【秋の読書で知的好奇心を高めよう】自然と行事を学ぶ5冊[専門家監修]

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秋といえば、芸術の秋、行楽の秋、スポーツの秋など、さまざまな言葉と結びつきますね。中でもお子さんといっしょに身近に楽しめる秋といえば、“読書の秋”ではないでしょうか。

紅葉や稲刈り、お月見など、秋の自然や行事に、読書を通じて触れてみませんか?

幼稚園・小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生に、秋の本の楽しみ方と、オススメの本を教えていただきました。

目次

秋の自然を心ゆくまで味わって

植物の一生を感じよう

秋の読書でお子さんに感じてほしいのは、「植物も生きている」ということです。
紅葉・黄葉で葉の色が変化したり、稲穂や果実が実ったりする秋は、植物の変化を知るのによい季節です。

葉の色の変化など、お子さんが実際に見たことを、絵本や図鑑を通してより詳しく知れば、知的好奇心が刺激されますよね。また、日本人が伝統的に感じてきた、植物の秋の変化や収穫をいとおしむ感性も育まれるでしょう。

“ごはん”はどこからやってくる?

住んでいる地域によっては、稲穂が実る水田を見たことがないお子さんもいるでしょう。毎日のように食べているごはんが、イネという植物の実だと知ったら驚くかもしれません。

絵本や図鑑で、田んぼで太陽の光をいっぱい浴び、たくさんの手間をかけられて育ったという背景を知れば、ごはんがもっとおいしく感じられるようになりますし、もったいないという気持ちも育つでしょう。

秋の自然を感じられる3冊をご紹介します。

『葉っぱのフレディ−いのちの旅−』

童話屋 レオ・バスカーリア/作 みらい なな/訳 島田光雄/絵

紅葉のしくみがわかり、また、まったく同じ葉っぱはひとつとしてないことを感じます。季節が巡り、命が巡り、そして受け継がれていくことが伝わる一冊です。

読書とあわせて、身近にある木の葉の色の変化を継続して観察することをオススメします。

『おこめができた!』

ひさかたチャイルド 岩間史朗/写真 中川孝俊/監修

春から始まる米作りを写真で綴るドキュメンタリーの絵本です。表紙の女の子のお父さんが米作りをする様子が、段階的にわかりやすく紹介されています。

田んぼを見たことがないお子さんに、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

『どんぐりノート』

文化出版局 いわさゆうこ 大滝玲子/作

お子さんにとって、遊びや工作の素材としてもどんぐりは身近ですよね。

どんぐりの種類だけでなく、どんぐりができる木の種類ごとの実や葉の違いや、木にまつわる不思議も紹介されている本です。外に持っていき実物と見比べてみましょう。どんぐりから出てくる白い虫の正体もわかりますよ!

行事の意味を知ろう

中秋の名月を見上げて

秋の行事で楽しんでほしい“お月見”。日本には「中秋の名月を愛でる」という文化が伝統的にあります。

昔の人も満月を美しいと感じて、お供えものをして眺めたことを思い描きながら、夜空を見上げてみましょう。そして、「ずっと昔の人が眺めた月も、今、見上げている月も、同じ月なんだよ」と伝えてください。

大人にとっては当たり前のことでも、お子さんにとっては昔と今の時間がつながっていることを感じるきっかけになることも。どんなお供えものをするのか、地域による違いなどを調べると、より興味が増すかもしれません。

こちらもチェック→[十五夜]を子どもにどう伝える? 【専門家監修】

防災について家族で話そう

9月1日の“防災の日”には、園行事・学校行事などで避難訓練が行われることも多いでしょう。家庭でも、防災について真剣に考える機会にしたいものです。

地震や台風、豪雨など、災害は身近なところでいつ起きてもおかしくありません。お子さんの年齢に応じた防災の知識を深め、受け身ではなく、能動的に命を守ることが求められます。

秋の行事を知るための2冊をご紹介します。

『月のふしぎ』

マイルスタッフ いしがきわたる/絵 おおぬまたかし/監修

月の色が違って見えるひみつ、月の満ち欠けのしくみなど、月についてのさまざまなことがわかりやすく紹介されている科学絵本です。表紙の月は一見写真のようですが、緻密なイラストです。

月に興味をもつことは、宇宙への関心を高める第一歩になるかもしれません。

『一生つかえる! おまもりルールえほん ぼうさい』

Gakken the rocket gold star/絵 山村武彦/監修

さまざまな自然災害を想定し、防災とは何かを知り、命を守るための35個のルールが紹介されています。

災害を恐れているだけでは自分を守ることはできません。家族みんなで読んで、いざというときに備えましょう。

親子で読書の秋を満喫してくださいね!

この記事の監修・執筆者

千葉経済大学短期大学部こども学科 教授 横山 洋子

富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。

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