【秋の夜長に読みたい】シリーズ本で読解力が高まる![専門家監修]

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秋の夜長にはシリーズ本を楽しんでみませんか?
「シリーズ本のよいところは、おもしろさが保証されているところです。

次から次へと読みたくなるようなお気に入りのシリーズが見つかれば、お子さんはきっと読書が好きになりますよ!」と話してくれたのは、幼稚園・小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生です。

シリーズ本を読むことで育まれる力のほか、一人で本を読む機会が増える小学校低学年のお子さんにオススメのシリーズ本を教えてもらいました。

文/こそだてまっぷ編集部

目次

「夢中になれるシリーズ本」を見つけよう!

気軽に心を預けられる場所に

シリーズ本には大きくわけて2種類あります。

ひとつは、おなじみの登場人物たちが、けんかしたり、仲直りしたり、冒険に行ったり、事件に挑んだりするシリーズ本です。

物語が続いているので、まるでその仲間の一員になった気持ちで読めますよね。「このシリーズ本を読めば、あの登場人物に会える」という気持ちは、お子さんの安心感にもつながるでしょう。

もうひとつは、世界の童話シリーズや日本の昔話シリーズなど、名作といわれる作品がシリーズで収録されているものです。

シリーズを通して読めば、世界の国々の文化や背景を知る下地ができ、物語の展開のパターンを読み解く力がつくなど、学習にも役立つ力が身につきますよ。

次の作品が楽しみになり、読書の習慣がつく!

シリーズ本に夢中になると、「続きを読みたい!」「もっとたくさん読みたい!」という意欲が湧きますよね。最初にシリーズをすべてそろえてもよいのですが、1冊ずつ手に入れるという経験もしてほしいものです。

1冊読み終わったら書店に買いに行く、図書館に借りに行くという楽しい習慣が身につけば、本がそばにある環境が当たり前になります。

書店や図書館で、新たなシリーズ本との出会いもあるかもしれません。
新刊の発売日を調べて心待ちにするほど、好きなシリーズを見つけられるとよいですね。

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いっしょに読んで同じ世界で遊ぼう!

本には書き手・作り手がいます

大学でお子さんへの読み聞かせの方法を指導する際には、学生に、必ず作者や画家、写真家、監修者の名前も読み上げるように話しています。大人が考えるよりも、しっかり書き手・作り手の名前を覚えているお子さんは多いものです。

書き手・作り手を意識するようになると、同じ書き手・作り手の別の作品にも興味が湧くなど、読書の幅が広がります。

シリーズ本は特にお子さんの書き手・作り手への思いが強くなりますから、小学校低学年のうちは、おうちのかたが意識して、別の作品や関連作品を紹介してみてください。そのような経験の積み重ねで、お子さんは自分で本を探せるようになります。

引用したり例えたりして、語彙を増やそう

お子さんが夢中になるシリーズ本を見つけたら、おうちのかたもぜひ読んでみましょう。「どこがおもしろかった?」「あの場面はハラハラしたね」「何巻がいちばん好き?」なんて会話が広がりますよ。

本の中で印象的だった言葉や表現を日常会話に引用し、たとえ話に使うと、お子さんの語彙として定着し、自分なりの表現として活用できるようになります。
語彙や表現方法が豊富に身についているお子さんは、自分の気持ちを書いたり、人に伝えたりするのが得意になるでしょう。

お子さんの心に響く3つのシリーズ

『マジック・ツリーハウス』シリーズ

KADOKAWA メアリー・ポープ・オズボーン/著  甘子 彩菜/絵   食野 雅子/訳

ジャックとアニーの兄妹が、森の木の上にある不思議な小屋から、あらゆる時代、場所へタイムスリップしながら冒険を繰り広げるシリーズです。最新刊は49巻『マジック・ツリーハウス 49 世界を変えたキャンプ』です(2021年9月発売)。

地理や歴史の知識も増えるので、学校の授業などで取り上げられたときに、「それ、知ってる!」という喜びも味わえます。

『名作よんでよんで』シリーズ

学研プラス 西本鶏介ほか/文 コダイラヒロミほか/絵

『名作よんでよんで』シリーズは読み聞かせの本でもありますが、小学校低学年のお子さんが自分で読むのにもオススメのシリーズです。こちらは『名作よんでよんで イソップどうわ25話』です。内容は1話完結。文章が短いので、お子さんが自分で読みきる喜びが得られます。

読書経験を積んだお子さんには、『10歳までに読みたい世界名作』『10歳までに読みたい日本名作』シリーズ(学研プラス)はいかがでしょうか。将来、さまざまな本に挑戦する土台となる力がつくはずです。

『かいけつゾロリ』シリーズ

ポプラ社 原ゆたか/作・絵

キツネのゾロリとイノシシのふたご、イシシ・ノシシの大冒険の物語です。わるいことをたくらんだり、いたずらをしかけたりしても、いつも失敗してしまうゾロリたちに、大笑いし、時にはホロリとしながら、次から次へと文字を追っていく楽しさが得られます。本を読むのが苦手というお子さんにこそ、ぜひ読んでもらいたいシリーズです。

毎回登場する作者のコメントもおもしろく、書き手・作り手に親しむ体験もできます。
最新刊は71巻『かいけつゾロリ にんじゃおばけあらわる!』です(2022年7月発売)。

秋の夜長、夢中になって読めるシリーズ本との出会いがあるとよいですね。

この記事の監修・執筆者

千葉経済大学短期大学部こども学科 教授 横山 洋子

富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。

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