CEFRとは、外国語を学ぶ人の言語能力レベルを測る国際基準のこと。セファールと読みます。
英語教育の場で耳にすることが多いCEFRですが、英語だけではなく、母語以外の外国語が対象です。
今回は、CEFRについてわかりやすく紹介します。
CEFR(セファール)って何?
基準は6段階
CEFRは「Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)」の略語です。「学習している言語を使って何ができるか」を測る国際的な基準で、6段階あります。
初歩レベルからA(基礎段階の言語使用者)、B(自立した言語使用者)、C(熟練した言語使用者)のレベル群があり、さらに各レベル群が2つに分けられ、A1、A2、B1、B2、C1、C2の順で言語能力レベルが上がります。
例えば、学習者が「英語はCEFRのC2、フランス語はA1です」と言った場合、英語は母語と同じように使いこなせる熟練者で、フランス語は初心者だということがわかります。
どうして基準がつくられたの?
CEFRは2001年にヨーロッパの統合に取り組む国際機関である欧州評議会が発表しました。
1993年にEU(欧州連合)が発足したことにより、EU域内で人や物の行き来が自由化されたことで、言語を介したコミュニケーションが重要視されるようになりました。そこで、EU加盟国では母語以外の言語の習得が課題となり、「その言語を使って何ができるか」を測るために、共通した国際的な基準が必要になったのです。CEFRは英語や日本語など、38言語で参照枠が提供されています(2024年現在)。
日本でも活用されるCEFR
学習指導要領による英語学習の参考にも
CEFRという基準ができたことで、言語や国を超えて、言語能力レベルを比較することができるようになりました。客観的に能力を測れて、実用的な基準として認められているCEFRは、日本版が発表された2004年から、日本でもさまざまな教育機関で使われるようになったのです。
文部科学省による学習指導要領(小学校は2020年度から、中学校は2021年度から全面実施、高校は2022年度から年次進行で実施)でも、新たな外国語教育として、「何ができるようになるか」という観点からCEFRを参考にして目標を設定しました。小・中・高等学校を通じて、5つの領域(聞くこと・読むこと・話すこと[やり取り・発表]・書くこと)それぞれに目標が定められています。
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CEFRのレベルはどのように認められる?
CEFRのレベルは、CEFRの試験を受けて認定されるものではありません。日本では英語の能力レベルを判定するために、「英検(実用英語技能検定)」「TOEFL」「TOEIC」などが多く用いられますが、教育現場では広く知られている「英検」も、国際的な基準としては用いられません。そこで、文部科学省は各資格・検定試験とCEFRとの対照表を作成しました。
例えば、英検の3級を取得すれば、CEFRのA1レベルに対応します。各資格・検定試験の結果によって、CEFRのレベルが認定される仕組みです。
国際基準であるCEFRに沿った英語学習に取り組むことは、学習指導要領が定めた英語の能力を習得することにつながります。また、英語の各資格・検定試験の結果やCEFRのレベルに応じて加点するなど、入試で利用できる中学・高校・大学も増えています。
そして、国際的に通用する英語力を伸ばすためにも、CEFRの6段階の共通参照レベルを英語学習の目安にするとよいでしょう。
この記事の監修・執筆者
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