【図鑑をどう読む?どう使う?】図鑑はたくさんの知識が詰まった宝箱|木村 由莉さん(古生物学者) PR

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【図鑑をどう読む?どう使う?】図鑑はたくさんの知識が詰まった宝箱|木村 由莉さん(古生物学者)

大人気の本格図鑑「学研の図鑑LIVE」シリーズは、2022年「学研の図鑑LIVE 新版」としてリニューアルしました。2023年6月には、新たに学研の図鑑LIVE 新版『魚』『鉄道』『星と星座』の3冊が発売となりました。
発売を記念して、科学技術や研究の最先端で活躍されている方々に、子どもの頃にどんな図鑑を読んでいたか、その経験が今にどうつながっているかをインタビュー! 今回お話をきいたのは、古生物学者の木村由莉さんです。

目次

国立科学博物館の古生物研究者として、小型哺乳類の研究に取り組みながら、恐竜をはじめとした古生物の展示も企画する木村由莉さん。子どものころから大の恐竜好きで、お気に入りの恐竜図鑑をすみからすみまでくり返し読み込んだそうです。ご自身の図鑑活用法や、図鑑を「知識の宝箱」にして博物館を楽しむ方法などをお聞きしました。

恐竜が大好きで、ボロボロになるまで図鑑を読み込む

何歳くらいから恐竜が好きだったのかはっきりとは覚えていませんが、小学校低学年の頃には家にお気に入りの恐竜図鑑があって、ボロボロになってしまうほど何度もくり返し読んでいました。今の恐竜図鑑にはCGなどで作成した恐竜の復元画がたくさん載っていますが、昔の図鑑は化石の写真がメイン。化石発掘の背景やクリーニング方法などたくさんの情報がぎゅっと詰まった宝箱のような存在で、図鑑のある本棚は私の知識の秘密基地でした。

忘れられないのが7歳の時に行った恐竜展です。ティラノサウルスの全身骨格や実物大模型などが話題の展示会でしたが、何より印象的だったのが入り口でもらった「一億年前の石」という小さな石のかけら。一億年も前のものが、今を生きる私の手の中に同時に存在していることが本当に不思議で……その時に感じた古い時代への感動が今の研究活動にもつながっています。

好きなことで「挫折」しないために、全力でやりきった

恐竜が好きで研究者を志しましたが、その道にはいろいろな困難がありました。まず、恐竜を研究する大学に進学するには苦手な数学を頑張る必要がありました。大学に入ると、今度は恐竜研究者を志望する多くの優秀な同級生を前に、恐竜の研究に進むべきか迷いました。

大学3年生の時にじっくりと考えた末、私は「恐竜」ではなくても、化石発掘や自ら新しい発見をする「研究」をしてみたいという結論に至りました。ちょうど、知り合いの先生の研究室で小型哺乳類の化石を見せてもらう機会があり、時代によって刻々と形状が変化する歯の化石のおもしろさに魅せられて、研究対象を小型哺乳類にしました。

恐竜の研究者になる夢はかないませんでしたが、その夢に全力で挑戦し、やりきったからこそ、「新たなスタート地点に立つ」ことを楽しめたのだと思います。後悔がないくらい頑張ったからこそ、今も恐竜のことが大好きですし、博物館で恐竜の展示を企画する現在の仕事にもワクワクしながら取り組むことができています。

図鑑、博物館、新聞などを組み合わせる

今も昔も図鑑が大好きな私ですが、博物館には図鑑は持たずに来てほしいと思っています。だって、博物館には化石標本などの展示物がたくさんあるのに、うつむいて図鑑を見ていてはもったいない! 立体の展示物には平面の図鑑にはない情報がいっぱいです。化石や模型の大きさや色、形など、ぜひいろんな角度からじっくり展示物を見て、自分なりの「ここがおもしろい!」と感じるポイントを見つけてください。そして家に帰ってから図鑑を開くと、単なる数字だった大きさが実感できたり、動く様子がイメージできたりと、今までと違った情報が得られます。

恐竜をはじめとする古生物の世界は、研究が進むにつれて更新される情報も数多くあります。私は新聞などで見つけた新情報はどんどんスクラップしていく一方、小学生のころに読んでいた図鑑を高校生くらいまで愛用していました。博物館や新聞記事で得た知識と図鑑の中の情報を行き来して使っていたんです。

さらに、考えたことや気が付いたことを図鑑に書き込むようにしていました。そうやって自分だけのオリジナルの知識の宝箱を、新たに作り上げていくような楽しみ方をしています。

木村 由莉(きむら ゆり)

国立科学博物館地学研究部研究主幹。早稲田大学教育学部卒業。アメリカのサザンメソジスト大学地球科学科博士号取得。博士研究員としてスミソニアン国立自然史博物館などで修行した後、国立科学博物館に勤務、2021年より現職。研究分野は哺乳類古生物、特に新生代の陸生小型哺乳類。著書に『もがいて、もがいて、古生物学者!!』(ブックマン社)。毎日小学生新聞で「ゆり先生の化石研究室」を連載するなど、子どもから大人まで広く古生物研究の魅力を伝える。

「学研の図鑑LIVE」について

図鑑体験を、あたらしく。

1970年に創刊され、2020年に発刊50周年を迎えた「学研の図鑑」。「学研の図鑑LIVE」は、その流れを汲む最新シリーズ。ハイクオリティな写真やイラストと、最新情報がつまった本格図鑑。楽しいオリジナル映像が収録されたDVDつき。動画や3D ARがスマートフォンで見られます。

2022年には「学研の図鑑LIVE 新版」としてリニューアル。2023年6月現在、新版は『昆虫』『恐竜』『危険生物』『魚』『鉄道』『星と星座』が発売中。“あたらしい図鑑体験”を提供しています。

学研の図鑑LIVE公式サイト:https://zukan.gakken.jp/

この記事の監修・執筆者

編集部員 こそだてまっぷ編集部

未就学から中学生までの子を持つママ編集者を中心に、子どもの学びや育ちに関する様々な情報を日々発信しています!

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https://kosodatemap.gakken.jp/

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