【佐藤ママ流】中学受験にも役立つ!「読み聞かせ」のすごい力 “小学校低~高学年向け” おすすめ本5選も PR

更新日: 公開日:

【佐藤ママ流】中学受験にも役立つ!「読み聞かせ」のすごい力 “小学校低~高学年向け” おすすめ本5選も

お子さん4人を育て、全員を東大理三に合格させた“佐藤ママ”こと佐藤亮子さん。
いくつかの著書の中で、読み聞かせの重要性を繰りかえし説かれています。
絵本はもちろん、中学受験のテキストも読み聞かせていたという佐藤さんに、読み聞かせの効果や、今日から実践できる具体的な「読み聞かせメソッド」まで、たっぷり語っていただきました。

文/加藤恵 撮影/横田公人

目次

ポイントは「ウケねらい」。読み聞かせの極意とは?

――まずは読み聞かせを始めたころのことを教えてください。

長男が生まれたばかりのころ、よく泣いていて。その姿を見ながら、“まだ言葉を知らないから、「お腹がすいた」「暑い」みたいなことを伝えられないんだな”と思ったんです。それで思いついたのが、読み聞かせです。言葉を話せなくても、耳から言葉を入れてあげることはできるなと思いました。いつか話せるようになるまでに、きれいな言葉をたくさん頭の中に入れておいてあげたい。そう考えて、3歳までに絵本1万冊、童謡1万曲を目標に、読み聞かせを始めました

最初は3歳までと思っていたんですけれど、長男が小学1年生のとき、一番下の娘が生まれて。それで娘に読み聞かせをしていると、長男も次男も三男も集まってきて、みんな一緒に聞くようになりました。

――読み聞かせをする際に、気をつけていたポイントはありますか。

まずひとつ目は、ウケをねらうことです。「ここ、こわいぞ」というときはじわーっと声を出したりとか、読み方に抑揚をつけて、いろいろな声色を使ったりとか。そうすると印象に残るし、理解しやすいんです。保護者の方には、子どもたちの反応をよく見ながら読むことを意識していただくとよいと思います。 もうひとつのポイントは、途中で子どもたちから質問されたら、きちんと答えてあげること。子どもたちって、読み聞かせの途中で「それどういう意味?」なんて聞いてくることがあります。経験も少ないので、意味がとれなかったりするんですね。それには「〇〇ってことだよ」と教えてあげつつ、親子でコミュニケーションを取りながら読み聞かせをしていました。

効果は無限大! 読み聞かせで得られる力とは

――コミュニケーションツールとしても読み聞かせを活用されていたというお話、とても興味深いですね。では実際に読み聞かせをすることで、どんな効果があるのでしょうか。

まずお互いにコミュニケーションをとりながら読み聞かせをすることで、お話の内容を深く理解できます。子どもが自分で読んでいると、わかったような気になって、本当は理解できていない、なんてことがあります。でも読み聞かせではそうなることはありません。読み飛ばすこともありませんしね。

また、きちんとした言葉が身につくと思います。生活の中で親から話しかけて伝えられる言葉には、限りがあるんです。「お風呂に入りなさい」「もう寝る?」のような日常的な会話だけでは、昔からあるようなきれいな言葉や言い回しは、なかなか身につきませんよね。童話や童謡からでしか身につかない言葉を、ぜひ読み聞かせで身につけてほしいですね。

絵本だけではない!読み聞かせは中学受験にも効果あり!

――お話の深い理解につながりつつ、語彙も増えるなんて、読み聞かせはいいことづくめですね。

本当にそう思います。それに、読み聞かせをすることで、お話の世界を疑似体験できることも重要だと思っています。子どもは疑似体験できた分だけ成長して、精神年齢を上げることができます。これは中学受験にも有効なんです。塾のテキストに載っている小説って、その年齢の子が読むには少し難しい内容が多いんです。精神的な成熟度が高くないと理解できない内容だったり、設問だったりがけっこうあるんですよ。

また受験というつながりでいうと、記述問題にも効果があると思います。5、6年生だと、国語の記述ができないというお悩みをけっこう聞くんですね。漢字なんかはできるけど、記述ができないと。小さなころから読み聞かせをしていると、基本的な家族のコミュニケーションの量が多くなって、よく話す子になるんですよ。よく話す子は、自分の意見を頭で組み立てて、相手に伝わるようにしゃべることができるようになる。そうすれば、それがそのまま記述の回答に役立つんです。

――中学受験においても読み聞かせは有効とのことですが、中学受験に向けて、どのような読み聞かせをしていましたか?

子どもたちが小学5、6年生くらいになると、中学受験に向けて国語のテキストを読み聞かせていました。そのときは、こちらからは内容について説明しすぎないようにしていました。説明が多すぎると逆にわからなくなるし、うるさいと思われるので(笑)。ほどよく理解を助ける程度にしないといけないんです。

また、読解力というのは、いかに文章を頭の中で映像化できるかの勝負なんです。頭の中で2Dを3Dにする。それは小さいころから練習しないとできないことなので、子どもが絵のついている本を読んでいるうちに、保護者の方も映像化しやすい読み方の練習をされるといいと思います。そうすることで、絵のついていない塾のテキストを読んでも、子どもにとって映像化しやすい読み方ができるんです。

――読み聞かせはいつまで続けてよいものなのでしょうか。

ずっと親が読んであげていると、子どもが自分で読まなくなるんじゃないか? と思われるかもしれませんが、そんなことはなかったです。最初は自分で読むのが面倒でも、親に読んでもらって「おもしろいじゃん!」と思ったら、次は自分で読んでみようという気持ちになるものなのかもしれませんね。

うちの三男は、小学6年生のとき、「もう読んでくれなくていい」と言いだしました。「ママが楽しそうに読んでいるから今まで言えなかったけど、自分で読んだほうが早い」って(笑)。子どもはいずれ大人になるので、「もういいよ」って言われるまで読んであげたらいいと思います。

魔法の言葉は「おもしろいね」

――コミュニケーションのベースを築くことができる佐藤さん流の読み聞かせ、とても奥が深かったです。

「子どもは親の背中を見て育つ」「親子は以心伝心」なんて言われますけど、根っこにあるのは、言葉だと思います。言葉がないと人間関係を築くことは難しい。だからこそ、読み聞かせってすごく大事なんです。 くわえて、コミュニケーションがとれて、よく話す子が育つ家庭環境のためには、親御さんには、聞き上手になることをおすすめします。子どもって、けっこうしょうもないことを聞いてくるじゃないですか(笑)。そのときに“しょうもないな”っていう顔をしたら、二度と聞いてこなくなります。ですから、私はそういうときのために、セリフをひとつ決めておいたんです。それは「おもしろいね」です(笑)。どんなに忙しく余裕がなくても、“しょうもないな”と思っても、とりあえず第一声はそれを言おうって。これを言うと、子どもがワーッといろんなことをしゃべってくる。おたがい傷つきませんし、前に進める言葉なんですよ。

【佐藤ママおすすめ!】読み聞かせにぴったりの読み物『よみとく10分』シリーズ5選

累計刷部数700万部を超え、中学受験や模試でも多数採用されいているGakkenの人気シリーズ『よみとく10分』から、佐藤ママおすすめの5冊をピックアップしていただきました。

*より詳しく解説した記事も合わせてご覧ください▼
佐藤ママが厳選!『よみとく 10 分』おすすめの5冊と効果的な使い方 

【10分で読めるこわい話 1年生】

こわい話はすごく盛りあがりますよね。ぜひ声色を作って、おどろおどろしく読んでほしいですね。ページをめくるときも、ジワーッとめくったり、逆にパッとめくったり。うちの子たちは、それですごくこわがってくれました(笑)。ぜひこれで「ウケねらい」の読み聞かせに挑戦してほしいです。

【はじめて読む がいこくの物語 1年生】

日本のお話ばかり読んでいると知識がかたよるので、外国の文化や歴史がわかる本も取り入れてほしいですね。洋服や食べ物の違いがあったり、登場人物の名前が耳慣れないカタカナだったりして、異文化にふれるきっかけになるでしょう。特に食べ物は子どもが興味を持ちやすいです。

【10分で読めるわらい話 1年生】

子どもたちに辛いことがあったときは、笑える話を読んであげたいですね。昔話に出てくる笑い話って、とんちが利いていたり、大人の偽善を暴くものだったりして、よくできていますよね。有名な作品は、いずれ古文の授業などでも習うので、教養としても読んでおいてほしいですね。

【なぜ? どうして? かがくのぎもん1年生】

中学受験では、評論文や論説文も出てきますが、小説ばかり読んでいた子は、拒絶反応を示すこともあります。この本は、論説文に慣れながら、科学的な知識も身につくのでおすすめです。このシリーズが模試に採用されているのを見たこともあるので、慣れるためにも読んでおけるといいですね。

【なぜ? どうして? みぢかなぎもん 2年生】

こちらも論説文に慣れるのにおすすめです。掲載されている道路標識や信号の種類も、テストで出題されたりするので、知識として知っておきたい内容も掲載されています。自分で考える力を育てる“探求型学習”だって、知識がなかったらできないので、まずは本で知識を得ることは重要です。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 佐藤 亮子

大分県生まれ。大学卒業後、英語教師を務める。4人の子どもが全員東大理三に合格したことで、子育て方針が話題に。著書に『頭のいい子に育てる 3歳までに絶対やるべき幼児教育』(東洋経済新報社)『三男一女東大理Ⅲ合格! 佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール 42』(朝日新聞出版)ほか。浜学園アドバイザー。朝日新聞受験アドバイザー。

ブログ
https://ameblo.jp/ryokosato-todai/

YouTube

佐藤亮子のニッコリ教育サロン
https://satoryoko-salon.jp/

こそだてまっぷ

こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪

あわせて読みたい

こそだてまっぷ

こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪

関連記事

この記事の監修・執筆者の記事