幼稚園・保育園の年少にあたる3歳・4歳ごろになると、理解できる語い数が急激に増加し、日常生活でのことばのやり取りもふえてきます。
また、感情が豊かになり、身近な人の感情を察し、少しずつ自分の気持ちを抑えたり、我慢したりする様子も見られます。
このような年齢のお子さんにはどのような本を選んであげるとよいか、選び方のポイントに触れながらご紹介していきます。
文/こそだてまっぷ編集部
年少(3歳・4歳)の心身の発達について
年少(3歳・4歳)になると、個人差はあるものの運動能力の発達に伴い、食事・排泄・衣類の着脱など、基本的な生活習慣がある程度一人でできるようになる傾向が見られます。そのため、子どもの心の中には「なんでも自分でできる」という気持ちが芽生え、保護者や先生など大人の手助けを拒むことも多くなります。
身体的な発達の特徴
全身のバランスを取る能力が発達し、片足で跳んだりスキップをしたり、巧みな動きもできるようになってきます。さまざまな遊具や遊びに挑戦し、運動量も増してきます。また、手先が器用になり、ひもを通したり結んだり、はさみを扱うことも少しずつできるようになってきます。
精神的な発達の特徴
自我が発達するにつれ、自分についての認識を持つとともに、家族やお友だち、先生などとの関係についてもわかり始めます。周囲への関心が高まり、「なぜ?」「どうして?」 といった質問を盛んにするようになります。
年少(3歳・4歳)に適した本の選び方
年少(3歳・4歳)になると、かんたんなストーリーがわかり始めます。絵本に登場する人物や動物と自分を同化させたり、現実に体験したことと重ね合わせて考えたりと、お話からどんどん想像を膨らませていきます。そして、自分なりに物語をつくったり、世界の不思議さやおもしろさを味わったりしながら、遊びを発展させていきます。
このような時期には、ストーリーがわかりやすく、お子さんの創造力がさらに膨らむようなお話や、知的好奇心を満たしてくれる絵本などを選んであげるとよいでしょう。
年少(3歳・4歳)にオススメの本11選
ちょっと不思議なファンタジー、ドキドキワクワクする冒険のお話、いっしょに声を出して読みたくなる本、食べ物や乗り物などお子さんが大好きなものが出てくる本、「なぜ?」を解決してくれる本など、年少(3歳・4歳)にオススメの本11選をご紹介します。
おひげのポンといじわるガハハ
『おひげのポンといじわるガハハ』は、不器用だけどいつも全力で助けてくれる、おひげがトレードマークの犬、ポンちゃんのお話です。
簡潔な文章の中に、キャラクターたちの豊かな表情とさりげない仕草が生き生きと描かれていて、小さなお子さんでもわかりやすいユーモア、勇気と笑いが詰まった癒し絵本です。
すもうのずかん
『すもうのずかん』は、日本の国技である「相撲」の基本が子どもでもわかる、はじめての相撲図鑑です。
日本相撲協会の取材協力のもと、正しく、わかりやすい相撲の情報をたっぷり掲載しつつ、ポップなイラストとシンプルな文章で、相撲になじみのないお子さんでも親しみやすい一冊です。
よくみると…さらに!
『よくみると…さらに!』は、SNSでも大人気のイラストレーター、shimizu氏による、新感覚の発想絵本シリーズの第3弾です。
「サンドイッチだと思ったら2ひきのねこ!」など、よく見ると違う絵になるしかけになっており、「よく見る」前に、「なんだろう?」と親子でいっしょに想像して楽しめます。
おばけだじょ
『おばけだじょ』は、大人気ユニットtupera tupera(ツペラツペラ)が描く、まるで影絵のような不思議な絵本です。
まっくろなからだ、ぎょろっとした目に、ぎざぎざの歯の生き物が、「たべちゃうじょ! 」と襲ってきます。
どうなっていくのかワクワクする、少し怖いけど気になるなど、お子さんの反応が楽しめる一冊です。
たんぽぽのちいさいたねこちゃん
『たんぽぽのちいさいたねこちゃん』は、小さくて弱くて自分に自信がない、たんぽぽの綿毛の子、たねこちゃんのお話です。
旅先で出会った苔じいちゃんや苔の子どもたちから、あるお願いをされますが、たねこちゃんは、自信がありません。「きみならできる! きみはすごい子」と言われ…。泣いて、笑って、心が暖かくなる一冊です。
くらべるえほん たべもの
『くらべるえほん たべもの』は、似ている食べ物をくらべて、違いを発見する絵本です。写真のように緻密に描かれた絵をじっくりと観察して、親子で気づいた点を話し合って楽しむことができます。
文字も少なく、正解も一つではないため、幼稚園年少(3歳・4歳)のお子さんにぴったりの、考える力を育む絵本です。
ランディーときいろのトラック
『ランディーときいろのトラック』は、JR北海道のIC乗車券「キタカ」のキャラクターなどを手がける、北海道在住の人気作家・そらが描く絵本です。
ランディーは、雨の日も、風の日も、街で暮らすみんなのために、いろいろな荷物を運んでくれる、しろくまのトラック運転手。でも、ランディーが運んでいるのは、たんなる「モノ」ではなくて…。やさしい絵と穏やかなストーリーに、心が温まる一冊です。
ふゆってどんなところなの?
『ふゆってどんなところなの?』は、「ピヨピヨ」シリーズや「ペンギンきょうだい」シリーズなどで人気の絵本作家、工藤ノリコさん作の絵本です。
年少(3歳・4歳)ごろになると、季節により自然や人間の生活に変化があるということに気づくようになりますが、まだ完全には理解していません。くまの兄弟がはじめて見る「冬」は、「どんなところなんだろう?」と、ワクワクしながらお話の世界に入っていくことができるでしょう。
もりのホテル
『もりのホテル』は、『ぎょうれつのできるパンやさん』で人気の、ふくざわゆみこさんの、すてきな森の世界の絵本です。
あらいぐま一家の「もりのホテル」は人気のホテル。花がいっぱいで食事もおいしく、お客さまにぴったりの部屋へ案内してくれます。今日もお客さまを迎えていると鳥のコーラス隊が20羽も到着! みんなが泊まれる部屋はあるかな?
見返しに森の地図が載っています。どこに誰が住んでいるか、親子でいっしょに探してみてくださいね。
みーみとひーひ
『みーみとひーひ』は、今も昔も変わらない日常のお話を、昔懐かしい昭和な世界観で描く絵本です。
お姉ちゃんにかまってほしい妹と、一人で本を読みたいお姉ちゃん。妹はお姉ちゃんに遊んでほしくて、あの手この手を使います。絵本のストーリーを歌にした、「メリーさんのひつじ」の替え歌が楽譜つきで掲載されているので、親子で歌えば、よりお話を楽しめます。
れおくんとちいさいいもうと
『れおくんとちいさいいもうと』は、妹や弟がいるお子さんにオススメの絵本です。
妹や弟が生まれると、上の子は寂しい思いをしたり、遊びをじゃまされて嫌な思いをしたりすることもあります。幼い妹との距離感を、自分なりのやり方でつかんでいくれおくんの姿は、同じ境遇のお子さんならきっと共感できるでしょう。
【年少(3歳・4歳)】学びが深まるオススメの本・ワーク5選
年少(3歳・4歳)になると、言葉による表現が豊かになり、不完全ながらも箸を使 って食べようとしたり、排泄や衣服の着脱などを自分からしようとしたりします。
手先も器用になり、ひもを通したり結んだり、はさみも扱えるようになります。
このような時期に、お子さんが「やってみたい!」と思えるような本をご紹介します。
モンテッソーリ はじめての シールブック
『モンテッソーリ はじめての シールブック』は、おうちで楽しくモンテッソーリ教育に取り組むことができる本です。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所の全面監修で、モンテッソーリ教育に最初に触れるファーストブックとして最適です。シールを重ねたり並べたりしてはったり、色をぬったり、お子さんの興味や関心に沿って無限に遊びを広げることができます。
ディズニーたのしいこうさく(3・4・5歳)
『ディズニーたのしいこうさく(3・4・5歳)』は、ミッキー、ミニーやアナと雪の女王などのディズニーの人気キャラクターといっしょに、はさみやのりで楽しく工作できる本です。
紙飛行機、輪投げ、小物入れなど、すぐに作れる工作が32種類もそろっています。お子さんが一人で挑戦するほか、親子でいっしょに作って楽しむこともできます。
まじょのかいてけしてまたかいて おばけのくにへ
『まじょのかいてけしてまたかいて おばけのくにへ』は、自由に遊んで色彩感覚、創造力を豊かに育む、はじめてのぬりえ、らくがきの本です。
はみだしてぬっても、ちょっとしかぬらなくても、自分が気に入ればOKです。何度も書いて消せるので、いろいろな遊び方が楽しめます。
こども知能パズルプラス きりがみワーク 3~4歳やさしい 有名小の「図形問題」に挑戦!
『きりがみワーク 3~4歳やさしい』は、有名小学校入試の「図形問題」にパズル感覚で楽しく挑戦できるワークブックです。
有名小の図形問題と切り紙がセットになった構成で、空間認識能力がアップします。また、入試の模擬テストもついていて、受験をするお子さんはもちろん、受験を考えていないお子さんでも、力試しにぴったりです。
「やってみたら楽しい!」が、学びの意欲へつながっていきます。
3歳 ちえ
『3歳 ちえ』は、パズル問題や、生活の知識・常識問題などが入った知育ワークです。
工作や絵さがし、色の認識の問題や表現遊びなど、バラエティに富んだ問題で、お子さんの知的能力・知的好奇心を育てます。手先が器用になり、さまざまなことに挑戦したくなる年少(3歳・4歳)のお子さんにオススメの一冊です。
「読書が好きな子」になるための保護者のサポート
年少(3歳・4歳)のお子さんが本を好きになるには、読書の時間を「楽しい」と思うことが大切です。寝る前の時間を「お話の時間」にするなど、毎日の読書が習慣になると、子どもはその時間を心待ちにするようになります。
この時期の子どもは、絵本に登場する人物や動物と自分を同化させて考えるため、保護者も登場人物になりきって演じてみたり、実際に体験したことと結び付けてお話をしてあげましょう。子どもは、想像をさらに膨らませ、どんどん物語の中に入り込んでいきます。
また、親子でお話の感想を言い合ったり、お話の続きを考えてみたり、保護者は「読書を好きにさせよう」と考えるのではなく、保護者自身もお子さんと過ごす「お話の時間」を楽しむことが大切です。
まとめ
年少(3歳・4歳)では、文字を読み書きできるお子さんはまだ少数です。この時期の子どもは、絵を見て、保護者の声を聞いて、想像しながらお話をどんどん膨らませていきます。
また、知的好奇心も高く、「なぜ?」「どうして?」と考えることが多く、絵本を通してさまざまなことを学んだり、多くのことばを知り、表現がより豊かになっていきます。
やがて文字を学び、自立して一人で本を読む日が訪れます。そのときまで、親子の特別な読書時間を楽しめるといいですね。
年少(3歳・4歳)のお子さんの本選びは「学研出版サイト」で
今回ご紹介した本以外にも、まだまだすてきな本はたくさんあります。「学研出版サイト」では、対象年齢別や、ジャンル別での検索が可能です。お子さんが興味を示す本を見つけてくださいね。
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