来春には、わが子が小学校へ入学! 小学生になる年長児さんとママパパは、うれしい気持ちと同時に「小学校ってどんなところ?」「安全に登校できるかな?」「友だちはできるかな?」…と新しい生活に不安を感じることもあるでしょう。
その不安を和らげるためにおすすめなのが、「親子で一緒に本を読むこと」です。
読書を通じて自然に入学準備をするためのポイントや小学校が楽しみになるテーマの絵本を、幼稚園、小学校での教諭経験もある千葉経済大学短期大学部こども学科教授の横山洋子先生に教えてもらいました。
お話/横山洋子(千葉経済大学短期大学部こども学科 教授)
文/大悠社
読書で小学校へのイメージをふくらませよう
「幼児期は四方八方に興味をふくらませ、好奇心の根っこを張りめぐらせる時期です。
小学生になるまでにこの本とこの本と…とリストにして読み聞かせをしなければならないなんてことはありません。
大切なのは、お子さんとママパパが一緒に絵本の世界を楽しむこと。
まずはお子さんが好きなこと、好きなものがテーマの絵本や図鑑を選びましょう。
小学校へ興味がわいたら、小学校を舞台にした絵本を取り入れるとよいですね。
『おもしろそう!』『そうなんだ〜』という思いを、お子さんの心に育てるような気持ちで読んでみましょう」と横山先生。
年長児さんが小学校が楽しみになり、知っていれば入学後に役立つ知恵がつまったテーマの本を紹介してもらいました。
小学校が楽しみになるテーマの絵本
小学校への期待が高まる
『シリーズみんなの1日 1ねん1くみの1にち』
(アリス館 川島敏生/写真・文)
「小学1年生の1日を写真で追った絵本です。忘れ物をしたり、いたずらしたり、幼稚園や保育園ではあまり使わない筆箱が出てきたりと、じんわりと小学校の雰囲気が伝わります。ワクワクして、小学校への期待が高まる一冊です」
小学校の様子・生活がわかる
『しょうがっこうへいこう』
(講談社 斉藤洋/作 田中六大/絵)
「登校から下校まで、朝礼から授業、お昼休み、音楽室や保健室の使い方など、楽しく学校生活が紹介されています。おもしろい校長先生が出てくるのもいいですね。また、単なる紹介だけに終わらず、クイズや迷路になっているので、遊びながら小学校の知識を知ることができ、親子でたっぷり楽しめます」
ルールを伝えて、安全に過ごせる
『あんしんえほん(はじめての「よのなかルールブック」)』
(日本図書センター 高濱 正伸/監修 林ユミ/絵)
「『こわいことがあったら…』『どうろをわたるときは…』など、さまざまな場面でお子さんが身を守る42の習慣を紹介しています。ママパパが安全のポイントをつかみやすいので、お子さんに教えやすいでしょう」
本を読んで世界が広がる
『ランドセル名作 3つのまほう アラジンとまほうのランプ/まほうつかいのでし/金のがちょう』
(学研プラス 間所ひさこ/文 山西ゲンイチ/絵 出口かずみ/絵 いとうみき/絵 横山洋子/監修)
「年長児さんと小学1年生をつなぐ絵本として作られたシリーズです。わくわくする3つのお話が入っています。全面に描かれたカラフルで楽しい絵と、わかりやすい短い文章で構成されているので読みやすいです。文字は小学校1年の国語の教科書と同じ大きさで、1年生で習う漢字に読み仮名がついています」
舞台が小学校の本
『ぼくはなきました』
(東洋館出版社 くすのきしげのり/作 石井聖岳/絵)
「友だちのいいところはわかっても、自分のいいところはどこだろうと考える小学生の“ぼく”に、先生が寄りそいます。『わからないことがあっても、悲しいことがあっても大丈夫なんだ』という疑似体験は、お子さんの力になります」
読みきらなくてもいい! 絵本の世界を楽しんで
「読み聞かせには『〜をしなければならない』ということはありません。ママパパの負担にならないことが大事なポイントです。
この本を読まなくちゃ、最後まで読まなくちゃなんて思わなくていいんです。今開いているページを親子でゆったり味わって。絵をじっくり見たり、好きな部分を繰り返し読んだりしてもいいでしょう。
横に並んで、親子で本の世界を楽しんでください! その経験の積み重ねで、お子さんは本が好きになります。本に親しむ気持ちは、小学校生活が始まってからも、きっとお子さんを支えてくれるはずです」
読書を通じて、お子さんに寄り添った小学校入学準備ができるとよいですね。
この記事の監修・執筆者
富山大学教育学部附属幼稚園・教諭、富山市立古里小学校、富山市立鵜坂小学校・教諭を経て、現在は千葉経済大学短期大学部こども学科の教授を務める。著書には、『保育者のためのお仕事マナーBOOK』、『保育に生かせる!年中行事・園行事ことばかけの本』、『毎日のちょこっとあそび』(学研)などがある。
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