【ゲリラ豪雨】突然おそいかかる危険な大雨に気をつけて!

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夏の暑い日に突然降り出す大雨。最近はこのような雨を“ゲリラ豪雨”と呼ぶことがあります。
ゲリラ豪雨はなぜ起こるのでしょう。また、ゲリラ豪雨から身を守るにはどのようにしたらよいのでしょうか。
お子さんといっしょに、天気や防災について考えてみましょう。

目次

ゲリラ豪雨の特徴

“ゲリラ豪雨”とは?

そもそも“ゲリラ”とは、奇襲をしかけて敵に打撃をあたえる戦法や戦闘員をさす言葉です。
“ゲリラ豪雨”とは、まるでゲリラのように、せまい地域に短時間で大量に降る雨をさします。予想もしていなかった雨が奇襲のようにおそいかかることがゲリラのようだということから名づけられました。
ただし、正式な気象用語ではなく、新聞やテレビのニュースなどで使われ始めて一般化した言葉です。気象庁が天気予報などでこの言葉を使うことはありません。

せまい範囲に短時間で降る大量の雨

気象庁では、ゲリラ豪雨にあたるような雨を、“局地的大雨”、“集中豪雨”と呼んでいます。
局地的大雨は「急に強く降り、数十分の短時間にせまい範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨」、集中豪雨は「同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨」と説明されます。どちらも、「せまい範囲」「短時間」「大量」という特徴があります。

予想するのが難しい

ゲリラ豪雨は突発的に起こるので、いつ、どこで起こるのか予想しにくいという特徴があります。
天気予報で「明日◯時ごろ、◯◯で局地的大雨が起こるでしょう」などと、時間と場所を限定して知らされることはありません。まさにゲリラのように、いつ、どこに現れるかわからないのです。
特に都市部では大きな被害をもたらすこともあるので注意が必要です。

ゲリラ豪雨の原因と被害

ゲリラ豪雨が起こるしくみ

ゲリラ豪雨を降らせるのは発達した積乱雲です。積乱雲とは、夏の暑いときによく見られる入道雲(雄大積雲)が発達した雨雲です。強い日差しによって地面が暖められると、上昇気流が起こります。このとき上のほう(上空)に冷たい空気があると、大気の状態が不安定になり、急速に積乱雲が発達し、その下に局地的な大雨を降らせます。これがゲリラ豪雨です。
ゲリラ豪雨は、地表と上空の気温差が大きく、天気が不安定になりがちな7月から8月にかけて発生しやすい傾向があります。
都市部では舗装された道路やエアコンの室外機などから出る熱の影響で、積乱雲が発達しやすくなると考えられています。
また、ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲は、竜巻や突風、ひょうなどの現象をもたらすこともあります。

発達した積乱雲

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ゲリラ豪雨による被害

舗装された道路が多い都市部では降った雨はすぐには地面にしみこみません。短時間に大量の雨が降ると、下水道に大量の雨水が流入し、マンホールから水があふれ、道路が水につかる「冠水」や、住宅が水につかる「浸水」の被害が起こります。
過去には、下水道内の水が急激に増え、作業をしていた人が流されるという事故が起こったこともあります。このほか、川が急激に増水して人が流されたり、大量の水が一気に流れる「鉄砲水」が起こったりすることもあります。

マンホールからあふれ出る水

ゲリラ豪雨は増えている?

「以前はこれほど危険な大雨は少なかった」と感じる人も多いようです。ニュースなどでもよく取り上げられるので、ゲリラ豪雨が増えていると思うかもしれません。
確かに、局地的大雨の発生回数は増加傾向にあります。また、1時間の降水量が50mm以上80mm未満の「非常に激しい雨」や、同80mm以上の「猛烈な雨」の発生回数が増えているという観測データもあります。(※1)
気候変動によって地球の平均気温が上がると、極端な気象現象の頻度が高くなるというシミュレーションもあります(※2)。昨今、ゲリラ豪雨が多いのは気候変動(温暖化)のせいとも考えられます。

ゲリラ豪雨から身を守ろう

ゲリラ豪雨のきざしを知る

ゲリラ豪雨は予想が難しいため、大雨警報や大雨注意報が発令されないうちに大雨が降る場合があります。ゲリラ豪雨の原因となる発達した積乱雲が近づくきざしに注意を払っておきましょう。
注意したいのは、「真っ黒な雲が見え、周囲が急に暗くなる」、「雷の音が聞こえ、雷光(いなずま)が見える」、「ひんやりした冷たい風が吹く」、「大粒の雨やひょうが降り出す」といったきざしです。

身の安全を図ろう

ゲリラ豪雨のきざしを感じたら、ただちに丈夫な建物の中に避難しましょう。ただし、浸水のおそれのある地下街などは避けましょう。
川の近くでは、雨が降っていなくても、上流で降った雨が下流に流れてくることもあって危険です。川の水がにごったり木の枝などが流れてきたりしたら、すぐに川からはなれてください。
また、大雨のときに川などの様子を見に行くなど、川に近づいてはいけません。自分の命は自分で守ることを心がけましょう。

情報を集めよう

気象庁や地方公共団体、民間気象事業者などは、携帯電話などで見られる局地的大雨に関する情報を提供している場合があるので、チェックするとよいでしょう。
また、メールなどで情報を提供してもらえるサービスもあります。有料の場合と無料の場合があるので、あらかじめ調べておき、利用してみるのもよいですね。

ゲリラ豪雨は大きな被害をもたらすこともある

ゲリラ豪雨は大きな被害をもたらすこともあります。そのきざしを知り、身の安全を守るためにできることを、お子さんと確認しておきましょう。

(※1)参考:気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html
(※2)参考:気象庁「特集 激甚化する豪雨災害から命と暮らしを守るために」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/hakusho/2020/index1.html

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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