【指導者監修】習い事のここが知りたい!〈体操編〉

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柔軟体操やマット・跳び箱・鉄棒などで体を動かして運動能力を養う「体操教室」は、小学生に人気の習い事の1つです。
『小学生白書』(学研教育総合研究所/2021年調査)でも、小学生がやっている習い事のランキング7位に入りました。

「体操教室で養える力」「教室を選ぶときのポイント」について、東京アスレティッククラブ(TAC)で指導員を務める相澤みすず先生にうかがいました。

東京アスレティッククラブ(TAC)は、子どもの運動能力向上を図るとともに、「脳の発達」「心の発達」を促進し、社会性を養うことを大事にしているスポーツクラブです。
相澤先生はキッズプログラムの体操教室を中心に、TACチャイルドクラブ(スポーツを中心とした幼稚園類似施設)でも指導をしています。

お話/相澤みすず先生[東京アスレティッククラブ(TAC)指導員] 文/こそだてまっぷ 編集部

目次

さまざまなスポーツの基礎となる運動能力を養う

一人ひとりの成長段階に合わせた運動を

体操教室ではどのような授業をしているのでしょうか。

体操教室では、お子さんの成長段階に合わせた運動を計画的に行い、運動能力の発達と筋力・柔軟性の向上を図ります。お子さんが楽しみながら体を動かす習慣を身につけ、体の基盤づくりができる授業を行っています。

乳幼児向けクラスでは、歩く・走る・跳ぶなどの基本運動をもとに、お子さんのやる気を大事にしながらマット・平均台・はしごなどを使って運動機能を高める運動をします。

3歳から年少向けのクラスでは、リズム体操やお尻歩きなどをしてから、マット・平均台・はしご・鉄棒などの運動器具を使って一人ひとりの発育レベルを見ます。そして、お友だちといっしょに、さまざまな運動器具で体を使った運動遊びをすることで、協調性や積極性などを養います。

年中から小学生向けのクラスでは、マット・跳び箱・鉄棒に加えて、ボール・縄跳び・運動遊びなどを取り入れたプログラムを行っています。

さまざまな運動を取り入れることで、体を動かすコツ、体の操り方、体の基盤づくりなど、総合的にお子さんの運動能力を高めます。

何歳から始めても、運動が苦手でもだいじょうぶ

「体操は、お子さんが何歳から始めても、運動が苦手でもだいじょうぶです。体の柔軟性が向上すると怪我をしにくくなるので、運動が苦手なお子さんこそ、体操教室を通して体を動かすことが好きになってほしいです。

体操教室で体の基盤づくりをして、思うように動けるようになれば、将来、体操競技だけではなく、野球やサッカー、バスケットボールなど、どんなスポーツをすることになってもスムーズに始められます。
体操を通じて体のバランスを取る力が鍛えられるので、よい姿勢が保てるようになるのもよい点です」

教室選びのポイントは、お子さんの「できた!」という気持ちを大切にしているかどうか

スモールステップを大事に

それでは、教室を選ぶとき、どんなところに気をつければよいのでしょうか。

お子さんの『できた!』という気持ちを大切に授業をしている教室がよいと思います。

私は、技がなかなかできないお子さんにも、『今日は笑顔で取り組める時間が増えたね』『この前よりリズムがよくなっているよ』など、少しずつできるようになったこと=スモールステップに着目して、ほめて伸ばす指導を心がけています。

誰かと比べるのではなく、お子さん一人ひとりが取り組む過程を大事にしてよいところを見つけ、前向きになれるような声がけをしています。

おうちのかたも、技ができたかどうかではなく、『お子さんが楽しく取り組めているか』ということに注目していただくと、お子さんの成長につながると思います

お子さんの自主性を大切にしましょう

お子さん一人ひとりの能力に合った内容で授業を行っているかどうかを確認しましょう。無理をさせないような授業のほうが、長く続けられます。

体験レッスンに参加すれば、周囲のお子さんが自主的に楽しんでいる様子が伝わると思います。
参加したお子さんが感じたことを大切にして、意見を尊重してあげましょう」

家族でトライ!いっしょに運動遊びをしてみましょう

意識して、体を動かす体験を

子どもが体を動かすことが好きになるよう、家庭でできることはあるのでしょうか。

外遊びの機会が減り、遊びの中で自然に自分の体を使う能力がつきにくいお子さんが増えている印象があります。転んだときにかばうための手が出なかったり、危ないと思ったときに瞬時に動けなかったりという場面も見られます。

お子さんが小さいうちは、意識していっしょに体を動かす遊びをするといいですね。
外遊びでは、追いかけっこやボール遊びなどを楽しんでみてはいかがでしょうか」

家の中でもできる運動遊び

走り回らなくても、家の中でいっしょにできる運動遊びもあります。

縄跳びにつながる運動として、タオルまわしがオススメです。用意するのはフェイスタオル(スポーツタオル、マフラータオルでもOK)のみ。おうちのかたがタオルの端を持ち、左右に大きく振ります。
しゃがんでタオルの位置を低くしたり、立ってタオルの位置を高くしたりして、変化をつけましょう。お子さんは、タオルに当たらないようにジャンプしたり、しゃがんでよけたりします。タオルに当たったら負けです。

おうちのかたといっしょに少しの時間、運動遊びをするだけでも、お子さんは楽しいと思います!

これから成長するお子さんに必要な体づくりができる体操教室。運動が苦手だというお子さんも、レベルにあった運動をすることで、楽しく取り組めそうですね。

この記事の監修・執筆者

東京アスレティッククラブ(TAC)指導員 相澤みすず

あいざわ みすず/東京アスレティッククラブ(TAC)指導員。

キッズプログラムの体操教室を中心に、TACチャイルドクラブ(スポーツを中心とした幼稚園類似施設)で指導を担当。
「子どもたちの笑顔と、『できた!』がいっぱいのレッスンづくりを心がけています」

東京アスレティッククラブ(TAC)
https://www.tac-sports.co.jp/

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