ちょきちょきといろいろなものが切れる便利な道具、はさみ。お子さんがはさみを使えるようになると、工作の幅も広がりますね。
しかしはさみの使い方によっては、使う本人も、周りの人も傷つけてしまう可能性があります。
そこで今回は、お子さんがはさみを安全に、楽しく使えるようになるために、おうちのかたがサポートするコツと、オススメの教材を紹介します。
はさみを安全に、楽しく使えるように
使い始めにしっかり伝えたい、はさみを使うときの約束事
はさみを使い始めるお子さんには、「はさみは約束事を守って使わないと危ないこと」をしっかり伝えましょう。
そして、次のようなはさみを使うときの約束事を決めて、繰り返し確認するようにしましょう。
〈はさみを使うときの約束事〉
□大人といっしょに、座って使うこと。持って歩かない。
□使ってもよいといわれた紙などを切る。
自分や人の髪の毛や指、洋服や人形などのおもちゃを切らない。
□片づける場所を決めて、そこから出し入れする。使ったらすぐにしまう。
□使ったはさみを机などに置くときは、はさみを閉じる。
□人に渡すときは、はさみを閉じて、持つ部分を相手に向ける。
しかし、何度伝えても、早くはさみが使いたくて約束事を守れなかったり、ほかの遊びがしたくなって、はさみを置きっぱなしにしてしまったりするお子さんもいるかもしれません。
そんなときに活用してほしいのが「読み聞かせ」です。はさみをテーマにした絵本なら、お子さんもはさみの正しい使い方をイメージしやすく、理解を助けてくれるはずです。
オススメの絵本を紹介します。
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はさみによるけがと、工作の楽しさがイメージできる絵本
『わにわにのおおけが』
大人気「わにわに」シリーズの絵本です。ある日、わにわにが工作していると、はさみで指を切って、血が出てしまいます。わにわには指に薬をぬって、包帯でぐるぐる巻きにすると、工作の続きに取りかかります。わにわには、何を作ったのでしょうか?
「きって おって はって」というリズムも楽しく、読み聞かせにぴったりです。
読み終えたら、お子さんに、はさみは使い方によってはけがをすること、はさみが使えると工作の幅が広がることを伝えるようにしましょう。
はさみ大好き、なんでも切っちゃう男の子の絵本
『ぼくのはさみ』
はさみが大好きな“ぼく”は、なんでも切ろうとするので、しっぽやひげを切られまいと、犬や猫は逃げだしてしまいます。そこで、お母さんが買ってくれたおりがみを切っていましたが、ある日、はさみがなくなってしまい……。
はさみで切っていいものとだめなもの、そして、はさみの置き場所についていっしょに考えられる絵本です。
教材を活用して少しずつステップアップ
ぴったりのはさみを選んで練習しよう
初めて使うはさみは、子ども用の安全なものを選びましょう。刃先が丸くなっているもの、刃先をおおうカバーがついているものだと安心です。
また、手のサイズに合うはさみを選ぶことも大切です。はさみは、小さい穴に親指を、大きい穴に人差し指と中指を第一関節くらいまで入れて使いますが、サイズが合わないと持ちにくい上に、刃の開閉がうまくできません。お子さんにちょうどよいサイズのはさみを選び、ストレスなく練習ができるようにしたいですね。
また、お子さんの利き手に合わせ、右利き用・左利き用を選びましょう。まだ確定していないお子さんの場合は、両利き用を使う方法もあります。
はさみを用意したら、いよいよ練習です。使い始めは、次のように少しずつステップアップしながら練習しましょう。
〈はさみを練習するステップ〉
□はさみを持って、“開いて閉じる”を繰り返す。
□切ってもよい紙を準備して、1回の動作で切る「1回切り」を練習し、ちょきんと切る感覚を覚える。
□「1回切り」に慣れたら、はさみを開いたり閉じたりしながら、ちょきちょきと長く切る「連続切り」を練習する。
はさみの使い始めは、必ず大人がいっしょに練習しますが、お子さんがうまく切れずにイライラし、具体的な切り方を教えるのが難しいこともありますね。その場合は、教材を取り入れるのはいかがでしょうか。お子さんといっしょにはさみの使い方や紙の切り方を確認しながら練習できますし、ただ切るだけではなく、工作に挑戦するなど、少しずつステップアップすることができます。
はさみデビューにぴったりの“幼児ワーク”
『はじめてできたよ さいしょのはさみ』2歳・3歳
お子さんのはさみの使い始めをサポートする“幼児ワーク”です。
手指の運動能力に合った内容で、楽しみながら、安全で正しいはさみの使い方が身につきます。
2歳向けは、ちょきん! と1回で切るところから、まるく切り取るところまで。そして、3歳向けは、1回切りから、かんたんな紙工作が作れるところまでステップアップできるワークです。
かわいい“きりえ”が、かんたんにできるおりがみ
おりがみを折って、印刷された線をなぞって切ると、かんたんに“きりえ”が作れます。
『はじめてのきりえあそび』は、飛行機やちょうちょ、アイスクリームなど、『たのしいきりえあそび』は、汽車やみつばち、王冠など、それぞれ30種類の“きりえ”が作れます。
できた“きりえ”に付属のシールをはったり、絵をかいたりすれば、遊びの幅が広がります。
切ることがもっと楽しくなる、お米のねんど
やわらかくて切りやすいお米(米粉)のねんどと、プラスチックのはさみのセットです。
お米のねんどは厚みがあって切りやすく、切ったときの「サクッ」という音と感触で、はさみを使う楽しさや達成感を味わうことができます。
ねんどを伸ばすローラーや、ねんどの髪の毛を伸ばして切って遊べる人形がついています。対象は3歳から。
お子さんがはさみを安全に、楽しく使えるように、しっかりサポートしたいですね。
はさみを練習して、さまざまな工作ができるようになれば、お子さんも達成感を感じて、「もっと作りたい!」という意欲がわくでしょう。
この記事の監修・執筆者
未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!
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おすすめの本
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『学研の幼児ワーク はじめてできたよ 2歳 さいしょのはさみ』(Gakken)
はさみデビューをする幼児向けの、はじめてワーク。2歳向けの本書では、ちょきん! と1回で切るところから、まるく切り取るところまで、ステップアップできるようになっています。初めてはさみを持つお子さんへの、はさみの選び方・持ち方・切り方のコツをも紹介しています。
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『学研の幼児ワーク はじめてできたよ 3歳 さいしょのはさみ』(Gakken)
はさみを使って1回で切るところから、簡単な紙工作が作れるところまで、徐々に ステップアップできるつくりです。安全に使える「マナー」を意識してもらえるよう、「はさみのおやくそく」ページもあります。はさみデビューに最適な1冊です。