【秋を代表する花】キクをもっと楽しもう!

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日本の秋を代表する花といえば「キク」。古くから親しまれてきた身近な花で、パスポートにもキクの紋章が使われています。
観賞用に栽培される品種が多く、今では1年中、生花店などでさまざまなキクを見ることができます。
今回は、伝統的な和ギクから、フラワーアレンジメントでも大人気の洋ギク、おいしく食べられる食用ギクなど、知ると楽しいキクのあれこれを紹介します!

目次

キクってどんな植物?

小さな花が集まった集合花

キクはキク目キク科の植物です。
キクの花は1つに見えますが、舌状花(ぜつじょうか)と管状花(かんじょうか)という小さな花が集まった集合花です。
キクは花が咲いてからの日持ちがよいのが特徴で、切り花にして飾っても、長く楽しむことができます。

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キクはどこから来たの?

キクは中国が原産地で、日本には奈良時代中期に伝わったといわれています。平安時代の宮廷では、キクを見ながら長寿や健康を願って祝う「菊花の宴」が行われていました。
平安時代・鎌倉時代から、貴族や武士によって新しいキクの品種が作り出されてきましたが、安土桃山時代になると町人にも広がり、江戸時代になると、花の美しさやめずらしさを競う「菊合わせ」も盛んになりました。

花の大きさもさまざま

伝統的に栽培されている和ギクの品種は数多くあり、花の直径が18cm以上のものを大ギク、9〜18cmのものを中ギク、9cm未満のものを小ギクと呼びます。

代表的な大ギクで、中心に向かって高く盛り上がって咲く「厚物」
中ギクで、細く立ち上がって咲く「嵯峨菊」
切り花、鉢植え、花壇などでよく見られる小ギクの「山菊」

フラワーアレンジメントやガーデニングで人気の洋ギク

アメリカやヨーロッパで作られた洋ギクは鮮やかな色が特徴的な品種が多く、フラワーアレンジメントやガーデニングなどにもよく用いられます。
日本では、キクといえば仏花(仏壇や墓に供える花)というイメージがありますが、洋ギクは「マム」と呼ばれ、母の日のプレゼントや、結婚式のブーケとしても人気です。

丸い形の「ポンポンマム」は、黄色や白、赤やオレンジ色など、色の種類が豊富
「クッションマム」は自然に枝分かれし、半球形の花のクッションの形になる

食べてもおいしい、虫よけにも役立つキク

郷土料理として親しまれるキク「もってのほか」

食用ギクは奈良時代から栽培されています。
刺し身の付け合わせに小ギクがあしらわれているのを見たことがあるかもしれません。花をちぎってしょうゆの器の中に入れ、薬味として刺し身といっしょに食べてみましょう。
そのほかにも、キクの花を天ぷらやちらし寿司の具として用いたり、茶や酒に浮かべて飲んだりします。
また、山形県では、淡い紫色の食用ギク「もってのほか」が秋の味覚として古くから親しまれてきました。「もってのほか」をおひたしにするのが代表的な食べ方です。

食用ギクの「もってのほか」
「もってのほか」のおひたし

殺虫成分を含むキク

キクの中には、殺虫成分を含む品種もあります。
地中海地方・中央アジア原産といわれる除虫ギク(シロバナムシヨケギク)の花には、殺虫効果があるピレトリンという成分が含まれていることが古くから知られています。
日本でも除虫ギクを栽培して殺虫剤の原料として使っています。

除虫ギク(シロバナムシヨケギク)の栽培地

身近に感じる「キク」ですが、たくさんの品種が作られ、観賞するだけでなく、食用や殺虫剤にも使われていることをご紹介しました。
日持ちがよいキクの花を、ぜひ飾ってみてください。

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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