幼児期にこそ「非認知能力」を伸ばす~「遊び」と「親の関わり方」がキーポイント!~

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読み・書き・計算とは違い、数値では表せない力。それが「非認知能力」。

その力があるのとないのとでは、人生の楽しみ方が大きく違ってくると言ってもいいほどの、とても大切な力です。そして今、これからの社会を生き抜くために必要な力として、注目されています。

今回は、その「非認知能力」とはどんな力なのか、そして、「非認知能力を育むおすすめの遊び」について、関西国際大学の原坂先生にうかがいました。

お話:原坂 一郎
イラスト:常永 美弥

目次

よりよく生きることができる力、「非認知能力」

「読み・書き・計算」のように学校のテストなどで数値化して認知できる力のことを、認知能力と呼びます。これは、人が人として生きていく上では欠かせない力です。

一方で、数値化することができない、よりよく生きることができる力というものも存在します。それが「非認知能力」です。非認知能力にはさまざまな力があります。

例えば、

  • 《頑張る力》
  • 《我慢する力》
  • 《相手を思いやる力》
  • 《予想する力》
  • 《想像する力》
  • 《表現する力》…など

これらはすべて非認知能力です。

頭がよくて、読み書き計算の勉強がよくできても、学校や会社でうまくいかない人もいます。社会生活を送る上では、認知能力よりも、上にあげたような「非認知能力」の方が役に立つと言ってもいいかもしれません。この能力があるのとないのとでは、「生きやすさ」がずいぶん変わってくるのです。

「認知能力」をのばすトレーニングをするには、ある程度の知能発達・知識獲得能力が必要です。それに対して、「非認知能力」は2歳、3歳の幼児期から育てていくことができます。お子さんがよりよく生きられるように、小さいうちから「非認知能力」を開発するよう心がけましょう。

何気ない日常の中で「非認知能力」は育まれる

非認知能力は、普段の何気ない日常の中で育むことができます。

  • 朝起きて歯を磨く
  • 着替える
  • ご飯を食べる
  • 遊ぶ
  • テレビを見る
  • 散歩をする

など、日常生活のあらゆる活動の中で育てることができます。

例えば、

  • 歯ブラシ立てから自分の物を選ぶ⇒《見分ける力》
  • 散歩中、以前そこに猫がいたことを思い出し、立ち止まって探す⇒《記憶力》

など、非認知能力を養う機会は一日の中で無限にあるのです。

ただ、ひとつの活動を通していくつもの非認知能力が育つこともあれば、なにも育たないこともあります。その違いはどこから来るかと言えば…そのときの大人、特に親の関わり方とされています。

「非認知能力」を伸ばす親の関わり方 4つ

そう聞くと、がぜん気になりますよね。

子どもがなにかの行動をしたとき、親が次のような4つの関わりをすることで、子どもの非認知能力の獲得に大きな差が出てきます。

  1. 〈否定しない〉
  2. 〈認める〉
  3. 〈見守る〉
  4. 〈助言する〉

「否定しない」「認める」で、《自信》と《やる気》につながる

遊びにおいても生活習慣においても、子どもの行動に否定的な言葉をかけてしまうと、あらゆる非認知能力は育ちにくくなってしまいます。

例えば、一人で着替えようとしているときに、

×「早くしなさい!」

×「前と後ろが反対でしょ」

などと否定的な言葉ばかりかけてしまうと、《自信》も《やる気》も育ちにくくなります。

逆に、

◎「ズボンがはけたね」

◎「わあ!もう着替えられたの」

など、肯定的な言葉をかけていくと、《自分に自信をもつ》《やる気をもつ》などの非認知能力が育ちます。

普段から子どものことを「否定的な目」ではなく「肯定的な目」で見る習慣をつけると、そういう言葉が自然と出てきやすくなります。

「見守る」だけで《自信をもつ》

〈見守る〉というと、なにもしないのがいいように思うかもしれませんが、そうではありません。子どもは自分の行動が見守られる、つまり、見られていたのになにも言われなかったとき、その行動が「認められた」と思い、自分で考えて動くことに自信をもち、積極的に動く子どもになっていくのです。

例えば、ジュースが欲しくてひとりで冷蔵庫の扉を開けたとき、誰からもなにも言われなければ、子どもはそれを認められた行動とみなします。たったそれだけでも、その子どもは、「自分の望みを叶えたいときは自分から行動を起こす」、つまり《能動的に動く》という非認知能力を獲得するわけです。

逆に、もしもそこでなにか言ってしまえば、自分から動くことを怖がる「指示待ち人間」になるかもしれません。

子どもの行動は、ただ見守るだけでも、子どもに自信をつけることができるのです。

「助言する」と、《記憶する》《思い出す》

でも、黙って見守るというのは、ある意味もっとも難しいことかもしれませんね。もしも、なにか言いたくなったときは、「文句を言う」のではなく〈助言をする〉つもりで。

例えば、子どもが走って転んだときは、

×「だから言ったでしょ」

×「走るからでしょ!」

と言うのは文句になりますが、

◎「走らないようにしようね」

◎「ゆっくり歩こうね」

と言えば助言になります。すると、言われた内容に対して《記憶する》《思い出す》という非認知能力が働き、学習が行われ、次からはむやみに走ることが減ってくる、というわけです。

「非認知能力」を育むおすすめ遊び 4選

子どもは遊びを通してさまざまなことを学ぶといわれますが、非認知能力も大いに育っていきます。いろいろな非認知能力を育て、年齢に関係なく楽しめる遊びを4つご紹介しましょう。

①なくなったのは、なあに?

鉛筆・消しゴムなど、なんでもいいので、子どもの年齢の数だけ並べ、10秒間見せたあと目をつぶらせます。その間にひとつを隠し、なにがなくなったかを当てて遊びましょう。

ポイント

  • 2歳から楽しめ、《記憶力》や《思い出す力》が大いに育つ遊びです。

②口パククイズ

「♪チューリップ」「♪ぞうさん」など、誰でも知っている曲を口パクで歌い、それがなんの歌かを当てて遊びましょう。

ポイント

  • 口の動きから言葉を《予想する》、自分が記憶している歌から《探し出す》という非認知能力が育ちます。

③箱積みゲーム

ティッシュの箱、石鹸箱、お菓子の箱など、家にある箱を集め、どんどん積んでいくゲームです。どちらが高く積めたかを競います。

ポイント

  • どう積めば倒れないか《考える力》、これを積めば倒れそうと《予想する力》などの力がついていきます。

④破いた紙でなに作る?

新聞紙やチラシなどを縦方向に破り、細長い紙を10枚ほど作ります。その紙を束ねて耳のそばで振ってどんな音がするかを言葉で表現してみましょう。そのあと、その紙を並べ、形あるものを自由に作ってもらいましょう。

ポイント

  • 「パタパタ」「プルプル」など《表現力》に任せて、さまざまな“音の言葉”が出てきます。
  • 椅子、机、家、星、などいろいろな形ができあがり、《想像力》《創造力》《構成力》といった非認知能力が育ちます。

原坂先生からのメッセージ

今ご紹介した遊びも、「4つの親の関わり方」を意識しながら関わると、子どものさまざまな非認知能力が育ちます。

子どもの非認知能力を育てるか否かは、親や先生など、周りの大人の関わり方や言葉のかけ方が一番大きなポイントとなっていきます。

非認知能力は今日からでも伸ばしていくことができるので、子どもとは常に〈否定しない〉〈認める〉〈見守る〉〈助言する〉の4つの関わりを意識しながら、楽しく接してみましょう。

この記事の監修・執筆者

KANSAIこども研究所所長 原坂 一郎

神戸市に於ける23年間に渡る保育所勤務を経て、こどもコンサルタントとなり、「子どものことならなんでもおまかせ!」をモットーに全国で事業を展開。現在、KANSAIこども研究所所長、日本笑い学会理事、関西国際大学教育学部講師。

HP
http://harasaka.com/

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