「今やろうと思ってた!」は成長のサイン⁉ 反抗的な態度・口ごたえ――高学年の“困った子”を伸ばす保護者の接し方とは/教育評論家解説

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「今やろうと思ってた!」は成長のサイン⁉ 反抗的な態度・口ごたえ――高学年の“困った子”を伸ばす保護者の接し方とは/教育評論家解説

「以前は素直だったのに最近は口ごたえばかり!」「ヘリクツを言うようになった」「もう高学年なのに忘れ物やルーズなところが直らない」など、高学年になるにつれて変化する子どもの態度に戸惑うことはありませんか?

ここでは高学年ならではの子どもの変化と、それをどう見てどう関わればよいのか⁉ という点について、教育評論家の親野智可等先生に話を伺いました。

取材・文/細川 麻衣子

目次

高学年は「導いてもらう」から「自分で考える」へ

小学校高学年になると、子どもは心も体も大きく変化していきます。低・中学年のころは、まだ保護者や先生に教えてもらいながら行動する場面が多いものですが、高学年になると「自分はどうしたいのか」「自分はどう思うのか」という意識が強くなってきます言葉で表現する力や論理的に考える力も育ち、保護者の言葉に「でも、それってこうじゃない?」「だって○○だから」と反論することも増えてきます。

友だちなどとの対人関係や、集団の中での自分の立ち位置など、家庭の外の世界もこれまで以上に大きな意味を持つようになります。さらに低・中学年と比べると、将来や社会、自分自身について考える姿も見られるようになります。早い子だと思春期に入る子もではじめます

ただし、考える力などがぐっと目に見えて育つからといって、誰もが忘れ物や時間管理、片づけなど、保護者から見て❝できてほしいこと❞が急にできるようになるわけではありません。ですので「もう高学年になったのだから、そろそろできて当然」「成長してるはずなのに何で⁉」と思ってしまうと、保護者は子どもの言動にいっそうイライラしやすくなります。

まずは以下、低・中学年と比べた高学年の成長を知っておきましょう。

高学年/子どもの成長~5つのポイント~

●自我が一段と強くなる
→「自分はこう思う」「自分で決めたい」がはっきりしてくる
●論理的に考える力・言葉の力が伸びる
→大人の言葉に「でも」「だって」と反論できるようになる
●保護者以外の人との世界が広がる
→友だちとの関係や学校での立場、自分の評価などを強く意識する
●「子ども扱いされたくない」という気持ちがでてくる
→保護者から見ると「扱いづらい」「反抗的」に見えやすい
●生活面の苦手さが全部なくなるわけではない
→保護者からは、忘れ物や時間管理が改善しない、などと見える

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高学年の❝困った子❞実例

実際の家庭でよくある、保護者から見た高学年の❝困った子❞実例は、このようなものがあげられます。

よくある高学年の❝困った子❞に捉えられる事例

●「今やろうと思ってた!」「うるさい!」など、何かと口ごたえする
●「でも」「だって」と、もっともらしい理由を並べて言い訳する
●ゲームや動画の見過ぎを指摘されたのに、やめようとしない
●忘れ物や提出物の出し忘れが、なかなか改善しない
●約束や時間にルーズでだらしなさが酷くなっている
など

「今やろうと思ってた!」は成長のサイン⁉ 反抗的な態度・口ごたえ――高学年の“困った子”を伸ばす保護者の接し方とは【教育評論家解説】

このような姿に「以前よりなんだか扱いづらい」「もう少ししっかりしてほしい」と感じる保護者は、少なからず増えてきます。

けれどもこうした姿を単純に❝困った子ども❞と捉えてしまうのは、少しもったいないかもしれません。

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×困った子→◎成長している子 と捉える3つの方法

前出のような、いっけん❝困った❞高学年の様子は、実は子どもが大きく成長し、保護者との関わり方そのものが変わってきたサインでもあります。ここからは、そんな高学年の子どもをどう見てどう関わればよいか、3つの捉え方を紹介します。

①「困った」ではなく、「成長している」と捉える

口ごたえが増えたり、保護者の言うことを素直に聞かなくなるというのは、見方を変えれば自分の考えを持ち、言葉にできるようになった成長の証です。「生意気になった」ではなく、「自分で考える力が育ってきた」と、捉えましょう。

②環境設定を工夫する

準備・片づけ・時間感覚・約束など、日常の行動に対して「高学年だからこれくらいできて当然」と決めつけてしまうと、できなかったときについ叱ってしまいます。これらは生まれつき持って生まれた個性・特性などが関係している場合もあるので、子ども本人の努力だけでは年数を重ねただけで自然と改善するわけではない場合も多いのです。
ですので「どうしたら取り組みやすいか?」と、保護者が子どもの環境設定にひと工夫プラスしてあげられるとよいでしょう。
片づけが苦手なら❝ワンタッチ収納❞に――
忘れ物が多いなら、見える化と準備の仕組みづくり――
など。
少しでもできるようになる環境を保護者が工夫して整えてあげることができれば、苦手を改善できる場面が増え、成長にも効果的です。

③子どもをひとりの人間として尊重する

高学年になると、子どもは「自分はどう思うか」「自分はどうしたいか」を大切にするようになります。だからこそ「~しなさい!」など、一方的に指示する声かけは、低・中学年までは通用していたとしても、この先はうまくいかなくなってきます

「あなたはどう思う?」「どうしたらいいと思う?」と、ひとりの人間として意見を聞いてみてください
「子ども扱いされたくない」と強く感じている子ほど、ひとりの人間として扱われることはとても嬉しく感じます。そして「自分のことをきちんと見てくれている」と感じられれば、親子のコミュニケーションにも良い変化があるでしょう

このような段階だからこそ、高学年は❝自我が芽生え、自ら考え、決めようとするひとりの人間へと成長している時期❞と、捉えてみてください。保護者自身の見方を変えることで、受け止められることも増えていくでしょう。

高学年の子どもと仲良くなれる! 親子コミュニケーション術

低・中学年のころと同じようには、うまくいかないことも増えてくる高学年時期。そんなときこそ、親子のコミュニケーションを少し変えてみることをおすすめします。子どもが、どうしたらこの子はやりやすいか? と考え、子どもの気持ちや考えを尊重しながら、いっしょに方法を探していきましょう。

ここでは、家庭ですぐに取り入れられる、❝親子の仲がうまくいくおすすめの4つの工夫❞を紹介します。

①指示したいときはハズレ無しの「どっちにする?」選択方式に

高学年になると、「自分で決めたい」という気持ちが強くなります。そこで、「先に勉強する? 遊んでからにする?」「国語と算数、どっちからやる?」など、選択肢をつくってみましょう。ポイントは「やる・やらない」を選ばせるのではなく、やることは前提にして、その中で本人に決めてもらうことです。

自分で選ぶと、「自分で決めたんだから」という気持ちが生まれます。保護者がすべて決めるのではなく、子ども自身が自分で決める経験を、保護者からさりげなく提案してみてください。案外「じゃあこっちにする!」と、命令・指示の声かけよりもコミュニケーションがうまくいくかもしれませんよ。

②❝正論❞の前に、まず❝共感❞しよう!

「宿題が多すぎ!」「暑いからやりたくない」と、ワガママに聞こえる声に対して、すぐに「でも、やらなきゃ終わらないでしょ」と、保護者は正論を返したくなる気持ちもあることでしょう。でもいったんグッと抑えて、「宿題、多いよね」「そうだよね。暑いよね」と、共感してあげてください

子どもは、自分の大変さをわかってもらえるだけで、心が安らぎます。そのうえで、「じゃあ1問だけやろうか?」「いっしょにする?」と声をかけます。
気持ちを受け止めてから、最初の一歩を小さくする――これがコツです!

高学年であれば、いったん受け止めてもらえたことで心は満たされるので、そのあとの❝自走❞スイッチは入りやすくなることでしょう。

③保護者自身が❝リフレーミング❞

・「生意気になった」ではなく➡「自分の考えを持てるようになった」
・「屁理屈ばかり」ではなく➡「言葉の力や論理的に考える力が育ってきた」

など、保護者の脳内を変換してみてください。

このように、物事を見る枠組みを変え、同じ出来事を別の角度から捉え直すことを❝リフレーミング❞と言います。否定的に見える行動の中に成長を見いだす方法です。
これができると保護者の心に余裕が生まれます。

❝困った子❞で終わらせず、❝我が子の成長のサイン❞と捉えてみることが、子どもとのコミュニケーションをポジティブ&円滑にできる秘訣です。

④まだまだ「甘えたい」のが高学年。「手伝ってあげる」はOK!

「高学年なんだから、自分のことは自分でやらせなければ」と多くの保護者は思いがちですが、工夫しても難しいことなら、保護者がいっしょに取り組んでもいいんです。

「親がやってあげたら自立できない」ということはありません。むしろ、叱られ続けて親子関係が悪くなってしまうほうが、自立を遠ざけることもあります。「いっしょにやっちゃおうか!」と、親子の触れ合いの時間にすれば◎。ただし、叱りながらやってあげるのは逆効果なので気をつけましょう。

高学年になっても、子どもはまだまだ甘えたいものです。「自分でできるようにする」ことばかりを急がず、「甘えられる場所」をこの時期にしっかり残しておくことも、子どもの自立を支える大切な要素です。

「今やろうと思ってた!」は成長のサイン⁉ 反抗的な態度・口ごたえ――高学年の“困った子”を伸ばす保護者の接し方とは【教育評論家解説】

高学年の❝困った❞は❝成長の証❞だと、捉える視点を持つこと――。これこそが、困った子として捉えている状態では見えてこなかった、子どもの成長のすばらしさを感じられる瞬間になるはずです。ぜひ、そうした視点を意識しながら、高学年の子どもの成長を見守ってあげられるとよいですね。

この記事の監修・執筆者

教育評論家 親野 智可等

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOk』などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Threads、X、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。
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