【食卓から考えるSDGs】食品ロス、どう減らしている? 値上げの影響は?

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【食卓から考えるSDGs】食品ロス、どう減らしている? 値上げの影響は?

国際社会全体が取り組むべき「持続可能な開発目標『SDGs』」。SDGsの目標のひとつに食べ物を残してしまうこと(「食品ロス」)の削減があります。身近な私たちの食卓からSDGsを考えてみませんか。

文/マムズラボ

目次

食品値上げが影響 食品ロスの意識は75.1%

食品値上げが影響 フードロスの意識は75.1%

総務省人口推計令和元年度食料需給表によると、本来食べられるのに捨てられた食品ロスの量は、年間522万トンになります。国民の1人当たりの食品ロス量は、1年で41㎏、1日約113gとなり、統計的には、なんと国民全員が、毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てているのに近いと言われています。

生活者の意識としてはどうでしょうか。
凸版印刷株式会社と株式会社ONECOMPATHが国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を利用する全国の男女22,248名を対象に、フードロスに関する意識調査を行ったところ、食品ロス(フードロス削減)を「意識している」「やや意識している」を合わせた意識度は75.1%、「取り組んでいる」「時々取り組んでいる」を実施度は68.7%と大きな関心を集めていることがわかりました

凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ
引用元:凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ

多くの人が意識して取り組んでいる食品ロス(フードロス削減)削減ですが、「食品の値上げ」も影響しているのでしょうか。同調査では「影響がある」が22.5%、「やや影響がある」が38.3%で、合わせて60.8%の人が「影響がある」と回答しました。

凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ
引用元:凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ

コロナ禍脱却で世界的にモノの生産量が増加し、燃料となる石油や液化天然ガスなどの資源価格が高騰。その上、円安で輸入品が値上がりし、材料のコストがアップしたため、私たちが手にする食品の値上げが深刻となっているのです。値上げは、食品ロス削減の意識に大きな影響を与えていることがわかります。

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食品ロスを防ぐために工夫していることは?

食品ロス(フードロス)削減の取り組みをしている人に、実際にどんなことを実践しているのか聞くと、1位は、「食材・食品の賞味期限を意識している」64.2%、2位「冷蔵庫に入っている量を把握する」50.7%、3位「食品・食材を購入しすぎない」46.3%でした。

凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ
引用元:凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ

これらの項目を見ると、食品ロス削減の重要ポイントは、計画的な買い物だとわかります。また冷凍保存など、長期的に保存できる方法をチェックしておくことも大切ですね。

食品ロスしがちな食材1位はキャベツ

「つい捨ててしまう・食べきるのが難しい食品・食材」はどうでしょうか。
さまざまな食材の中で最も多かったのは「野菜・果物」で、43.8%の人が選択していました。

凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ
引用元:凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ

同じように「賞味期限・消費期限が延びればいいと思う食品・食材」についても「野菜・果物」が最も多く、47.6%の人が選択しています。

では、どんな野菜をロスしてしまいがちなのでしょうか。
農林水産省が定めた指定野菜14品目、指定野菜に準ずる重要な野菜35品目の中から「つい捨ててしまう・食べ切るのが難しい野菜」を具体的に聞くと、1位は「キャベツ」という結果になりました。

凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ
引用元:凸版印刷・ONECOMPATH 「Shufoo!」調べ

1玉が大きいキャベツは、最後まで使い切ることができないまま、品質が劣化し、捨ててしまうことが多いようです。また、外側の葉を過剰に除去してしまう、芯を使わずに捨てる、といったロスが生じやすいこともあります。

使い切れずに捨てるくらいなら、割高でも、半玉や4分の1玉など、必要な分だけ少なく買うという選択肢もあるでしょう。

食品ロスを防ごう! 残り野菜を活用できるオススメメニュー

フードロスを防ごう! 残り野菜を活用できるオススメメニュー

たとえば付け合わせの千切りキャベツなら、カット野菜を活用すれば無駄も手間もなく便利です。

また買ってきたキャベツはそのまま冷蔵庫に入れるのではなく、湿らせた新聞紙でくるんだり、野菜保存用の袋に入れたりしておくと長持ちします。さらに電子レンジで加熱したり、茹でたりしておくことで長持ちさせることもできます。

どうしても余ってしまいがちな、「キャベツの硬い葉や茎、芯の部分」は刻んで、スープや味噌汁、ハンバーグやコロッケ、チャーハンなどの具材に活用できないか考えてみましょう。レシピにはない野菜がかくれた活躍をしてくれることもあります。

「必要な分だけ購入」「購入した野菜は見やすく保管」「料理は食べきれる量だけ」「残った野菜も工夫して活用」など、ほんの少しの意識や工夫で食品ロスを減らすことができます。食材を無駄なく使っておいしく食べきることで、私たちも日々の生活の食卓からSDGsの活動に参加してみましょう。

※「フードロス」と「食品ロス」は同じ意味で使われることが多いですが、厳密には意味が違います。
「フードロス」……小売業や食品サービス業など、食品供給者の判断や行動によって発生する食品の量や質の低下のこと。
「食品ロス」……小売店や飲食店、家庭の料理などで発生する「食品廃棄分」と「フードロス」とを合わせたもの
この記事の引用元である凸版印刷株式会社と株式会社ONECOMPATHの調査では、「フードロス」と記載されている部分を、本記事では「食品ロス」として考えます。

【参考サイト】
電子チラシサービス「Shufoo!」、フードロスの意識調査
https://biz.shufoo.net/column/research_report/19224/
調査期間 :2022年5月25日~6月1日
調査機関 :凸版印刷 ONECOMPANY「shufoo!」調査
調査対象 :全国の「シュフーポイント」会員(全年齢の男女)
有効回答数:22,248名
調査方法 :インターネットリサーチ

環境省 食品ロスポータルサイト https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/index.html
食品ロスとは:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html

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