニューアルで変わる内容は?
英検の試験問題は、4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)のバランスを重視して、身近な話題や日常生活のことなど、受験する級のレベルに応じた、社会で求められる英語力を測ります。
今回のリニューアルでは、1級〜準2級でリーディングの問題が減り、1級〜3級でライティングの問題が追加されるのが大きなポイントです。
これまでリーディングで空欄補充などで問われていた文法の知識を、ライティングの英作文問題や、スピーキング試験で、その知識を活用してアウトプットできるか問われるようになると考えられます。つまり、より実践的な英語力が求められることになるのです。
また、試験時間が準2級では75分から80分に、3級では50分から65分に増えます。
リニューアルされる問題についての分析と対策は、次のページが参考になります。
『Gakkenの英検®対策シリーズ』
リニューアルの目的は?
2024年度からリニューアルされる理由
英検は、これまでにも学習指導要領(日本の小学校から高校までの教育内容をまとめたもの)に表される“英語能力観”を踏まえた出題がなされてきました。
現在の学習指導要領の改訂は、2020年度の小学校に始まり、2021年度には中学校、2022年度は高校1年生、そして2024年度の高校3年生の実施でいよいよ完了します。
つまり2024年度の英検のリニューアルは、学習指導要領の改訂に伴って行われるものなのです。
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重視される英語力とは?
現行の学習指導要領では、小・中・高校の各段階を通じて英語教育を充実させ、生徒の英語力を4技能・5領域(聞くこと・読むこと・話すこと[やりとり、発表]・書くこと)をベースに向上させることを目標としています。そして、英語に関する知識や技能を習得するだけでなく、コミュニケーションを取るための目的や場面、状況に応じた思考力や判断力、表現力が求められます。つまり、より実践的な英語力の育成を目指しているのです。
英検の主題傾向も、その目標に合わせて、より実践的な英語力を問うものになると考えられます。
中学受験にも役立つ英検
英検で加点・優遇措置も
中学受験は、国語・算数・理科・社会の4教科による入試が基本です。しかし、英語教育に力を入れている学校を中心に、英語1科目型、英語が試験項目で選べる英語選択型、英検などの英語資格の取得で加点や優遇措置がある英語資格利用型の入試を採用する学校が増えています。また、英検の取得級に応じて、奨学金制度の対象となる学校もあります。
対象となる英検の級は4級以上のことが多いですが、入試制度や優遇措置は学校により様々です。英語学習に力を入れ、中学受験も視野に入れているお子さんには、英検を取得し、入試に活かす方法を検討してみてはいかがでしょうか。
今回は、英検のリニューアルについて紹介しました。お子さんの英語学習の参考にしてください。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
この記事の監修・執筆者
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