【せいろの「おかず蒸し」レシピ】蒸し料理ほど、簡単でおいしい料理はありません。[ワタナベマキさん]

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【せいろの「おかず蒸し」レシピ】蒸し料理ほど、簡単でおいしい料理はありません。[ワタナベマキさん]

最近、SNSやメディアなどで大人気の「せいろ蒸し」。

人気のワケは、なんとなく今までせいろに感じていた“難しそう”というイメージとは真逆の、「ほったらかしで完成」する、その簡単さにあります。
加熱中に何かする必要もなく、料理の腕も技術も必要ありません。

そんなに簡単なのに、食材のうまみは凝縮され、ふっくらとした食感で、油が少なくヘルシー、さらに、蒸しあがったせいろを食卓に出せば、湯気が立ち上り、彩りも美しく、見た目がとても華やかな「ごちそう」になります。

忙しい時ほど、ほったらかしにできるせいろ蒸し料理がおすすめです。
今回は、人気の料理家ワタナベマキさんのレシピ本「ほったらかしでおいしい!せいろでおかず蒸し」(Gakken)から、おすすめのレシピを4品ご紹介します。簡単なものはもちろん、とっても豪華なごちそう蒸し料理もありますよ!

目次

せいろの基本の使い方

「せいろで蒸す」と聞くと、なんだか本格的で難しそう…と思いがちですが、 実はこんなに手軽な調理道具はありません。

ここでは、基本の使い方とお手入れ方法をご紹介します。

せいろと鍋のサイズ

せいろ蒸しの一番のポイントは、鍋とサイズが合っていること。

せいろより鍋が大きすぎるとせいろが鍋に落ちてしまい、せいろがはみ出してしまう口径の小さな鍋や注ぎ口のある鍋は、せいろとの間にすき間ができて蒸気が逃げてしまい、上手に蒸せません。
せいろは鍋よりひと回り小さいか、鍋よりも1~2㎝大きいサイズなら、直接のせてもグラつかず、蒸気がうまく当たります。

せいろと鍋のサイズが合わない場合には、せいろを安定させてくれる「蒸し板」を使うのもいいでしょう。「蒸し板」はせいろの焦げ防止にもなります。こちらのレシピでは、2人分を蒸すのにちょうどいい直径24㎝のせいろを使用しています。

鍋よりもひと回り小さいか、直径が1~2㎝大きいせいろを選びましょう。鍋とせいろにすき間ができるとNG。
蒸し板は、使用する鍋よりも蒸し板の穴が小さいサイズを選んで。
蒸し板をのせるとせいろが安定し、せいろの底が焦げる心配もない。

使うとき

材料をのせる前に、せいろを水でさっと濡らし、ざっと水けをきります。

材料の匂い移りと水分が染みるのを防ぐためです。熱による焦げつきや変形防止にもなります。買ってきたばかりのせいろを使う場合も同様です。

また、せいろの匂いが気になる人は、空炊きしてから使うといいでしょう。空炊き方法は、鍋にたっぷりの湯を沸かして蒸気が上がったら、何も入れていないせいろをのせ、中火で約15分蒸します。

必ず水でさっと濡らし、ざっと水けをきってから使用する。

材料をのせるとき

材料の種類や汁けによって、せいろに入れるもの、敷くものを替えます。

せいろが汚れない野菜などはそのままのせてOK。
スープや茶碗蒸しなど汁けが多いものは、耐熱容器やステンレス製、アルミ製のボウルなどに入れてからせいろへ。
それ以外の肉や魚などの下味がついているものは、オーブン用シートや耐熱容器に入れて蒸します。オーブン用シートは器代わりに使え、サイズや材質を気にせず使えるのでおすすめです。

野菜はせいろにそのままのせる。
スープなどの汁けの多いものは、耐熱容器やボウルに入れて。
汁けが多いもの以外は、オーブン用シートが便利。器に取り出すときは、オーブン用シートごと器にのせ、フライ返しやスプーンで料理を押さえながらオーブン用シートを引き抜く。

使い終わったら

ペーパータオルや、ぬらしてかたく絞った布で拭けばOKです。

蒸気で殺菌されるため、洗わなくても大丈夫。肉の脂などがついたときや、汚れが気になる場合だけ流水で洗いましょう。ただし、洗剤は成分がせいろに浸透してしまうので使用NGです。

せいろのお手入れのポイントは、 しっかり乾かすこと。生乾きのまましまうと、カビが生える恐れがあります。直射日光はヒビ割れの原因になるので、風通しのよい場所で陰干ししましょう。

使用後は、ペーパータオルで拭くだけでもOK。
汚れが気になるときは、流水で洗う。洗剤はNG。
洗った後は、しっかり乾かすのが長持ちさせるコツ。

【漬けて蒸すだけ】鶏スペアリブとキャベツのヤンニョム蒸し

人気のヤンニョムチキンの蒸しもの版といったところ。
ピリッと辛くてうまみのあるヤンニョムは、クセになる味わい。
一緒に蒸したキャベツがいい箸休めになります。

材料  2人分

鶏スペアリブ……20本
キャベツ……/1 4個(150~200g)


赤とうがらし(粗びき)……大さじ1  
にんにく(すりおろす)……1かけ  
しょうが(すりおろす)……1かけ  
りんご(すりおろす)……1/4個  
しょうゆ、黒酢、みりん……各大さじ1  
はちみつ……小さじ2  
塩……小さじ2/ 3

塩……少量
白すりごま、ごま油……各小さじ1

作り方

1 漬ける
鶏スペアリブは表面の水けをペーパータオルで拭く。バットにを入れて混ぜ、鶏スペアリブ全体にからめる。ラップを素材に貼りつけるようにしてかけ、冷蔵庫で30分漬ける 。キャベツは5㎝角に切る。

2 蒸す
せいろにオーブン用シートを敷き、の鶏スペアリブ、キャベツを入れ、キャべツに塩をふる。蒸気の上がった鍋にのせ、強火で15分蒸す。

3 仕上げ
白ごまをふり、ごま油をかける。

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鶏スペアリブは、鶏手羽先の先を落とした手羽中を、さらに縦半分に切ったもの。

手羽中ハーフと同じものです。

【混ぜて蒸すだけ】豚ひき肉ととうもろこしのだんご蒸し

ぷっくりと蒸し上がった肉だんごの中から甘くてプチプチのとうもろこしとシャキシャキの玉ねぎが登場。
ほどよくシャキッとするレタスもなかなかなので、こちらもぜひ。

材料  2人分

豚ひき肉……350g
とうもろこし……1本
玉ねぎ……1/2個

 
紹興酒(または酒)、しょうゆ……各大さじ1  
塩……小さじ1/ 2  
片栗粉……大さじ2

塩……少量
レタス……1/ 2個

作り方

1 下ごしらえ
とうもろこしは実を削ぎ落とす。玉ねぎは粗みじん切りにする。

2 混ぜる
ボウルに豚ひき肉、を入れてよく混ぜる。を加えて全体がなじむまで混ぜ、10~12等分してだんご状に丸める。

3 蒸す
せいろにオーブン用シートを敷き、を入れる。蒸気の上がった鍋にのせ、強火で12分蒸す。レタスを大きめにちぎってのせ、塩をふり、さらに40秒蒸す。

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シャキシャキ感を残しつつ、少ししなっとしたレタスもおいしい。

野菜もたっぷり食べられ、 満足感がアップします。

【蒸してかけるだけ】白身魚の蒸しもの 青じそレモンがけ

魚の一番簡単でおいしい食べ方です。
下ごしらえをして臭みを抜いたら、酒と塩をふって蒸すだけ。
レモンをキュッと搾り、青じそをたっぷりのせてどうぞ。

材料  2人分

白身魚の切り身(たい、すずき、たらなど)……2切れ

 
酒……大さじ1  
塩……小さじ1/ 2

青じそ……10枚
レモン(半月形の薄切り)……3~4枚
レモン汁……大さじ1

作り方

1 下ごしらえ
白身魚に塩小さじ1/ 2(分量外)をふ って10分おき、出てきた水けをペーパータオルで拭く。

2 蒸す
せいろにオーブン用シートを敷き、をのせ、をふる。蒸気の上がった鍋にのせ、強火で10分蒸す。

3 レモン汁をかける
青じそはせん切りにし、さっと水にさらして水けをきる。を器に盛り、 レモンをのせてレモン汁をかけ、青じそをのせる

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魚は塩をふったらしばらくおくと水けが出てきま す。

この水の中には臭みも含まれるので、ペーパー タオルでよく拭き取ってください。

【ごちそう蒸し料理】ひき肉とほたてのキャベツ包み蒸し

蒸して甘みを引き出したキャベツでほたてを加えた肉だねを包んで蒸し上げた、蒸しロールキャベツ。
煮るよりもおいしさがギューッとキャベツの中に閉じ込められます。

材料 2~3人分

キャベツ……外葉8枚(300g)
鶏ひき肉……300g
ほたて缶 ……小1缶(90g)

A  
玉ねぎ(みじん切り)……1/ 2個  
しょうが(すりおろす)……1かけ  
酒、しょうゆ……各大さじ1  
片栗粉……小さじ2  
塩……小さじ1/ 4

小麦粉……大さじ1

 
ほたて缶の缶汁……適量  
水……カップ1/ 4  
みりん……大さじ1  
しょうゆ……小さじ1  
水溶き片栗粉 (片栗粉、水……各小さじ1)

作り方

1 キャベツを蒸す
キャベツは洗ってせいろに入れ、蒸気の上がった鍋にのせ、強火で5 分蒸す。取り出して冷まし、水けを拭いて芯の厚みを切り落とす。切り落とした部分はみじん切りにする。

2 肉だねを作る
ほたて缶は身と缶汁に分ける。ボウルにほたての身、ひき肉、のみじん切りにしたキャベツを入れてしっかり練り混ぜる。8等分にし、俵形に丸める。

3 包む
まな板にのキャベツを広げてのせ、小麦粉を茶漉しなどで薄くふり、 をのせる。手前、左右を内側に折り、くるくると巻き、巻き終わりを楊枝で留める。同様に計8個作る。

4 たれを混ぜる
小さな耐熱容器にを入れてよく混 ぜる。

5 蒸す
せいろにオーブン用シートを敷いて を入れ、横にの耐熱容器をのせる。蒸気の上がった鍋にのせ、強火で15分蒸す。をかけて食べる。

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しょうゆあんも、ロールキャベツと一緒に蒸して作ります。

とろみ用の片栗粉が加わっているので、よく混ぜてから入れます

この記事の監修・執筆者

料理家 ワタナベマキ

1976 年神奈川県生まれ。 夫と長男と猫2匹と暮らす。 グラフィックデザイナーを経て、 2005年に料理家として活動を始める。 日々食べるものをおいしく丁寧に作るのがモットー。 素材の味をシンプルに引き出す料理、 素材の組み合わせに定評がある。 本書は、大好評の 『ほったらかしでおいしい! 蒸しレシピ』の第2弾。 著者自身が昔から大好きな 蒸し料理を詰め込んだレシピ集。

ほったらかしでおいしい!せいろでおかず蒸し」(Gakken)が発売中。

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