「リビング学習で学力向上」や、「東大合格者には、リビング学習経験者が多い」といった話題をテレビや雑誌で見かけたことのあるおうちのかたもいらっしゃるのではないかと思います。
「ノムコムwith kids」の調査によると、6割から7割の小学生がリビングダイニングで勉強している、という結果も出ています。
では、リビング学習にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
文/マムズラボ
リビング学習の実情は?
「ノムコムwith kids」の調査によると、リビングダイニングで勉強をしている割合は、小学校低学年が76.4%、高学年が63.3%、中学生が62.5%となっており、小中学生のリビング学習の定着がうかがえます。
<Q お子さんが勉強や宿題をする場所は主にどこですか?>
アンケート結果にもあるように、昨今では大半の小中学生がリビング学習を行っており、子ども部屋で勉強するのは高校生になってからというケースが多いようです。
また、当サイトが行ったアンケート調査によると、「お子さんが小学校入学のタイミングで、学習机を購入しましたか?」という質問に対し、小学校に入学時に学習机を購入したのは42.5%、購入しなかったのは57.5%という結果でした。
<Qお子さんが小学校入学のタイミングで、学習机を購入しましたか?>
このように、最近では小学校入学と言えば学習机が必須という状況ではなくなっていることがわかります。お子さんが、リビングではなく子ども部屋で勉強するようになってから学習机を購入するご家庭も多いようです。
リビング学習 メリット&デメリット
リビング学習には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
東京ガス都市生活研究所が行った調査によると、お子さんがリビングもしくはダイニングで宿題をすることに、おうちのかたが満足している理由としては、「勉強を見てあげたり、教えたりできる」「勉強しているか、していないかがわかる」という理由が上位を占めています。
勉強中にお子さんが疑問を持ったとき、すぐに対応してあげられることや、中だるみしているときに励ますなど、きめ細かなコミュニケーションが取れることは、リビング学習のメリットと言えるでしょう。
また、お子さんにとってのメリットとしては、静まりかえった子ども部屋で勉強に集中しようとするより、適度に雑音があり、家族がいてくれる安心感の中で勉強に取り組むほうが集中できる、ということも考えられるでしょう。
一方、リビング学習のデメリットとして保護者の立場から考えられるのは、「気兼ねしてテレビなどを見られない」「勉強道具や消しゴムカスでリビングが散らかる」といったことがあります。
先ほどの東京ガス都市生活研究所の調査では「子どもが自宅で勉強するとき、家族が気をつけていること」として、「テレビをつけないようにする」「親も一緒に仕事・勉強・読書などをする」といったことが挙がっていました。
また、親にとってのデメリットは、近くで見ているからこそ「つい口うるさくしすぎてしまい、子どものやる気を損ねてしまう」「つい叱ってしまう」など、親子のコミュニケーションが悪いほうへ向かってしまうことがあります。
子どもにとってのデメリットは、「テレビやゲームの音がうるさいと勉強に集中しにくい」「勉強道具をいちいちリビングまで持ち込む必要がある」「家族がいることで、つい話してしまうなど、気が散ることもある」ということがあるでしょう。
リビング学習がうまくいかないときの対処法は?
リビング学習の際に、子どもが勉強になかなか取りかからない、集中しないとお悩みのおうちのかたもいるでしょう。そんなときには、リビングの環境とコミュニケーションの仕方に気をつけてみてください。
例えば、リビングに学習机を置いてない場合は、ランドセルや勉強道具を置く棚を用意しましょう。そこから必要な物をすぐに取り出せるようにしておけば、勉強に取りかかりやすくなります。
また、勉強する際の手元が暗いと目に悪く、集中力が下がるので、読書灯を置くなどして明るさを確保。部屋の温度や換気にも気をつけましょう。
コミュニケーションで気をつけたいのは、否定語はなるべく避けることです。まずはよい点やできている点を褒めてから、そのあとに間違っている点や不足しているところのアドバイスを行うなど、肯定から始めましょう。子どものやる気を引き出すきっかけになるはずです。
リビング学習体験談
最後に、リビング学習の体験者に聞いた事例をご紹介します。
そのご家庭の男の子は、小学校入学時からリビングの隅に学習机を置いて、リビング学習をしていました。5年生に進級する際に塾通いを始めることになったため、父親は「自室で勉強するほうが集中できるだろう」と考え、2階の子ども部屋へ学習机を移動させました。そして、ちょうど小学1年生になった妹の学習机が、新たにリビングに置かれたのです。
しかし、親の思いとは裏腹に、男の子はオバケが怖いという理由で妹の机の端っこで勉強するようになってしまいました。
結局、男の子の学習机は子ども部屋からリビングに逆戻りすることになり、2台の学習机がリビングを占拠する結果となったのだとか。
子どもの個性はそれぞれです。高学年になったからといっても、一人で子ども部屋にいるのが苦手な子もいます。一方で、早い時期から子ども部屋の方が集中できる、という子どももいます。お子さんとしっかり相談しながら、それぞれのお子さんに合った学習環境を整えてあげたいですね。
<出典>
野村不動産ソリューションズ「ノムコムwith kids」
https://www.nomu.com/withkids/enquete/vol04.html
アンケート モニプラファンブログ「学研の幼児ワーク編集部」調べ
(2021年10月実施/134人回答)
https://kosodatemap.gakken.jp/learning/education/4080/
東京ガス都市生活研究所 都市研究レポート「子どもの勉強実態と親の意識」
https://www.toshiken.com/report/life19.html
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