【連休明けに注意】五月病は子どもにも! 登校しぶりの原因とSOSサインチェック[臨床心理士監修]

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5月の大型連休明けは「学校へ行きたくない」という“登校しぶり”が起きることも。この時期の子どものストレスやSOSサインについて臨床心理士の南谷則子先生にお話をうかがいました。

文/こそだてまっぷ編集部

目次

連休明けに登校をしぶるのはなぜ?

新年度が始まって1か月、進学や入社などの環境の変化に心が追いつかず「気力がわかない」「学校や会社に行きたくない」などと感じる状態を一般的に「五月病」といいます。学生や新入社員にありがちとされていますが、子どもでも「五月病」を引き起こすことがあります。たとえば、小学校に入学したり、進級してクラスや先生が変わったりする4月は、子どもも大人と同じようにストレスを感じ、緊張しがちです。ところが5月の大型連休で学校が続けて休みになると緊張の糸が一気に切れて、休み明けにルーティーン(毎日登校するなどの日課)をこなすことが難しくなってしまうのです。

子どもの「学校に行きたくない」は、学校生活でのさまざまなストレスに対処しようとする行動のひとつと考えてよいでしょう。

学校に行きたくない理由TOP5

子どものストレスの原因はそれぞれですが、参考として文部科学省の調査でわかった小学生が「最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ」を多い順に紹介します。

《最初に学校にいきづらいと感じ始めたきっかけ》

1 先生のこと(先生と合わなかった、先生が怖かったなど)…29.7%
2  身体の不調(学校に行こうとするとおなかが痛くなったなど)26.5%
3 生活リズムの乱れ(朝起きられなかったなど)………………25.7%
4 きっかけが何か自分でもよくわからない………………………25.5%
5  友だちのこと(いやがらせやいじめがあった)…………………25.2%

※中学生の場合は、「勉強がわからない」という回答も上位(27.6%)に入ってきます。
「令和2年度不登校児童生徒の実態調査 結果の概要」より(複数回答)。

●先生のことがきっかけの場合4月に担任の先生が変わると、新しい先生に慣れるまでにストレスを感じる子どももいます。また「幼稚園や保育園の先生はやさしかったのに、小学校の先生は怖い」と感じる小学1年生も少なくありません。ただし、時間が経てば先生になじんできて、ストレスが自然に解消することもあります。

●友だちのことがきっかけの場合友だちが原因というケースもあるのですが、小学校低学年の場合、いじめというより「ことばの足りなさ、未熟さ」がトラブルのきっかけになっていることが多いです。友だちを気遣いながらことばをかけることはまだ難しいので、たとえば、友だちに「〇〇さん! それ、違うよ‼」などと強いことばをかけてしまうこともあります。それが原因で深く傷つく事例も見られます。

●学校生活には不安がいっぱい!?上記の調査結果では出てきませんが、低学年の子どもの場合、「学校で失敗することの不安」によるストレスも深刻です。たとえば、体育や合唱などが苦手な子どもが「みんなの前でちゃんとできなかったらどうしよう」「失敗したらどうしよう」などと感じる不安は、いろいろな経験をしたことがない子どもにとって、大人が想像するよりも強いのです。

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小学1年生に多い「分離不安」

小学1年生や低学年の子どもの中には、保護者(とくに母親)から離れて学校生活や集団生活をすることにストレスを感じやすい「分離不安」が見られることもあります。その場合は、保護者がそばにいれば情緒的に安定して授業を受けたり友だちと遊んだりできるため、最初のうちは保護者が同伴して登校することを考えてみてもよいでしょう。分離不安があっても、学校や先生、友だちなどの人間関係に慣れて、学校生活で楽しみを見つけられるようになれば解消されてきます。様子を見ましょう。

「学校に行きたくない」は子どもからのSOS

「学校に行かない」というのは「ストレス反応の行動化」です。低学年の場合、不安な気持ちやストレスが身体的な症状となって現れたり、ことばよりも行動として表出されたりします。

たとえば、次のようなケースがあります。

朝、学校へ行く支度がグズグズしていてなかなか進まない。やっとランドセルを背負って靴をはいたのに、玄関からどうしても一歩も踏み出すことができない。

これをストレスによる「凍りつき反応」などといいます。低学年の場合、泣き出すこともあります。こんなとき、子ども自身も自分がなぜ泣いているのかわからないことも多いのです。

保護者は、子どもが何か強いストレスを感じているということを早めに察知することが重要です。

子どものSOSサインを見逃さないで!

子どもはストレスを身体的症状や行動で表します。子どもからの SOSサインを下記でチェックしてみましょう。5つ以上当てはまる項目がある場合は、何かストレスを抱えている可能性があります。

《子どものストレスを発見するSOSサインチェック》

□朝、なかなか起きない
□朝、登校前に「おなかが痛い」「気持ちが悪い」「頭が痛い」などと不調を訴える
□朝、学校に行く支度をするのにグズグズしている
□朝、トイレに行く回数が多い
□学校から帰ってきたときの表情が楽しそうでない
□夜寝る前にイライラしている、不満などを言う
□夜、寝つきが悪い
□夜、寝ているときに寝ぼけて声をあげたり、歩き出したりする
□食欲が落ちてきた
□宿題をやろうとしているのに進まない
□急に甘えてくることがある
□急に泣き出すことが増えた

ストレスを感じるのは5月だけではない

冒頭に「五月病」の説明をしましたが、子どもにとってストレスを感じやすい時期はほかにもあります。

たとえば、5月に限らず、夏休みなど長期間の休み明けは注意が必要です。また、風邪やインフルエンザなど体調不良で学校を数日休んだあとも、自分が以前と同じように学校生活を送れるかどうかという不安を抱えやすくなります。

苦手な分野がある子どもにとっては、それに関連した学校行事の前も要注意です。たとえば、走ることや体育が苦手な子どもは運動会の前、人前で歌うことが苦手な子どもは歌のテストや合唱発表会などの前、泳げない子どもはプールの授業がある日の前などです。

保護者は、子どもがつらそうだなと感じたら、心配していることを伝え、「何か気になることはある?」などと見守っていることが伝わることばをかけていきましょう。このとき「そんなこといちいち気にしないで」と、子どもの不安を否定することを言わずに、「そうなんだね」と子どもの気持ちをそのまま受け止めて共感することが大切です。

新年度が始まって1か月。環境の変化が大きいこの時期は、不安やストレスで登校しぶりが起きやすくなります。子どもの異変やSOSを見逃さないように注意しましょう。

この記事の監修・執筆者

臨床心理士・公認心理師 南谷 則子

公立学校でスクールカウンセラーをしながら、不登校の子どもを持つ保護者に対して、認知行動療法を利用した、ストレス低減グループプログラムの開発に取り組む。千葉大学 子どものこころの発達教育研究センター特任研究員。小児発達学者(小児発達学博士)。子どもの行動に感情的に反応しないで子どものありのままを認める「マインドフルネス子育て」のワークを作成し、効果研究や普及にも努めている。

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