【いじめ専門家監修】子どものいじめ、小2が最多⁉ 保護者の対処は?

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【いじめ専門家監修】子どものいじめ、小2が最多⁉ 保護者の対処は?

いじめと聞いて、中学生くらいの子どもたちをイメージする保護者が多いのではないでしょうか? 実際10年程前は、小学生・中学生・高校生の中で、中学生のいじめの件数が最も多かったのですが、現在、いじめの認知件数が圧倒的に多いのは小学生。なかでも、最もいじめが多いのは2年生ということが文部科学省の調査でわかっています。低学年のいじめに、保護者としてどう対処したらいいのか、専門家の意見を参考にお伝えします。

文/マムズラボ

目次

最もいじめが多いのは小学2年生

文部科学省が令和3年にいじめの認知件数を学年別に調べた調査によると、いじめが一番多いのは小学校2年生であることがわかっています。

いじめの認知件数(学年別)について
引用元:「いじめの現状について」令和3年11月22日 文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課より

低学年の子どもはまだ、大人にうまく説明することが難しいでしょう。もしかしたら、いじめにあっても誰にも理解されずに、苦しんでしまうことも多いのかもしれません。

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小学2年生のいじめってどんなもの?

保護者のイメージでは、小学校低学年はまだ幼く、どのようないじめがあるのか想像がつきにくいかもしれません。

同じく文部科学省の調査結果によると、いじめの内容は友達にからかわれたり、嫌なことを言われたり、軽くぶつかられたり、叩かれたりすることが多いようです。

いじめの態様別状況について
引用元:「いじめの現状について」令和3年11月22日 文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課より

それにしても、なぜ小学2年生でのいじめが多いのでしょうか。
子どもの成長過程を考えるとその理由に迫ることができるかもしれません。

1年生の頃はまだ、学校の集団生活にも、友達にもあまり慣れていない状況です。

しかし、2年生になって学校生活に慣れた頃には、落ち着きがない、コミュニケーションが苦手など、みんなと同じことができない子どもの行動や言動が目立ってきます。
そのため、クラスメイトのストレスのはけ口になったり、また面白半分でのからかいや仲間はずれといったいじめが発生するのではないか、と考えられます。

発達障害のある筆者自身も、小学2年生の頃が、学校の友達とうまくなじめず、コミュニケーションで最も悩んだ時期でした。自信が持てず、おどおどしてしまい、よく馬鹿にされたり、体を押されたりして、仲間はずれにされた経験があります。

専門家に聞く!小学校低学年のいじめはなぜ増える? どう対処する?

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小学校低学年のいじめについて、保護者としてどう考え、どう対処したらいいのでしょうか?

ネットいじめ専門家で、いじめ防止相談ツール「マモレポ」を開発運営している株式会社マモルの代表であるくまゆうこさんが下記のようなコメントを寄せてくれました。

いじめは、荒れてる学校で起こるとか、いじめられる側にも問題があると思われがちですが、どの学校でもどんな人にも起こりうることです。

小学校低学年でいじめが多いのも、だんだん他人との違いがわかってきたり、グループを作るようになってきたりする年齢になるので、当然と言えるでしょう。私のところに来る相談では、年長さんの事例もあります。

いじめは、起こってしまうことを前提として、早いうちに気がつき、いじめがエスカレートしないように、させないようにしようという考え方が大事です。

またいじめの低年齢化のもう1つの理由として、調査の定義が変わったことがあります。今まではいじめとカウントされていなかったものも報告するようになりました。これに応じて小学校低学年のいじめ件数は増えたと言われています。

子どもがいじめにあっても大丈夫!? 大人ができること

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小学校低学年のいじめ問題に、保護者としてどのように対処すればいいのか、戸惑ってしまうかたも多いでしょう。

小学校低学年からいじめが増加している現状を考えると、子どもがいじめを避けて通ることは難しいかもしれません。

「いじめはよくないことだ」と教えることも重要ですが、それ以上に大切なのは、いじめられたとき、また、もしも子どもがいじめをしてしまったときの保護者の対応ではないでしょうか。
前出のくまゆうこさんは、さらに次のようなコメントを寄せてくれました。

自分の子どもがいじめられたとなると、保護者としては心穏やかではありません。いじめと聞くと、「いじめられたらどうしよう」と考えることが多いのですが、いじめる側になる可能性もあるという考え方も大事です。

お子さんがいじめられた場合、まずは子どもの話を聞いて、子どもと一緒に考えることが大事です。話を聞く時に一緒に落ち込むのではなく、気持ちに寄り添いつつも、少し違った立場からその時の気持ちや子ども本人がどうしたいのかを聞いてあげましょう。

保護者が一緒になって落ち込むと、優しいお子さんほど、「自分がいじめのことを言うとお父さん、お母さんが悲しむから言うのをやめよう」と一人で抱え込んでしまいます。気になるのはわかりますが、そこはぐっとおさえ、今後どうしたいのかという点を重視してサポーターになってあげましょう。親としてどう関わるかが、問題解決につながることが多いのです。

もしお子さんが誰かをいじめてしまった場合は、その行為については間違っていると言うべきですが、行為の元となった感情に対しては理解してあげましょう。「腹がたった」「嫌な気持ちがした」「悔しかった」など、いじめてしまった理由はさまざまです。

株式会社マモルでは、保護者向けいじめのリーフレットを無料で配布しています。まだいじめが起きていない保護者のかたも起きていないからこそ、冷静でいられる今のうちに見ていただきたいと思います。

小学校低学年のいじめは思春期のいじめ問題と違って、複雑ではないだろう、からかわれているだけなのに気にしすぎだろう、子どもたち同士で解決できるだろう、などと軽視されがちです。近年、子どもたちは食生活の変化や情報社会の影響も受け、体と心の発育が早く、犯罪などのさまざまな社会問題の低年齢化が進んでいます。子どものいじめと軽んじず、子どもの声にしっかりと耳を傾けてあたたかく見守ってあげましょう。

いじめ問題で悩む子どもたちが逃げ場を失わないよう、保護者が子どもの気持ちを理解してあげることが、何よりも大切です。いじめにより学校で居場所を失う子どもたちにとって家庭の役割はとても重要だと言えるでしょう。

小学校低学年という成長過程の重要なタイミングでいじめから立ち直る経験をすることは、今後の困難にも立ち向かえる強い心が育まれるチャンスにもなり得ます。子どものいじめを悲観的にばかり捉えるのではなく、いじめにあっても大丈夫!と保護者は子どもと向き合って一緒に対処法を考えてあげられるといいですね。

<出典>
「いじめの現状について」令和3年11月22日 文部科学省 初等中等教育局 児童生徒課
https://www.mext.go.jp/content/20211122-mext_jidou01-000019036_03.pdf

この記事の監修・執筆者

株式会社マモル 代表取締役CEO くまゆうこ

一部上場企業、DeNA、ベンチャー企業にて中高生向けサービスの企画、プロモーションなどに従事。サービスを通し多くの中高生や保護者と接点を持つ中で、以前から問題意識のあった 「いじめ」を少しでもなくしたいという思いからマモルを設立。いじめ報告相談プラットフォーム「マモレポ」を開発運営するかたわら、学校コンサルティング、いじめ・ハラスメントのセミナー登壇、執筆を行う。
https://mamor.jp/parents/ 親子で取り組むいじめ防止プログラム

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