卵は食物アレルギーの原因になりやすい食べ物のひとつ。どのように与えればよいかわからないというかたのために、成長に合わせたオススメの卵レシピを、離乳食アドバイザーで、著書『うたまるごはんのかんたんフリージング離乳食・幼児食』が大好評のうたまるごはんさんがご紹介します! 冷凍保存もできるので、忙しい人でも無理なく進めていくことができますよ。
監修/うたまるごはん ライター/上野真依
卵は食物アレルギーが出やすい一方、「完全栄養食品」とも呼ばれるほど栄養バランスに優れた食材。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、卵(卵黄)の摂取時期が離乳初期である生後5~6ヶ月頃からとされています。
食物アレルギーが怖いからといって特定の食品を極端に避けたり過剰に摂取したりする必要はなく、バランス良く食べることが大切です。
※お子さまにアレルギー症状がある場合には、事前に必ず医師に相談し、その指示に従ってください。
最初はおかゆや野菜などに慣れ、豆腐や白身魚などのタンパク質の食材も食べられるようになったら、少しずつ卵にもトライしていきましょう。
初めて卵を与えるときは、ほかに初めて食べる食材がないように気をつけ、できれば平日の午前中に与えるようにすると、万が一食物アレルギーが出てしまった場合も、医療機関に相談しやすいので安心です。最初は食物アレルギーの出にくい卵黄を、固ゆでして裏ごししたものを耳かき1さじ程度からはじめ、小さじ1/4、小さじ1/2、小さじ1、小さじ2、1/2個、3/4個、1個とゆっくりと増やしていきましょう。
毎日続けて与える必要はないので、お子さんの様子を見ながらゆっくり進めてください。
【離乳初期から~】
冷凍保存可能な離乳食:卵黄のたまごがゆ
卵黄はそのまま与えると飲み込みにくいので、離乳初期はおかゆに混ぜて与えるのがオススメです。卵黄の量は成長に合わせてゆっくりと増やしていきましょう。離乳初期は、食物アレルギーの出やすい卵白はまだ与えず、卵黄のみ与えます。卵白からアレルゲンが移行するため、調理する際は、ゆでたら早めに卵白と卵黄を取り分けるようにしてください。固ゆでして裏ごしをした卵黄は、それぞれ冷凍保存しておくことができるので、多めに作っておくと便利です。
材料(1食分)
10倍がゆ 25㎖
固ゆで卵の黄身 適量
作り方
10倍がゆを器に入れ、その上に固ゆで卵の黄身をのせる。
冷凍方法 10倍がゆはフリージング容器に入れて冷凍保存する。固ゆで卵の黄身はラップに包み冷凍保存する。
解凍方法 10倍がゆは600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。固ゆで卵の黄身は、冷凍のまま加熱した10倍がゆに入れて混ぜる。
【離乳中期から】
冷凍保存可能な離乳食:パンプディング
卵黄に慣れたら卵白を含んだ全卵にチャレンジ。最初は全卵の薄焼き卵をみじん切りにしたものを小さじ1/4程度から与え、ゆっくり全卵1/3個程度まで増やしていきます。ここで紹介しているパンプディングは卵黄のみで作っていますが、卵白に慣れたら全卵で作ってもOK。バナナやきな粉をトッピングすれば、デザート感覚で食べられ、栄養もバッチリ。いちごやカッテージチーズなどを組み合わせてもおいしく食べられます。牛乳や豆乳、果物を使う場合は、加熱したものを少量から試し、食物アレルギーが出ないことを確認してから与えましょう。まだ初めて食べる食材が多い時期なので、食べ合わせに注意して与えてください。
材料(1食分)
食パン(6枚切り) 1/4枚
卵黄 1/2個
豆乳 30㎖
バナナ 適宜
きな粉 適宜
作り方
1 食パンの耳が残っている場合は切り落とし、小さくちぎって耐熱容器に入れる。
2 卵黄と豆乳を混ぜ合わせ、卵液を作る。
3 2に1を浸し、600Wの電子レンジで20秒加熱する。
POINT
様子を見ながら加熱し、膨らんであふれそうになった場合は止めてください。
4 一度取り出してかき混ぜ、再び20秒加熱する。しっかり中まで熱が通ったら、お好みで薄輪切りにしたバナナをのせ、きな粉を散らす。
※赤ちゃんにあげる前に完全に火が通っているか必ず確認してください。竹串で刺して何もついてこないのが目安です。
POINT
バナナは、離乳中期までは600Wの電子レンジで20秒ほど温め、食べるときに軽くつぶしてパンプディングと混ぜながら与えるようにしましょう。
冷凍方法 ラップに包んで冷凍保存する。
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。食べるときにお好みでバナナをのせ、きな粉をかける。
【 野菜嫌いも食べられる! 】 うたまるごはんの かんたんおいしい「隠れ野菜レシピ」3選
【離乳後期から】
冷凍保存可能な離乳食:卵焼き
豆乳が卵とマッチしてお子さんでも食べやすい味つけなので、初めての卵焼きにピッタリ! 片栗粉が入っており、冷凍してもふっくらおいしく食べられます。豆乳の代わりにだし汁を加えてだし巻き卵にしてもOK。慣れてきたらほうれん草やチーズなど、お好みの具材を混ぜて焼いてもおいしく食べられるので、ぜひアレンジして家庭の味を見つけてください。
材料(3食分)
卵 1個
豆乳 20㎖
片栗粉 小さじ1
オリーブオイル 適量
作り方
1 ボウルにオリーブオイル以外の材料を入れてよく混ぜる。
2 卵焼き器に薄くオリーブオイルをひいて弱めの中火で熱し、1を流し入れる。
3 奥側から手前に向かってくるくると巻く。
4 巻き終えたらアルミホイルをかぶせ、ごく弱火で2分ほど焼き、裏返して同様に2分焼く。
5 ラップで包んで少し休ませ、粗熱が取れたら食べやすい大きさに切る。
冷凍方法 1食分ずつラップに包んで冷凍保存する
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。
【離乳完了時から】
冷凍保存可能な離乳食:フレンチトースト
ふわふわで甘〜い、大人にも大人気のフレンチトーストですが、塩分や糖分を控えれば、離乳完了時ごろから食べることができますよ。砂糖やバターの量は、お子さんの成長に合わせて調節してください。休日の朝に、家族みんなでちょっぴり贅沢な朝食を楽しむのもいいですね。
材料(2食分)
食パン(6枚切り) 1枚
A卵 1/2個
A牛乳 大さじ3
A砂糖 小さじ1/2
無塩バター 2g
きな粉 適宜
作り方
1 食パンは耳を切り落とし、4×4等分のさいころ状に切る。
2 耐熱容器にAを入れて混ぜ合わせ、1を浸す。
3 卵液をパン全体になじませ、600Wの電子レンジで20秒加熱する。一旦取り出してパンをひっくり返し、さらに10秒加熱する。
4 フライパンにバターを溶かして3を重ならないように並べ、弱火で両面に軽く焦げ目がつくまで焼く。完全に火が通っているか確認後、皿に盛り、お好みできな粉を散らす。
冷凍方法 1食分ずつラップに包んで冷凍保存する
解凍方法 600Wの電子レンジで30秒加熱する。冷たかったら10秒ずつ加熱を追加。食べるときにお好みできな粉をかける。
卵は食物アレルギーが出やすいという心配もある一方で、手軽に栄養バランスの整った料理を作ることができるのがうれしいところ。今回紹介したレシピを参考に、上手に活用していきましょう。
この記事の監修・執筆者
離乳食・幼児食コーディネーター、離乳食アドバイザー。2歳の女の子のママ。Instagramを中心に、子どもも大人も楽しめる離乳食・幼児食のレシピを日々発信している。『うたまるごはんのかんたんフリージング』離乳食・幼児食(Gakken)が発売中。
Instagram
https://www.instagram.com/utamaru_gohan/
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