子どもができる時間管理!子どもに時間を意識させる伝え方

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「早く準備しないと遅刻するよ!」「いい加減片づけなさい」「いつになったら帰るの!?」
ついつい、お子さんに言ってしまっていませんか?
特に、小学校入学の時期が近づいてくると、そろそろ自分で時間を考えて行動してほしいと思うことでしょう。

子どもひとりでできるようになる、時間管理における大切な考え方と親にできることを、全国で「ことばキャンプ教室」を主宰する、高取しづかさんに伺いました。

お話を伺った人:高取しづか

目次

時間管理ができる子どもになるための大切な考え方

「子どもの時間は子どものもの」と認識することが大切!

子どもが時間を考えて行動するためには、まず、“子どもの時間はその子自身のもの”と、親が認識することから始まります。

つい心配のあまり、手や口を出し過ぎてしまっていませんか?

例えば、子どもの準備が遅く、幼稚園に遅刻したとします。それは、「親の問題」ではなく、「子どもの問題」なのです。

年齢に応じてのサポートはもちろん必要ですが、「お母さんがやってあげるのが間に合わなくてごめんね」ではなく、準備が間に合わなかった、子ども自身の問題なのです。

突き放すのではなく「あなたが困るから頑張ろう」と励ますスタンスでいたいものです。

子どもに時間を意識させるために

子どもが「自分の問題」だと自覚すると、 “どうしたら遅刻しないか”を、自分で考えるようになります。

あわせて、「幼稚園でたくさん遊べるように、準備を少しずつ早くできるようにしよう」などメリットを伝えることで、納得して準備を早くできるように、サポートをしてあげましょう。

子どもの時間管理力を磨く方法4ステップ

ステップ1 会話に時刻を取り入れて、時間を意識できるようにする

親子の日常会話に、時刻を入れてみてください。

「7時になったから起きようね」「3時だからおやつの時間だね」「チャイムが鳴ったから5時だよ」など、意識して取り入れることで、段々と時間を意識できるようになります。

また、デジタルではなく、針のあるアナログ時計を使って指し示したり、文字盤の部分にイラストやビニールテープなどの印を貼って伝えたりするのもよいです。

ステップ2 「○○の時間」と区切って行動することで、けじめのある生活に

時間は目に見えないものだから、つい、ダラダラしてしまいます。限りある時間を大切にするために、時間を意識を向けることが大切です。

“今は○○する時間”と、その時間の目的をことばにしてみましょう。区切りをつけることで、その時間に集中するように促します。

  • 「おやつの時間は楽しいね」と時間の目的を伝える。
  • 「ピアノの練習をがんばったら、一緒に絵本を読もうね」と、“がんばる時間と好きなことをする時間”のメリハリをつける

この「時間の区切り」が、けじめのある生活につながります。

ステップ3 やることを見える化した、やることリストを作る

“何時までに何をどのくらいするか”が見えれば、親も伝えやすく、子どもも何をすればよいのか、わかりやすくなります。

大きめの付箋や、マグネットシートなどにイラストや文字をかいて「やること」の列に貼っておき、終わったら「やったこと」移動するのがおすすめです。

例えば、朝起きてから登園までにやることなら

・着替える
・顔を洗う
・朝ごはんを食べる
・歯みがきをする
……
・帽子をかぶる

など、1つずつリストアップしていきます。

リストアップするときに大事なことは、子どもと一緒に行うこと。親が決めてしまうと、子どもは「やらされている」と感じます。

自分で考えて決めることで、やりたくなるのです。

また、見える化することで、「これを先にやろうかな」「あとこれだけやればいいんだな」と、子どもが考えて動くことができます。

親としても、子どもの考え方や、まだしていない行動を促しやすくなりますよ。

ステップ4 家のお手伝いで段取りのしかたを学ぶ

子どもたちがこれから経験するであろう試験や、長い時間を要する作業は、大きなものを細かく分解して考えることが必要です。

その“段取り力”を育てるのにうってつけなのが、家のお手伝いです。

家事は、作業の時間配分が勝負です。

料理の一品を一緒に作る、空になった食器を下げる、お風呂掃除をする、水やりをする、机を拭く…。

子どもが興味をもって「やってみたい!」と言った時に、お手伝いをしてもらい、毎週や毎日のお手伝いとして生活の一部になれば、時間を感覚として捉えることもできます。

時間管理を教えるコツは、親はあせらず子どもを急かさず!

子どもの気がすむまで好きなことをさせることも大切

時間を区切って生活することと同じくらい、子どもが好きなことを好きなだけする時間も保障したいものです。

親にも時間的な制約が多い場合は、「日曜日の午後は子どもの好きなことをする時間」など、毎日でなくてもよいので、存分に子どもが熱中することのできる時間を確保できると◎。

例えばそれは、工作、虫の観察、お絵描き、おままごとかもしれません。

十分に好きなことをできた子どもは、集中力がしっかりと身につき、満足感をたっぷりと得て成長していくのです。

すぐにできるようになるわけではないことを頭の片隅に置いて

今日やったからといって、明日、来週、すぐにできるようになるばかりではありません。

一度できたからといって、次から絶対にできるわけでもありません。後退してしまうこともあるでしょう。でも、あきらめないでくださいね。時間管理力は将来のために磨いていくものです。

少しずつ、少しずつ、段々と経験を積んで、子どもたちはできるようになっていきます。

親も「明日からは“早く”って言わない!」と心に誓っても、余裕のない時や、大人がやった方が早いことに思わず「早くしなさい!」と言ってしまうこともあるでしょう。

それでも構いません。

子どもと一緒に成長する気持ちで、親も一歩ずつ、できたときに「できたね」と喜び合う姿勢を、忘れずに取り組んでみましょう。

この記事の監修・執筆者

NPO法人 JAMネットワーク代表 高取 しづか

ことばキャンプ教室主宰。NPO法人 JAMネットワーク代表。二女の母。育児とともに子育て、消費者問題の記者として活躍。新聞・雑誌・本の執筆。幼稚園や小学校の保護者や指導者を対象に、全国で講演活動を行う。子どもの時間管理についての『時間のマネジメント』(合同出版)『ことば力のある子は必ず伸びる!』(青春出版)『子どもが本当に待っているお母さんのほめ言葉』(PHP)など、著書多数。
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