【日本初の月面着陸をめざして】小型月着陸実証機「SLIM」が月へ!

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月を利用し、やがては人間が定住する月面基地を建設する計画が進められています。
日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発した小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」も、将来の月探査のための技術を実証することをめざすものです。
美しくかがやく月をめざすなんて、夢が広がりますね。

目次

月へ向かう「SLIM」

人類を月に送る計画

地球のおとなりである月には、1969年に「アポロ11号」によって初めて人類が降り立ちました。アポロ計画が終わって50年以上もの間、だれも月に行くことはありませんでしたが、今、再び月へ人類を送る計画がアメリカや日本などにより進められています。

月を拠点として火星有人探査を実現することも視野に入れられています。

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「SLIM」の打ち上げに成功

日本は、2007年に月を周回してくわしい観測をする「かぐや」を打ち上げました。「かぐや」は2009年まで月を探査し、地形などを細かく調べました。

2023年9月7日には、小型月着陸実証機「SLIM」を打ち上げました。当初の計画よりおくれたものの打ち上げは成功し、その後も「SLIM」は正常な状態を保ち、順調に月に向かっています。

今回、日本が無人探査機の月面着陸に成功すれば、旧ソ連、アメリカ、中国、インドに次いで世界で5番目となります。

できるだけ少ない燃料で月へ

「アポロ」のように人間を乗せた宇宙船はできるだけ速く月に行くことをめざしますが、「SLIM」は、できるだけ少ない燃料で月に向かおうとしているため、時間がかかります。いったん月に近づき、月の重力(引っ張る力)を利用して飛ぶ方向やスピードを変えます。天体の力を利用して方向やスピードを変えることを「スイングバイ」といいますが、「SLIM」はスイングバイをじょうずに利用して少ない燃料で月に向かいます。

2023年10月4日、「SLIM」は予定通りスイングバイに成功しました。打ち上げから3~4か月後には月を回る軌道に入り、約1か月間月を回った後、着陸を試みる予定です。順調にいけば、2024年1~2月に月に着陸します。

「SLIM」のミッションは?

降りたい場所に降りることをめざす

「SLIM」がめざすのは、降りたい場所に降りることです。

これまでの月探査機は、じゃまな岩石が少なく平らで降りやすい場所に、真っ直ぐに降りることしかできませんでした。しかし、「資源がありそうな場所の近くに降りたい」など、降りにくい場所だけど降りたいということもありえます。そこで、「着陸機がたおれてしまうなら、はじめからたおれるように着陸する設計にすればよいのではないか」というのが「SLIM」の方針です。

逆転の発想ともいえる設計にもとづき、高い精度で降りたいところに降りられる技術を実証することが「SLIM」の最大のミッションです。

月を回る「SLIM」(イメージ) ©JAXA

着陸のための高い技術

降りたい場所に降りるために、「SLIM」にはいくつもの高い技術が取り入れられています。

ひとつは、月面のクレーターなどの様子から自分の位置を測定する技術です。着陸の際に、搭載するカメラで写した月面の画像を、内蔵されている地図と照合して、自分の位置を知ります。自分の位置を正しく知ることで、着陸するのにふさわしい場所を正確に知ることができるのです。

もうひとつは、着陸時のしかたです。着陸する場所が決まると、エンジンを逆噴射しながら次第に高度を下げ、表面に達します。表面に着くとともに機体をかたむけ、脚の先についているスポンジ状の金属でショックを吸収します。この方法によって、斜面にも降りられるのです。

次第に高度を下げ、月表面に達すると機体をかたむけて着陸の衝撃をやわらげる ©JAXA

月に着陸し、月を調べる

日本の探査機初の月面着陸をめざす

実は、日本の探査機が月着陸をめざすのは初めてではありません。民間企業のispaceが進める「HAKUTO-R」ミッションの探査機が2022年12月に打ち上げられ、2023年4月26日に着陸を試みましたが、あとわずかのところで失敗しています。

「SLIM」が月着陸に成功すれば、日本の探査機では初めての快挙になります。

月面ロボット「SORA-Q」の活躍にも期待

「SLIM」には小型月面探査ロボット「SORA-Q」が搭載されていることも話題になっています。

「SORA-Q」は、おもちゃメーカーのタカラトミーなどが開発に加わっており、直径8cmほどの球体が月面で変形するしくみです。細かい砂が表面をおおう月面の斜面でも動いて月面の様子をカメラでとらえ、データを地球に送ってくる予定です。

「SLIM」のミッションとともに、「SORA-Q」からも目が離せませんね。

月面ロボット「SORA-Q」。左が変形前、右が変形後
©JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学

宇宙を楽しんだり、利用したりする時代が近づいています。旅行気分で月に行ける日もそう遠くないかもしれません。

「SLIM」に関するニュースを見ながら、お子さんと話し合ってみてはいかがでしょうか。

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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