「本を読むよさのひとつに、気分が切り替わることがあります」と話してくださったのは、幼稚園・小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生です。
横山先生に、「楽しく読めて気分がよくなる本」を紹介してもらいました。読書感想文を書くための本としてもおすすめです!
おもしろいと感じる本と、たくさん出会おう
笑うと清々しさが味わえます
「本を読むと、さまざまな世界や人物の気持ちに触れることができます。
今回おすすめするのは、読むとつい笑ってしまう愉快な本です。笑える本のよいところは、読むと心がリフレッシュできるところ。
お子さんの様子を見て、少し疲れているかな、元気がないなと感じたら、笑える本をいっしょに読んだり、勧めてみたりしませんか? きっと気持ちが切り替わって、清々しさを感じられるでしょう。
それから、おもしろいものって、人に教えたくなりますよね。『この本、笑えるから読んでみて!』と人に勧めるなど、コミュニケーションツールとしても役立ちます」
笑える本で、読書感想文を書くなら?
自分が笑った場面を手がかりに
「読書感想文というと、悲しい話や感動する話のほうが書きやすいという印象があるかもしれません。でも、笑える話でこそ書ける読書感想文もあります。
たとえば、笑いにはさまざまな種類がありますね。大笑い、クスリと笑える、思い出しても笑えるなど、自分が読んだ話はどの笑いに当てはまるかを考え、自分が好きな笑いはどんなものかを考えるのもよいでしょう。
また、自分が笑った場面をピックアップして、作者の意図を考えてみましょう。作者が読者を笑わせるために、どのように話を展開したかを考えると、おもしろい話の作り方が見えてきます」
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小学1年生・2年生にオススメの笑える話4冊
勘違いから生まれる行動が笑いを誘う
「おにぎりが大好きなオニのお話です。
オニたちが、やさしい気持ちで人間においしいおにぎりを食べてもらおうとするけれど、人間たちは逃げ惑うばかり。どうして怖がられてしまうのか、オニたちが勘違いして起こす行動が笑いを誘います。
だじゃれのおもしろさを知り、ことば遊びにも興味が湧きます。オニや人間の表情が豊かなので、そこも笑えるでしょう」
思いがけない展開に発想力が刺激される
「髪の毛を切るのも、お風呂に入るのも大嫌いなこんもりくんの頭は、いつしかもじゃもじゃの髪の毛がこんもりとそびえ立つ大きなかたまりに。
もじゃもじゃ頭の中には、思いがけない世界が広がり、転んだこんもりくんは、その不思議な世界に入り込んでしまいます。
シュールで意外性に富んだ物語に、ページをめくる手が止まりません! 発想力が刺激されます」
主人公の変化に思わずクスリと笑ってしまう
「立派な傘を大切にしているおじさんは、傘を大事にするあまり、濡らすのが嫌で、雨が降ってもさそうとしません。おじさんが傘を広げるきっかけとなったのは、子どもたちの歌でした。さて、どんな歌でしょう? ぜひ読んで確かめてみてください。
ことばのリズムを楽しみながら、おじさんの変わりように思わずクスリと笑ってしまうでしょう。笑いにもさまざまな種類があることに気づきます」
たくさん笑って元気になれる笑い話集
「10分ほどで読める日本のとんち話や落語、外国の笑い話などが、1年生、2年生それぞれに12作品紹介されています。
読書が好きなお子さんはもちろん、苦手意識があるお子さんにも読みやすく、いっぱい笑って元気になれるシリーズです。1作品読み終わるたびに達成感が得られるので、読書の習慣をつけるためにもおすすめです」
今回は、楽しく読めて気分がよくなる本を紹介しました。ぜひ手に取って、親子で笑って楽しんでくださいね。
この記事の監修・執筆者
富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。
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