おせち料理は手間がかかるため、手作りするのは大変ですよね。
でも、子どもの食育や思い出づくりの面からも、日本の伝統であるおせち料理を子どもたちには伝えていきたいものです。
そこで今回は、おせち料理を手作りするのは時間がかかるし面倒だと思っている人必見の、特別な材料は使わずに作れて、かんたんで子どもが喜ぶおせち料理をご紹介します。
しかも、60分で5品もできる、お手軽おせちです。
60分で5品のタイムスケジュール
まずは、大まかなタイムスケジュールを紹介します。
●開始~20分:1品目『甘くてふんわり! 「梅の花の伊達巻」』
●10~15分:2品目『キュートな飾り切りに挑戦! 「うさぎのかまぼこ」』
※「伊達巻」の焼き時間を利用して作ります。
●20~45分:3品目『卵焼き器で作る! 「市松模様の松風焼き」』
●35~40分:4品目『アーモンドフィッシュで作る! 「なんちゃって田作り」』
※「松風焼き」の焼き時間を利用して作ります。
●45~60分:5品目『レンチン&裏ごし不要! 「かんたん栗きんとん」』
おせち料理の意味、知っている?
おせち料理に込められている意味についてご紹介します。子どもにも、それぞれの意味を楽しく伝えてあげましょう。
1.伊達巻
巻物に似ていることから、知識がふえて賢くなるようにという願いが込められています。勉強をがんばっているお子さんや、受験を控えたお子さんにピッタリですね。
2.紅白かまぼこ
かまぼこの形が「日の出」に似ていることから、おめでたい食材といわれ、おせち料理に使われます。紅色は魔よけ、白は清浄を意味しています。
3.松風焼き
白ごまやケシの実を片面だけにまぶすことから、裏がなく、隠しごとのない正直な行いをするという意味が込められています。
4.田作り
「田んぼ」を「作る」と漢字で書く「田作り」は、イワシを肥料にすると豊作になったことから、その年の豊作を願う意味が込められています。
5.栗きんとん
黄金色に見えることから、金運や勝負運を上げてくれるといわれています。
1品目:甘くてふんわり! 「梅の花の伊達巻」
【材料 4人分 調理時間20分】
卵・・・2個
はんぺん・・・80g
みりん・・・大さじ1
きび砂糖・・・大さじ2
はちみつ・・・大さじ1
塩・・・少々
サラダ油・・・小さじ1
※はちみつは、1歳未満の乳児には与えないでください。
【作り方】
①
フードプロセッサーに卵を割り入れ、手でちぎったはんぺん、みりん、きび砂糖、はちみつ、塩を入れ、なめらかになるまでかくはんします。
☆はんぺんは白身魚から作られていますが、子どもにふわふわのはんぺんを手でちぎってもらいながら、何から作られているのかクイズにすると、楽しい学びになります。
②
サラダ油をひいたフライパンを弱火で熱し、①を流し入れたら蓋をして約10分、裏返して約3分両面に焼き色がつくまでじっくり焼きます。
☆裏返す際は、一度お皿に取り出し、卵焼き器を覆いかぶせてくるっとひっくり返すと、子どもでも失敗せずにできますよ。焼き時間を利用して2品目の「うさぎのかまぼこ」を作りましょう。
③
温かいうちにラップに取り出し、生地を端からくるくると巻き、ラップを2重にしてしっかり包みます。
側面に5本の竹串を幅が均等になるように配置したら、両端を輪ゴムで固定します。
☆卵液が染み出てくることがあるので、ラップは液漏れしないように2重にしてしっかり包みましょう。子どもが竹串の位置を決めて手で固定し、大人が輪ゴムを留めてあげると、親子の共同作業で上手に作れます。
④
粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やします。冷えたらラップと竹串を取ってお好みの幅に切り分けましょう。
☆冷めるまで少し時間がかかるので、切り分けるのは5品すべて作り終わってからにしましょう。左右の切れ端は形がやや不ぞろいなので先に食べてもだいじょうぶです。つまみ食いはお手伝いをしてくれた子どもへのごほうびです。
【ポイント】
きれいな梅の花の形に仕上げるには、竹串の間隔をできるだけ均等にすることがポイントです。縁起がよいとされる梅の花の形の伊達巻は、お正月にピッタリで、かわいい形に子どもも喜びます。
2品目:キュートな飾り切りに挑戦! 「うさぎのかまぼこ」
【材料 6個分 調理時間5分】
かまぼこ(赤)・・・6㎝(1㎝幅に切る)
ケチャップ・・・適量
【作り方】
①
かまぼこのピンク色の部分を2/3程度まで切り離します。
②
切り離した部分の縦半分に切り込みを入れ、丸めるように内側に折り込んだら、うさぎの目になる部分にケチャップをつけて完成です。
【ポイント】
うさぎは見た目がかわいいだけでなく、ぴょんぴょん跳ねることから「飛躍」の意味がある縁起物です。1品目の「梅の花の伊達巻」の焼き時間を利用して作り、空き時間を作らないことが、短時間で5品を仕上げるコツです。
3品目:卵焼き器で作る! 「市松模様の松風焼き」
【材料 4人分 調理時間25分】
鶏ひき肉・・・300g
小ねぎ・・・3本(小口切りにする。冷凍カット野菜を使用してもOK)
卵・・・1個
片栗粉・・・大さじ1
オイスターソース・・・大さじ1
みりん・・・小さじ1
ごま油・・・小さじ1
白ごま・・・大さじ2
青のり・・・小さじ2
【作り方】
①
ポリ袋に鶏ひき肉、小ねぎ、卵、片栗粉、オイスターソース、みりんを加え、全体が混ざるまでしっかりもみ、混ぜ合わせましょう。
☆小さなお子さんでもできるかんたんな作業なので、子どもに手伝ってもらいましょう。子どもがもみ混ぜている途中で、ポリ袋から中身が出ないように、口をクリップなどで留めてあげると安心です。
②
卵焼き器にごま油をひいたら火をつけて弱火にし、①を敷きつめて表面を平らにします。蓋をして中心部までしっかり火が通るまで約15分焼きます。
☆蓋がない場合は、アルミホイルをしっかりかぶせることで代用できます。焼き時間を利用して、4品目の「なんちゃって田作り」を作りましょう。
③
フライパンから取り出して半分に切ったら、片方の表面には白ごまをふりかけ、もう片方の表面には青のりをふりかけます。
③
12~16等分にカットし、白、緑、白、緑と色が交互になるように器に並べ、市松模様を作ったら完成です。
【ポイント】
「市松模様」は柄が途切れずに続くことから、「繁栄」の意味が込められています。パズルをするように、お子さんに並べてもらうと楽しいですよ。
4品目:アーモンドフィッシュで作る! 「なんちゃって田作り」
【材料 4人分 調理時間5分】
アーモンドフィッシュ(市販品)・・・70g
醤油・・・小さじ1
みりん・・・小さじ1
きび砂糖・・・小さじ1
白ごま・・・小さじ1/2
【作り方】
①
鍋に醤油、みりん、きび砂糖を入れて中火で加熱し、沸騰したら弱火にして、アーモンドフィッシュと白ごまを加えて軽く混ぜます。
②
クッキングシートを敷いたバットに①を広げて冷まします。冷めると全体がくっつくので、子どもに手でポキポキと割ってもらいながら器に盛りつけましょう。
【ポイント】
アーモンドフィッシュがあっという間に、おせち料理の「田作り」に変身します。アーモンドのカリっとした食感と小魚の甘い味付けが子どもに人気で、お魚が苦手な子どもにもオススメです。
5品目:レンチン&裏ごし不要! 「かんたん栗きんとん」
【材料 4人分 調理時間15分】
栗の甘露煮・・・10粒
さつまいも・・・200g(皮をむき角切りにしたら水にさらす)
栗の甘露煮の汁・・・大さじ6
はちみつ・・・大さじ1
塩・・・一つまみ
※はちみつは、1歳未満の乳児には与えないでください。
【作り方】
①
耐熱容器にさつまいもを入れ、600Wの電子レンジで3~4分加熱したら、温かいうちにマッシャーでつぶします。
②
①に栗の甘露煮の汁、はちみつ、塩を加えてさらにマッシャーでつぶしながら混ぜ合わせたら、再度600Wの電子レンジで2分加熱します。
☆①より、②の工程のほうが柔らかくなるので、つぶす作業は①を大人が、②を子どもが担当するとよいでしょう。
③
栗の甘露煮を飾り用に一部取っておき、残りを②に加えて軽く混ぜ合わせたら器に盛りつけ、飾り用の栗の甘露煮をのせたら完成です。
【ポイント】
食感をもっとなめらかにしたい場合は栗の甘露煮の汁を足し、もっと甘くしたい場合ははちみつを足してみましょう。子どもといっしょに味見をして、相談しながら好みの味を見つけるのも楽しいです。
作ったおせち料理は、ワンプレートに盛りつけると、よりカジュアルでおしゃれに日本の伝統的なおせちを楽しめますよ。今度のお正月は、子どもといっしょに手作りおせちに挑戦してみませんか。
この記事の監修・執筆者
あちわ りか/大手食品メーカーで10年間商品開発を担当し、数多くのヒット商品を発売。内閣府食品安全委員会の専門委員の経歴を持ち、現在は子ども料理教室「食育クッキング」を主宰。自治体主催のパパと子ども向け食育講座の講師や、企業で幼児食の開発アドバイザーとしても活躍している。
食育クッキングInstagram
https://www.instagram.com/shokuikucooking/
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