前回は、「右脳あそび」の取り組み方と「ステップ1」のあそびを紹介しました。
お子さんと一緒に楽しんでいただけたでしょうか?
今回は、「右脳あそび」の「ステップ2」のあそびを紹介します。順番にでも、お子さんの好きそうなものからでも、ぜひ、挑戦してみてくださいね。
監修/七田厚(株式会社しちだ・教育研究所 代表取締役社長)
【右脳あそび】ステップ2 自分で考える力をつける
これからの時代を生き抜いていく子どもたちに求められる能力は、直面している問題の本質をとらえる「思考力」と、その問題を解決へと導く「行動力」、自分で考え行動力を身につけることが求められています
子どもたちが、自ら考える力を身につけるための土台となるのが、「記憶力」「イメージする力」「推理力」です。ステップ2は、これらを身につけていくあそびを取り入れます。
記憶力
6歳までの右脳が優位な時期は、本人が覚えようとしているわけではないのに、無意識に覚えてしまう「右脳記憶」を育てることができます。無意識に覚えた情報は忘れることがなく、必要なときに取り出すことも可能です。
イメージする力
子どもが「こんな風にしたい!」「こうなりたい!」などと思ったとき、それを口に出すことがあります。そういったとき「ちょっと難しいね」などと否定せずに、「おもしろいね!」「やってみよう!」と肯定的に受け止めましょう。そうすることで、子どもはより鮮明にイメージしたり、やってみようという意欲がわいてきます。そういった体験を積み重ねていくことで、イメージする力(想像力)が育まれます。
推理力
迷路やパズル、ジェスチャーゲームなどで、「この先はどうなるのかな?」「これはどういうことだろう?」と考え、推理する力を育てていきます。
①フラッシュカードあそび
たとえば、国旗のカードを用意して、「今からいろんな国の旗を見ていくよ。どんな色やマークか、見てね」などと、見るカードのジャンルを伝えてから始めます。
カードは、1枚1秒を目安に、「フランス」「アメリカ」「イギリス」などと国名を言いながら素早くめくります。
カードの種類は、動物や植物、虫、野菜、乗り物、お菓子など、身の回りにあって子どもにとっても身近な物(名詞)がおススメです。
フラッシュカードの目的は、知識を覚えることではなく、右脳の力を開くことです。1枚1秒という高速のフラッシュに、低速脳の左脳は対応できず、超高速脳の右脳が働きだすのです。
好きなキャラクターのカードを1枚入れておくと、「いつ出てくるのかな」と、興味がかき立てられ、楽しさもアップします。
②トランプ
「神経衰弱」をします。トランプを裏返してバラバラに並べ、2枚選んでめくり、同じ数字だったらもらい、もう一度2枚選びます。数字が違っていたら、カードを元通り裏返して次の人の番になります。トランプの数と場所を記憶できるかがポイント。
トランプは、ハートとスペードだけなど、半分の枚数から始めましょう。
慣れてきたら、ババ抜きや七並べなどに挑戦しても。
③暗唱
俳句やことわざ、論語などを大人が読んで聞かせます。繰り返して聞かせているうちに、子どもが口ずさむようになったら、暗唱にチャレンジしましょう。
俳句やことわざ、論語などは、言葉にリズムがあって心地よく感じられます。耳からの記憶力が優れている幼児に適したあそびです。
言葉の意味については、理解させようとしなくてもだいじょうぶです。
「言ってごらん」などと、無理に促す方法はNG。子どもが自然と口ずさむようになることが大事です。
④ジェスチャーゲーム
「なにを食べているところでしょうか?」「どんなスポーツをしているのでしょうか?」などと、大人がジェスチャーをして子どもが当てます。食べ物やスポーツ、動物、乗り物など、ヒントとともに出題しましょう。
ただし、「ちゅるちゅる」「シャーシャー」のような、擬音語や擬態語のヒントはなしです。
子どもがうまく当てられるようになったら、今度は子どもがジェスチャーをして大人が当てます。大人と子どもでいっしょに、表現あそびを楽しみましょう。
⑤ピクチャーパズル
10~15ピースのパズルを使います。基本的に大人からの口出しはNG。子どもがピースを角から埋めても、真ん中から埋めても、子どものやりたいように任せます。
ただし、途中で手が止まって困っているようなら、「この3つのどれかをはめてみて」などと、正解を含むヒントをあげてもよいでしょう。
子ども向けのピースの少ないパズルから始めましょう。好きなキャラクターのものだとやる気が出ます。
最初は、残り1つのピースをはめるだけの状態でスタートするのもおすすめ。2ピースのパズルもあります。
「できた!」という達成感をいっしょに味わい、挑戦する意欲を育みましょう。
⑥迷路
迷路あそびをします。市販の本や教材のプリントなどを利用しましょう。
まずは「入り口」と「出口」がどこにあるのか見つけます。頭だけで考えるのではなく、実際に指を動かして道をたどり、出口を目指します。何度も指でたどり、「何回でもやり直していいよ」と声かけしながら、繰り返しましょう。
入り口と出口から数センチだけペンで線を引いておいて、その間だけを見つけて完成させる方法もあります。
迷路は、筆記具で線を引く練習にもなるので、鉛筆でなぞる際は、道の真ん中をなぞれるように促しましょう。
⑦間違い探し
間違い探しをします。市販の本や教材のプリントなどを利用しましょう。
年齢に合わせた難易度で、子どもの好きなジャンルやキャラクターのものだと楽しく取り組めます。
間違いが3個くらいのものから始め、「見つけたら教えてね」と言いながら、子どもの答えを待ちましょう。1つ見つけられたら「見つけられたね、すごいね」などとほめましょう。全部見つけられなくても、「もう1つは、このへんにあるよ」と、ヒントを出しながら進めると、集中を切らさずに取り組めます。
ステップ2のあそびに関しても、子どもの好きなあそびを繰り返してもいいですし、順番にあそんでもOKです。
リラックスして、子どもと楽しみながら取り組みましょう。
イラスト/わたいしおり
この記事の監修・執筆者
しちだ こう/「幼児の右脳教育」を広めた七田式の創始者、七田眞の次男。七田式の教室の運営や教材開発のほか、「たくさんの親御さんの子育てが楽になるように」という思いから、全国各地で講演を行い、子育てに悩む多くの親からの支持を集めている。
著書に、『七田式0~6歳の週末右脳あそび』(WAVE出版)、『忙しいママのための七田式「自分で学ぶ子」の育て方』(幻冬舎)など多数。
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