【仲が良いのは互いに惹かれあうから】「あの子と遊んではダメ!」という前に

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子どもの友だち関係の悩みにはいろいろありますが、
今回の悩みは、おとなしいお子さんをお持ちのママパパに心当たりがあるかもしれません。
現役小学校教員の舟山由美子にアドバイスしていただきました。

目次

Q.乱暴でいたずら好きな子と仲良しで心配

1年生の男の子の母です。
息子は気が優しく、ちょっと臆病なところのある子で、幼稚園のころまでは、どちらかというと友だちに泣かされるようなタイプでした。

でも先日、担任の先生から連絡があり、息子がもう1人の子(Kくん)と一緒に、クラスの女の子の消しゴムを割ってしまったと言われました。人のものを壊すなんてできない子だと思っていたので、かなりショックでした。

よく話を聞くと、Kくんが率先してやったことで、うちの子はなりゆきで加担するはめになってしまったのだということです。Kくんは女の子に対して、以前にも筆箱を投げたりしたことがあったため、女の子の家には、Kくんとお母さんに謝罪に行ってもらったそうです。

女の子のお母さんとは顔見知りということもあったし、なりゆきでやってしまったとはいえ、息子も人のものを壊すようなことをしたのだから、ちゃんと謝る必要があると思い、私と息子も一緒に女の子の家に謝りに行きました。

険悪な感じにはならなかったのですが、そのときに「Kくんにやられている子は、ほかにもいる。Kくんと仲よくしていると、(うちの息子も)悪く言われるから気をつけたほうがいいよ」と、そのお母さんに言われてしまいました

もともとKくんは乱暴なところがあり、私もできれば一緒に遊んでほしくはないのですが、息子はうまが合うようで、今回のことがあった後もよく一緒に遊んでいるようです。

こういう場合、親が「あの子と遊んではダメ」と言ってしまっていいものでしょうか。このまま遊ばせておくと、息子がKくんの悪いところを真似たりするようなってしまわないか心配です。

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A.噂に振り回されず、自分の目で確認しましょう

個人面談などで保護者のかたとお話をすると、男の子のお母さんからの相談として、この種の内容はとても多いのです。
その男の子のタイプとして、お母さんがたの話には共通点が見られます。

1.小学校入学以前は、「線の細い」おとなしい子どもであった
2.小学校入学以前は、自分から友だちをさそうことは少なく、受け身であった
3.家では、お母さんに甘えて、気が優しい
4.相手の子(=今回なら K君)のことは、噂で聞いて知った内容が多い
5.相手の子のペースにのせられて、悪い子になってしまわないか心配である

ということです。

ご相談者のお子さんは1年生ですが、4年生になっても6年生になっても同じような話を聞きますし、中学・高校でも同様のことがあるようです。

お父さんはどんなふうに言っておられますか? 
きっとお母さんの心配に比べて、あまりにそっけない態度なのではないでしょうか?
だとすれば、男の子にはよくあることであると考えておられるからだと思うのです。

これはひとつの「親離れ」の表れなのだと思うのです。それまではあまり自分の気持ちを表したりせず、おとなしくて言うことをよく聞く子どもだと思っていたのに、親の予想を超えた行動をしたので、びっくりなさったのでしょう。

例えばこれが、通学途中でとても困っているお年寄りを助けて全校朝会で校長先生から褒められたとしたら、一緒にいてリードしてくれたK君は、それまでおとなしかったこの子にとって「恩人」のような存在になったのでしょう。K君はそんな(良い)子ではありません! と言われるかもしれません。

けれど、考えてみてください。お子さんは、それまでどちらかというと泣かされるようなおとなしいタイプだったのに、なりゆきとはいえ、叱られるようなことをしたというのは行動力が出てきたということです。やったことはよくないけれど、以前のこの子とは、ちょっと違ってきたのです。そしてそうなるには、K君の存在という「刺激」があったのです。

K君の刺激に反応したというのは、その子の中にそうした要素があり、K君に惹かれる部分があるということです。だからうまが合うのです。うまが合う者同士で消しゴムを割ってしまうかもしれないし、たとえ話のようにお年寄りを助けるかもしれません。いずれにしても、その子たちの中にない要素のことは現れないのです。だから大人たちは、周囲にいるどの子も教えて育んでいかねばならないのだと思います。

ただ、このままでよいかというと話は違います。ここからは大人の分別を発揮しましょう。まずは、いつも言っていますが「情報収集」です。K君のことを知りましょう。一番良いのは家に呼んで、よく見てみることです。

噂のように乱暴なのかどうか、我が子との関係は対等なのかどうか、大人(この場合は相談者)に対する口のきき方は年齢相応かどうか、他人の家にいるというふるまいをしているかどうか……など、ご自分で見てください噂に振り回されてはいけません

もっとも、相手に悪い感情をもっていると「K君は、あいさつはとても大きな声でいいけど、なんだかわざとらしいし表裏があるんじゃないかしら」と、素直に見られないことがあります。ありのままを見るというのは、実はとてもむずかしいことなのです。

それに相手の子ばかり見るのも失礼な話で、ふり返って我が子はどうかということを考えるチャンスでもあります。よその家に行ってちゃんとあいさつできる子か、大人の人と受け答えできるのか……など、教えておく必要があります。

また、K君のことについてお子さんによく聞いてみましょう。「K君はどんなところがいいの?」「おもしろいの?」「ドッジボールが強いの?」「みんなで、どんな遊びをしてるの?」「いつもどんな話をしてるの?」などです。

そして反対に、「K君はどんなときに叱られるの?」「K君がいやだなって思ったことないの?」といったことについても、なんでも否定せずに聞いてみるのです。そのうえで、よくない行動だと思ったら、「そんなときはこうしたら?」とか「K君に、こんなふうに言おうよ」とアドバイスするのです。

お子さん自身が内面的にも成長して、K君の乱暴さが嫌だと感じるようになったら、自然と離れるはずです。

疑心悪鬼が一番よくありません

子どもたちを見ていると、担任が「友だちになってあげてね」と言って頼むと、数回は義理で遊んでくれても、気が合わなければあとは絶対に遊びません。

一方、あまりにトラブルが多くて、片方の保護者から「あの子と遊ばせないでください」と頼まれ、話し合いの機会を作って話して聞かせて双方納得させたつもりでも、気づいたらまた一緒…という経験は山ほどあります。

友だちは「作る」ものではなく、「できる」ものです。

友だちになるのは、お互い惹かれ合った部分があるからです。そう思って、お子さんの周りにいる子も育てる気持ちで見守られてはいかがでしょうか。

この記事の監修・執筆者

小学校教諭 舟山 由美子

ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。

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