丸く美しい月が楽しめる旧暦8月15日の夜を「十五夜」といい、お供えものをして月を眺める「お月見」をする風習があります。
旧暦では7月・8月・9月を秋としていて、8月はその真ん中(新暦の9月〜10月上旬ごろ)にあたることから、十五夜の月のことを「中秋の名月」とも呼びます。
お月見の風習は、奈良時代に中国から日本へ伝わったといわれ、貴族たちが月を見ながら、音楽を奏でたり、歌をよんだりしていました。
今回は、日本各地で行われている十五夜の行事を3つ、ご紹介します。
親子でいっしょに、開催地の場所や歴史などを調べれば、お子さんの興味が湧いて、探究心が養われるきっかけになるでしょう。
江戸時代から続くお月見の伝統行事
深まる秋の夜に月を鑑賞する向島百花園の「月見の会」。
初日の「お供え式」では、月見団子や野菜がお供えされ、篠笛の演奏が行われます。
期間中は、俳句・俳画がかかれた絵行灯(えあんどん)にろうそくの火が灯され、茶会や箏(そう)の演奏などが行われます。
また、「月見の会」の期間中は開園時間が延長され、夜の庭園でお月見を楽しむことができます。
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満月に見立てたランタンが街を彩る中秋節
中秋節は春節、端午節とともに中国の三大節句のひとつで、旧暦8月15日に月を楽しむ祝日です。日本のお月見の風習は、中国から伝わりました。
中秋節は、長崎中華街をはじめ、横浜中華街(神奈川県横浜市)や南京町(兵庫県神戸市)でもお祝いされています。
長崎中華街では、満月に見立てた黄色いランタンが街を彩り、月餅などのお菓子、野菜や果物、豚や鳥などの食材が供えられます。
「ソーラヨイ、ソーラヨイ」と子どもたちが踊る
「十五夜そらよい」は鹿児島県南九州市に伝わる十五夜行事です。
旧暦8月15日の夜になると子どもたちが集まり、わらで作った装束で「ソーラヨイ、ソーラヨイ」のかけ声とともに元気に歌い、収穫への感謝と豊作を祈る踊りを披露します。子どもたちは、綱引きや相撲も行います。
お供えとして、農具の箕(み。米などの穀物の殻やごみを取り除く道具)の上に、鹿児島県の特産品であるさつまいもや、栗、米などを供えます。
今回は、十五夜の行事を紹介しました。
古くから伝わるお月見に思いを馳せながら、家族で名月を見上げてみてはいかがでしょうか。お子さんの知的好奇心が育まれるよい機会になることでしょう。
*記事掲載の行事を訪れる際は、公式サイトなどで最新の状況をご確認ください。
この記事の監修・執筆者
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