4~5歳児にオススメ! 梅雨の時期にピッタリな絵本/【こそだてまっぷの絵本棚 6月号】

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梅雨まっただ中の6月。雨の日が続くと、じめじめと湿気が多く、空も薄曇りで、大人はなんとなく気分が晴れません。でも、子どもは、お散歩中に水たまりを見つけるだけでも大興奮! 雨の日でも、ワクワクすることを上手に見つけて楽しんでいます。 
今月は、そんな雨の日をさらに楽しくしてくれそうな、この時期にピッタリな絵本を年齢別に3回に分けて紹介します。
絵本のセレクトは、絵本講座主宰、JPIC読書アドバイザーの大久保徳久子さん。
今回は、4~5歳児にオススメの絵本です。

目次

4~5歳児にオススメ! 梅雨の時期の絵本

◆『あめふりの おおさわぎ』

作・絵/デイビッド・シャノン  訳/小川仁央  1,430円  評論社

<あらすじ>

土曜の朝、突然雨が降りだしました。ニワトリは鳴くし、犬はうるさく吠え、赤ちゃんも泣きだします。道は渋滞。タクシーの乗客が文句を言うので、運転手がクラクションを鳴らすと、トラック運転手も怒鳴り返す…。町全体に不機嫌が広がって、どうなるのかと思ったそのとき! 雨がパタリとやみました。「こんないい天気にけんかは似合わないね」そんな言葉を皮切りに、ご機嫌な町へと戻っていきます。

 

<オススメポイント!>

雨が降ると、空気は重くなり、気分もうつうつとしてきます。なんだか些細なことで、けんかをしたり怒鳴ったりしてしまうことも。そんな経験、誰しも心当たりがあるでしょう。その様子を描きながら、この絵本、ちっとも暗くないのです! ユーモアたっぷりに人の気持ちの変化を描くので、大人も思わず笑ってしまいます。じめじめの季節だからこそ、ユーモアのある絵本で、湿った気分を笑い飛ばしてしまいましょう。

◆『しずくのぼうけん』

作/マリア・テルリコフスカ 絵/ボフダン・ブテンコ 訳/うちだりさこ

990円 福音館書店

<あらすじ>

表紙の大きなしずくの絵が、目に飛び込んでくる、長く愛されている絵本です。村のおばさんのバケツから、ひとしずくが飛び出したことから、「しずくのぼうけん」が始まります。太陽に照らされ空に昇って雨雲になり、また地面に戻り川となり、そして、水道管を通って出てきた所は、洗濯機。冬になれば、つららに変身する姿も描かれます。

 

<オススメポイント!>

「水の循環」がテーマの、科学絵本と呼ばれる絵本のひとつです。実は同じテーマの絵本はたくさんあるのですが、こんなに力の抜けた楽しい本は珍しい! お話を読んでいるうちに、いつの間にか水のことが理解できてしまいます。もしかしたら、「水が見えなくなる」「つらら」など、お子さんにはまだピンとこないシーンもあるかもしれません。「これなに?」と聞いてきたら、身近な具体例でかんたんにお話ししてあげてください。

◆『かようびのよる』

作・絵/デヴィッド・ウィーズナー  訳/当麻ゆか  1,540円  徳間書店

<あらすじ>

火曜日の満月輝く夜8時。町はずれの水辺から、なにかが飛び立ちます。それは、なんとハスの葉に乗った、かえるの大群! ガマの穂をかきわけ、鳥たちを脅かしながら、住宅地へと飛んでいきます。町でかえるはやりたい放題。暖炉から家に侵入したり、庭の犬を追いかけ回したり…。ところが、夜明けが来ると、まるで魔法が解けたかのように、かえるは飛ぶ力を失ってしまうのです。

 

<オススメポイント!>

写真なのかと思うくらい写実的な絵。なのに、「かえるが空を飛ぶ」というありえない世界。そのギャップが本当におもしろくて、一度読んだら忘れられない絵本です。リアルに描かれたかえるたちが、笑ったり喜んだり、がっかりしたりびっくりしたり…。その表情を追うだけでも楽しめます。ほぼ文字のない絵本なので、絵の細部まで緻密に描かれた絵を隅々までよく見て、不思議な世界を親子で楽しんでください。

◆『にじ』

文/さくらいじゅんじ 絵/いせひでこ 990円 福音館書店

<あらすじ>

雨がやんで、犬の散歩にでかけたぼくとお母さんは、きれいな虹が出ていることに気がつきます。虹の色の数を数えていると、飛行機が通り、疑問が頭をよぎります。「飛行機から虹を見たら、どう見える?」。ぼくは気になります。次の日、公園の噴水でも虹が見られました。すると、お父さんが「虹はどんな所にできるのか」を教えてくれたのです。

 

<オススメポイント!>

虹を見つけると、なぜか心が弾みますね。この本に出てくる”ぼく”は、「虹をいつでも見たい」という気持ちから、科学的な疑問を膨らませていきます。虹が見られるタイミングや、太陽との位置関係などを、子どもにもわかりやすいように生活の中に落とし込み、絵と文で伝えています。大人も思わず「へえ~、そうなのか」と納得できる内容です。公園の噴水や、車の洗車など、すぐにマネできそうなヒントがあるので、本を読んだら親子で虹探しにでかけてみましょう。

7月の「こそだてまっぷの絵本棚」のセレクトは、「えほんのみせ ぱっきゃまらーど」

さんです。

お楽しみに!

この記事の監修・執筆者

絵本講座主宰・JPIC読書アドバイザー 大久保徳久子

出版社勤務など30年以上絵本の編集に携わる。現在は、「絵本の可能性を広げる」をモットーにオリジナルの絵本講座を開催。全国の赤ちゃん~小学生の保護者、保育士、図書館司書など、これまで1,500人以上に絵本の魅力と可能性を伝えている。
https://lit.link/ookubotokuko

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