小学校6年間を通して一番授業時間が多い教科といえば、国語。すべての教科を学ぶうえでの基礎となるものです。そんな国語ですが、低学年のうちから漢字や文章読解、作文など、苦手な内容ができてしまうお子さんが少なくないようです。なぜ苦手意識をもってしまうのか、家庭でできる対策としては何があるのか、花まるグループの進学塾部門・スクールFCの柿花尚吾先生にうかがいました。
文/こそだてまっぷ編集部
各学年でのつまずきポイントと、家庭でのサポート
国語の力は、大きく分けると「受け取る力」と「発信する力」です。中でも、土台と言われる部分は「受け取る力」です。 算数や理科、社会など他の教科でも教科書を読む時間はありますが、そのときに教科書の内容を正しく読み取れるかどうかはとても重要。特に算数の文章題では、文を見たときにたし算のイメージを持てるか、かけ算のイメージを持てるか。読んだときにその文章が言っていることを適切に理解する、「読んで受け取る」力が大事になってきます。
小学校の低学年でのつまずきの原因の大半は、この「受け取る力の不足」です。 では、どうやって「受け取る力」を育て、国語の力を身につけられるでしょうか。小学校低学年の国語でつまずきやすい部分を、学年ごとに見ていきましょう。
1年生の国語
「書く」ことが苦手→口頭で質問し、答えを引き出してから書かせる
1年生の国語でよく聞かれるのは「書くのが苦手」ということ。「うちの子、作文が書けないけど大丈夫?」などと不安に思われる保護者のかたも少なくないようです。しかし、そもそも6、7歳という年齢ではすらすら書けなくて当然です。ただし、低学年のうちから苦手意識をもってほしくはないですよね。
書くことが苦手な理由としてはいくつかに分類できますが、それが何かによって、対応は変わってきます。
「書くのが苦手」の理由の1つ目には、「書くために必要な知識や語彙が足りない」ということが挙げられます。
また、2つ目には、自分が思ったことをそのまま発していいのか、これで合っているのか「自信がもてない」ということがあります。
文章が書けていないことが気になる場合は、まずは保護者のかたが質問して、口頭ベースでお子さんが答えられるかどうか、というところから始めるのがよいでしょう。
例えば、「将来の夢」についての作文を書くときに、なかなか手が動かない子は結構多いですが、口頭で質問すると意外と答えられたりします。
「何になりたいの?」「お花屋さんかな」「お花屋さんね。じゃあ、どんなお花屋さんがいい?」というような感じで聞いていき、その答えに、「いいじゃない、そのまま書いちゃいなよ」と、書く内容に関して会話で引き出してから書かせるというのが効果的です。
「質問しても答えられない」のは、「書けない」とはまた別の話です。経験値が少ないために、そのテーマに関して意見がない、考えたことがない、という場合も少なくありません。
そんなときは、「何かあるでしょう」などと無理に引き出そうとせず、関連する別のテーマに変えてみてもいいでしょう。詰問してしまうと、「書きたくない」「面倒だ」という意識が強くなってしまう可能性もあります。
「読んでも答えられない」→口頭での確認が有効
文章読解の問題で、「読めても答えがわからない」という子も少なくありません。
例えば、「このときはどんな気持ちだったのか」という問題があったときに、まずは口頭で聞いてみます。
「書けない」と「書かない」はまた別の問題で、指導していて感じるのは、「書かない」子が意外と多いということ。「書く」ことは、子どもなりにある程度のプレッシャーを感じるものなのです。
口で言ったことはすぐ訂正がきくけれども、書いたものは残ってしまいます。「答えは頭でわかっているけれど、書かない」という子は、実は6年生になっても結構多いのです。
まずは口頭で聞いてみて、「それで合っているよ、書いていいんだよ」と太鼓判を押してあげれば書けたりもするので、それを積み重ねることが大事です。書くことに対して自信をもたせてあげましょう。
「書いた文章が目の前にでき上がることは、何もこわいことじゃない」と理解させることが、重要だと思います。
話すのが苦手→大人が言い換える、感情をつけ足す
1年生の国語の学習では、「話す」ことも重要です。自分の経験を話すことの不得手さは、「なんと言えばいいかわからない」という、語彙の不足が関係していることが多いです。
語彙は、日常生活の中で勝手に育つものではありますが、「触れていないものは吸収できない」という側面もあります。
話をしてはいるけれど、表現がいつも同じだったり、「楽しかった」「いやだった」などの感情の言葉が少なかったりで、会話が続かないこともあるでしょう。
語彙が少ない子には、話を聞くときに「大人が言い換えてあげる」いうのが最も効果的です。
例えば、「今日こんなことがあったんだよ」と言ってきたら、「そう、そんな楽しいことがあったんだね」「それでわくわくしたんだね」のように、大人側が説明の言葉や感情をつけ足して会話を続けるというのがおすすめです。
他には、アニメや動画などを一緒に見ているときに、「この主人公はつらそうだね」とか「ここまで来たら達成感がありそうだね」とか、見たものの内容に感情をつけ足してちょっと解説する、という方法もあります。
辞書を引いて意味を調べるのも素晴らしいことですし大事なステップではありますが、この時期の子どもは文脈から勝手に意味を吸収していくもの。
「意味はわからないが聞いたことはある」「どんなシーンで使うかがわかる」「プラスの意味なのかマイナスの意味なのか、くらいはわかる」ということも、 語彙の獲得には重要です。日常的に大人が子どもと同じものを見てさらっと言葉にするだけでも、表現力を育てるのに有効だと思います。
「音読ができない子」→ゲーム感覚で気分よく音読させる
1年生では音読の宿題が多く出ますが、これが苦手な子、「なんかイヤだ」という子も少なくありません。
「音読が苦手」には、いくつかのパターンがあります。
まず、そもそも「目で文字をテンポよく追っていけない」というもの。
さらに、「言葉のまとまりをうまく認識できない」というもの。
大人だったら自然な文節で区切って読めるところが、なぜかひとかたまりになってしまったり、「どうしてそこで?」というところで区切ってしまったり。
それから、発語がそもそもおぼつかないというパターンもあります。
どこに問題があるかによってどんな対応を取るかは変わってきますが、指導というよりは、「いかに子どもに気分よく音読させてあげられるか」が大事です。
3つ方法がありますが、1つ目が「追い読み」と呼ばれる方法。
これは学校でもやっているもので、先生が声に出して読んで、子どもが続けて読むという方法です 。ご家庭では「ここからここまで読んでね。お母さん聞いているからね」という形になりがちですが、保護者のかたが最初に読んで、その後に子どもが読むことにすると、少しハードルが下がります。
音読が嫌いな子は「追い読み」もいやがることが多いので、そういう場合にはゲーム感覚でやっていくのがよいでしょう。
それが、2つ目の「音読ラリー」です。
やり方は、親子で交互に読んでいって、「何回連続で成功できるかな?」と「協力型のゲーム」にしてしまうもの。間違えたときも、「あ~」くらいの柔らかさで進めることが重要です。「ここってこうなんだね」「じゃあ交代してやってみよう」という感じで楽しく続けることが効果的です。これによって音読嫌いを乗り越えたお子さんも多いです。
ただ、この音読ラリーすらイヤという子には、無理にやらせずに音読と同じ効果を与えることができる方法があります。それが3つ目の、「音読間違い探し」です。
まず、保護者のかたが読みますが、あえて「間違えて」読みます。子どもには教科書を見てもらいながら、「お母さんがどこを間違えたか見つけてね」と伝えます。そうすると、子どもは、耳で聞きながら目で追いかけていくので、声には出していませんが、普通に音読する場合の3分の2くらいの作業をやっていることになります。耳で聞いて間違いに気づくのは、目で正確に追えているということ。あとは発声するだけなので、ほぼ音読の効果を得ることができるのです。
子どもは大人の間違いが大好きですから、「ここ間違いだよ」と、鬼の首を取ったかのように喜びます。そのタイミングを逃さずに、「じゃあここを読んでみて」「どうやって読めばよかったのか教えて」と言って、読ませることができたら、そのまま音読につなげることができるでしょう。音読への導入になる方法です。
このように、音読を苦手にさせないためには、保護者のかたが、その時間を一緒に楽しめるかどうかが鍵となってくるでしょう。
2年生の国語
「漢字が覚えられない」→「字形を覚える」「部首や熟語から意味を推察する」
2年生になると、漢字でつまずく子も出てきます。1年生で学習する漢字は全部で80字。それほど画数の多いものもなく、学校の宿題でも1文字ずつということが多いですが、2年生で学習する漢字は160字と、一気に2倍に。複雑な字形や同じ読み方の漢字が増え、漢字問題での間違いも増えてきます。漢字に関しては、覚えられない字が出てきたときの対処法が大事になります。
漢字が苦手な理由は2つに分けられます。
1つ目が、「字形を覚えていない」というパターン。
そしてもう1つは、「字形は覚えているものの、言葉になったときに違う漢字をもってきてしまう」というパターン。例えば「絵画」→「会画」「海画」などのように、同じ音で意味の違う漢字を書いてしまう、というものです。
この2つは、同じ「漢字ができない」でも分けて考えていく必要があります。
1つ目の「字形を覚えていない」に関しては、頭の中で書き順通りに「絵かき歌」のように唱えながら書いていくことが有効です。
例えば「絵」という漢字ならば、「『糸へん』に『会う』のが『絵』」と覚えてもいいですし、擬音を使うなど、何かしら覚えやすい方法を探してみましょう。お子さんが思いつかなければ、おうちの方が「『糸へん』にやねかいて、二かいてムだね」などと声をかけてあげてもよいでしょう。
2つ目の「どの漢字を使えばいいかわからない」という問題は、2年生にありがちな問題です。同じ読みの漢字が増えて、ミスも増えてくる学年なのです。
そういったときには、やはり漢字の意味を一緒に考えてあげることが重要だと思います。
大人なら、漢字には意味があることがわかるので、「絵画」であれば、「絵画というのが絵のことを指すからこの漢字を使うのだな」という推論が当たり前にできます。国語が得意な子や漢字を覚えるのが早い子には、それが自然にできている子もいます。覚えるのが苦手な子に対しては、「漢字には意味がある」ということを教えてあげる必要があるのです。
漢字の意味は、「『海』という字は『さんずい』が入っているから水に関係する漢字だ」と部首から察して覚える方法があります。ただし、「さんずい」や「木へん」など、「この部首があるから、こんな意味だろうな」と察しがつきやすい漢字はいいのですが、部首だけでは推察できないものもあります。
2年生では「しんにょう(『遠』『近』など)」のように、意味がわからないものも出てきます。
そういう場合には、熟語ベースで判断していくのがよいでしょう。
熟語をいくつか覚えて、その熟語で漢字の意味を推察していく方法ですが、例えば「活」という漢字は「活動」の「活」であり、「生活」の「活」でもあります。「この『活』は、何かが動くとか生きるとか、そういう感じの意味かな」というように、「活」の意味をふんわりと覚えることができれば熟語で覚えていっても間違いがなくなっていきます。
お子さんと一緒に熟語を見ながら、「これってこういうときに使う言葉の漢字なんだよ」「こういう熟語にもこの漢字が使われているよ」と教えてあげるとよいでしょう。
また、学校の漢字ドリルにも、熟語の用例がいくつか紹介されています。そういうところにまで注目している子は多くないので、一緒に見て「こういう言葉でも使われているね」と読んであげるだけでもよいのです。ちょっとしたことですが、そうした細かい部分を活用することにも取り組んでみましょう。
順序立てて説明するのが苦手→大人が質問して整理し、言語化する。
2年生の国語では、「自由に書く」だけでなく、「伝えたいことを落とさずに文章にする」「順序立てて説明する」といった内容が出てきますが、これらは関連性が高いものです。
そして、低学年では保護者のかたのサポートが必要な部分でもあります。
子どもが伝えたいこととは、基本的には「感情」です。
「こんなことがあって、やばかった、楽しかった」というふうに子どもが感情を伝えることがありますが、実はこの「感情」と「文章」は相性が悪いもの。大人でも、興奮したときにSNSで「語彙力を失う」と表現したり、怒っているときの発言が理路整然としていなかったり、ということがあります。
「今日あったことを伝えたい!」と興奮している状況のときは、論理的な思考は弱まるとされています。感情を順序立てて説明するのは、難しい作業なのです。
そうしたときには、やはり大人のサポートが必要だと思います。
子どもが「今日ね、○○くんがこんなことをして、やばかったんだよ」と言ったときに、「○○くんはどうしてそういうことをしたの?」と理由を聞いてみます。そこまでに至った過程や理由を質問してみて、その説明を聞いたら「そのときってこういう気持ちだったんだね」と感情をつけ足してあげましょう。
「子どもが自分の力で考えないといけない」と自主性に委ねたい保護者のかたの気持ちは理解できますが、この時期に自分の力だけで作文を書ける子はごく少数です。書けない子にとっては相当ハードルが高いので、少しずつ書けるようになるための「階段」を作ってあげる必要があります。
例えば、好きな食べ物についての作文であれば、「カレーが好き」→「カレーのどんなところが好きなの?」→「においが好き」→「どうして他のメニューよりカレーが好きなの?」などと理由を聞いてあげましょう。
大人であれば何か説明をするときに当たり前につけ足す感覚が子どもにはまだないので、つけ足したらよさそうな内容を質問して、シンプルに深掘りしていくのがおすすめです。
「もっとちゃんと説明しなさい」などとつい言ってしまうと子どもの士気も下がるので、保護者のかたが「興味があるから聞いているよ」という雰囲気を出せると、より効果的です。
子どもがつたない言葉で説明していると、「何を言っているかわからない」とシャッターを閉じてしまう保護者のかたもいらっしゃいますが、「今はまだできなくてもいい」と少し楽に考えていただきたいですね。
3年生の国語
読解問題が苦手→追体験を通じて正しい解き方を学ぶ
3年生になると苦手な子が増えてくる「読解問題」において一番重要なことは何かというと、「なんとなくで解かないこと」です。
子ども自身が「本文に根拠がある」ということを理解していることが大事なので、本文から根拠を探そうとしているのであれば、基本的なところでは大丈夫です。
保護者のかたが「うちの子、読解問題が苦手かも」と思うのは学校のテストが返ってきたときだと思いますが、そのときに重要なことは「問題を解く『追体験』をさせてあげる」ことです。実は学習塾の国語の指導でやっているのも、「問題を解く『追体験』をさせる」ことなのです。
「この問題は本文のここに書いてあるから、これが正解になる」という「正しい解き方の流れ」を先生が説明して、子どもたちが「なるほど、そう解けばよかったのか」ということを反復して学んでいくやり方、この形が国語の授業と呼ばれるものです。
可能であれば、ご家庭でもやっていただくとよいでしょう。
まず、子どもに「このテストを見直してみよう」と言ってみます(一番ハードルが高いかもしれないですが)。そして、どうやって答えたか、やわらかく聞いてあげます。
間違った答えのときも、「そう思ったんだね」と1回受け止めてあげて、「でも見て、ここに、『○○をされて悲しかった』って 書いてあるよ。答えはどれだと思う?」と聞いてみます。正解できたら、「本文に根拠があるから、これが正解」という体験をさせたことになります。これをくり返すと、少しずつうまく解けるようになっていきます。いかに子どもをその気にさせて一緒にやるか、ということが重要です。
宿題やテストで「間違っているものを見るのがイヤ」という子も多いと思います。算数などはなぜ間違っているかがわりと明快ですし、子どもも答えに納得感がありますが、国語の場合は「なんでこれじゃないの?」という疑問が出てくることも少なくないでしょう。
国語の読解問題というのは、「正解の基準を自分から他者に預ける」もの。物語文の登場人物の気持ちの問題であれば、「自分の気持ちではなくて、その人の気持ちを聞かれている」ということ。低年齢では、どうしても自分主体で考えてしまいがちで、それが読解問題においてネックになってくるのです。
物語文の読解問題が苦手というのは特に男の子によくあるのですが、「自分がどう思うかではなくて、本文になんて書いてあるか」だということを低学年のうちから伝えていくことが大切です。
「他者の視点で考える」「客観的に考える」というところは高学年になってから精神的な成長によってぐっと伸びる部分ですから、低学年の時期に読解ができないことはそこまで心配しなくてよいでしょう。
読書の習慣づけには、ジャンルにこだわらず、イベント性をもたせること
国語の力に関してよく言われるのが、「読書の習慣がついている子は国語ができる」ということ。読書によって育つ力は、やはり大きいです。
読むものはなんでもいいのです。ジャンルを気にされるかたもいらっしゃいますが、本当になんでもいいのです。この、「なんでもいい」の中には「ノンフィクションという選択肢も入る」とお伝えしたいです。
今、ノンフィクションには結構おもしろいものがたくさんあるので、生物に関しての本でも構いませんし、宇宙や恐竜、歴史に関してでもいいのです。何か好きなもの、好きなジャンルを1つ見つけて、「これなら読める」というものをぜひ作っていただきたいです。
ただ、「そもそも好きなジャンルが何なのかわからない」ということもあるでしょう。おすすめは「図書館に一緒に行って、お互いに読む本を交換する」こと。保護者のかたが「読んでほしいな」と思う本がありますよね。でも、それを「お母さんが読んでほしいから読んで」と言っても、押しつけになってしまいます。
お互いにやる、ということで、「お母さんにおすすめしたい1冊」を何でもいいからもってきてもらうことにします。
「この本は読んだことないけど、お母さんに読ませてみたい」でもいいですし、「自分の好きな本を読んでほしい」でもいいのです。「お母さんも読んでほしい本を持ってくるから、お互いに交換しよう」と言うと、結構ノリノリで持ってきますし、お子さん自身もお母さんから渡されたものをちゃんと読むのです。
読書を全くしないという子にとっては、楽しいイベントを作ってしまうのもよい方法です。
また、同じ本を一緒に読むという方法もあります。「お母さんと一緒ならいいよ」と読んでくれるなら、1冊は買って、1冊は図書館で借りるなどしてみるとよいでしょう。同じ本を同時に読むとなると、一生懸命読んでくれますし、「このとき主人公はどんなふうに思ったんだろうね」などと、読んだ内容に関しての感想を話し合うこともできるので、読解力も鍛えられて一石二鳥です。
このように、本というものに興味のベクトルが向くようにするのがおすすめです。
国語が好きになる方法
国語のおもしろさはいろいろありますが、一番は「読解ができること」ではないでしょうか。高学年になってくれば「読解っておもしろいな」と気づけたりしますが、低学年ではまだそのおもしろさに気づいていないことが多いものです。
他には、自分の言いたいことをいろいろな形で表現できること。それを味わってほしいです。国語が好きになる方法として、まずは「国語嫌いにさせないこと」がとても重要になります。
まだ低学年だからこそ国語を嫌いにさせないために、いろいろな言葉を覚えていく中で保護者のかたと会話することがとても大切です。
一緒にアニメを見ていて「これ、わくわくするよね」などとこれまでと違う表現ができたときに、多少間違っていても「その言葉使えるんだ、すごいね」とまずはほめます。
子どもに、「いろんな言葉を使うとほめられるぞ」という経験をさせていくのです。もちろん、間違っているときは修正しないといけないのですが、修正が先にはならないようにしていただきたいです。「よく使えたね、すごいね。でも、このときの気持ちはこっちの方がいいと思うよ」という感じで、言葉を発したことはほめつつ、修正もしていく。
子どもの語彙力も、国語力も、「明日になったら急に改善される」というものではなくて、本当に長い時間をかけて育っていくものです。逆に言うと、今すぐ成果を求めなくてよいですし、あせる必要もありません。今回お伝えしたことを、ちょっとずつ、楽な気持ちで保護者のかたにもやってみていただきたいです。
この記事の監修・執筆者
花まる学習会の進学塾部門、スクールFCの小学部国語科教科長を務める。「わかりやすくて面白い、国語が好きになる!」と生徒から絶大な人気を誇り、彼に習うために県を跨いで通う生徒もいるほど。最難関中学・高校の合格実績多数。スクールFC公式サイト:https://www.schoolfc.jp/
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