「みんなが知らない幼児ワークの世界」。入社4年目の編集部Fが、幼児向けの本制作に当たって、「なるほどそこまで考えられているのか…!」と感じた事例の一部をご紹介して参ります。
第4回 紙の種類
本を読むとき、紙を気にしたことはありますか?
本を制作する際、「どんな内容にするか」だけでなく、決めなくてはいけないのが「本の体裁」。「厚さ(ページ数)」「サイズ」「カバーの有無」…そして、「紙の種類」です。
紙の決定は、まず社内の製作部(前回の「こうさく」の記事にも登場した、印刷・製本・紙のプロ集団)に「こんな紙がいい」(写真が見やすくて…丈夫な紙で…とか)というリクエストを出します。その後、資材部から「この紙でどう?」という具体的な紙の名前の提案と、場合によっては見本を渡してくれます。
学研の幼児ワークに使われている紙は……、残念ながら企業秘密!
なので、紙の名前は言えませんが、とってもこだわりぬいた紙なんです。
ワークの「紙」4つの特長
(1)鉛筆やクレヨンで書きやすい。
(2)消しゴムをかけてもやぶれにくい。
(3)のりではりやすい。
(4)子どもの力でもはさみで切りやすく、また折りやすい。
あるときお客様から「子どもが何度もやりたがるので、書いては消して、書いては消して、と繰り返して使用しています」とのお声をいただきました。
実は、幼児ワークの紙を決めるとき、編集部で「鉛筆→消しゴム実験」をしています。
サンプル用紙に鉛筆で文字を書いて、消しゴムでごしごし。これを10回ほど繰り返します。これで鉛筆での書き味と、消しゴムに対する耐性を確認します。
丈夫で書きやすい紙は、お子さんにとっても、お子さんのために消しゴムをかけるおうちのかたにも、ストレスにならないかと思います。
他の本の紙の特徴についてもご紹介します。
「かいてけせる ひらがな」シリーズの紙
こちらは、クレヨンや水性マーカーペンを使用すると、何度でも書いて消せるというもの。
「なぜ!?」とお思いでしょう。こちらも企業秘密で言えませんが、紙に特殊な加工をし、ホワイトボードのようにすることで、「永遠に書いて消して練習できる」という仕組みが実現されています。
「でんしゃのれんしゅうちょう」シリーズの紙
こちらは、「電車好き」な子たちのためのワーク。
同じワークでも、学研の幼児ワークシリーズの紙とは少し違います。
特徴としては「写真」が使われていること。
「きれいな写真じゃなきゃ、電車を見ても楽しくない!」という担当編集の熱い思いがありました。
しかし、「写真がきれいに見える」で思い浮かぶのはツルツルの「写真用紙」。でも、ツルツルした紙は鉛筆で書き込みしにくいですよね。
こちらも紙の具体的な名前は言えませんが、「写真がきれいに見える」かつ「書き込みしやすい紙」を追求し、紙を決定しました。(なかなか無さそうですが、そんな不思議な紙があるんですよね…)
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・・・
「同じ『ワーク』というジャンルだから、他のワークと同じ紙で!」「なんでもいいからとにかく安いもので!」という決め方はしていません。
毎回用途に合わせて、「どんな紙がベストか?」を考えて制作しています。
さて、今回は「紙の種類」についてのこだわりをお伝えしました。
次回は日本人男性の5%にあるという、「色覚特性」に配慮した本制作についてお伝えします。
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自分からどんどんやりたくなる!電車の名で学ぶひらがなワーク。
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