【日焼け止め、赤ちゃんに使って大丈夫?】子どもの肌だからこそ気をつけたい!日焼け止めの選び方・使い方[小児科医監修]

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【日焼け止め、赤ちゃんに使って大丈夫?】子どもの肌だからこそ気をつけたい!日焼け止めの選び方・使い方[小児科医監修]

年々、夏の暑さが厳しくなり、日差しも強くなっています。子どもの日焼けが気になりますね。「森のこどもクリニック小児科・皮膚科」院長の大熊喜彰先生に紫外線対策についてお話をうかがいました。

こそだてまっぷ編集部

目次

子どもの肌は、大人よりデリケート

子どもの肌は、大人に比べて薄く、とてもデリケート。そのため大人よりも太陽光の紫外線からのダメージを受けやすくなります。保護者の方は、お子さんの肌を紫外線から守る必要があります。

紫外線が肌に与える影響は、大まかに下記の2つがあります。

●その場で起こる影響…肌が赤くなり、ひりひりするなどの急性の炎症。いわゆる「やけど」と同じ状態の「日焼け(サンバーン)」

●将来の健康に関わる影響…「光老化(ひかりろうか:シミやそばかす、シワなどのこと)」や将来、皮膚がんになるリスクの増加

特に問題となるのが、将来の健康に関わる影響です。子どものころから強い紫外線を浴び続けていると、将来の皮膚がんのリスクが高まることがわかっています。WHO(世界保健機関)の報告では「人は生涯に浴びる紫外線量の約50%を18歳までに浴びる」と指摘されています。

ほかに、目への悪影響も報告されています。子どもは、大人よりも瞳孔が大きいため、紫外線の影響を強く受けやすい傾向があります。たとえば、年齢が上がるほど発症率が高まる白内障の最大20%は、長年にわたって紫外線に過剰にさらされたことが原因であるという研究結果もあります。

このように複数の悪影響があるため、紫外線対策に早めに取り組むことは、お子さんの将来の健康を守る重要な「予防医療」と言えるでしょう。

2種類の紫外線が肌に与える影響

日焼けは、紫外線から肌の細胞を守るための生体防御反応です。紫外線を浴びると、肌は「メラニン色素」を生成し、紫外線が肌へ進入するのを防ぎます。

紫外線(UV=Ultra Violet:ウルトラバイオレットの略)とは、太陽光の一部で、地上に届く紫外線には、主に「UV-A(A紫外線)」と「UV-B(B紫外線)」の2種類があります。

●UV-A…肌の奥の「真皮」まで到達します。肌が赤くなるような急激な変化は少ないものの、ダメージが蓄積しやすく、将来のシミ、シワなどの「光老化」の原因となります。

●UV-B…肌の表皮に強いダメージを与えます。肌が赤くなったり、ひりひりと痛んだりするような急性の炎症を引き起こす主な原因です。

紫外線対策をしたらビタミンD不足になるのでは?

「日光を浴びることで、骨の健康に必要なビタミンDが体内で作られる」ということをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。骨を強くするための「ビタミンD」を作るのに欠かせないのは、2種類の紫外線のうちUV-Bのほうです。

では、紫外線対策をしたら、ビタミンDが不足してしまうのでは?と気になりますよね。しかし、環境問題を研究する公的機関・国立環境研究所のシミュレーションデータによると「関東地方なら夏の昼間に、顔と手のひらを出した状態で3~5分程度日光を浴びれば1日に必要なビタミンDを合成できる」とされています(緯度、季節、時間帯によって太陽の当たり方が異なる。たとえば、12月の昼間なら約20分強日光に当たる必要がある)。

3~5分なら、日常的な外出で十分ですね。つまり、夏の強い日差しの中で無理に日光浴をしなくても十分なビタミンDを得られますので心配はいりません。

外遊びの際に注意すること

ここからは、夏の紫外線対策について具体的にご紹介します。お子さんの外遊びの際は、以下の点に注意しましょう。

●1日の紫外線量の約50%以上が集中する午前10時~午後2時の長時間の外遊びを避ける。

日陰や日除けを利用する。

●外出時は、つばの広い帽子をかぶる。

※つばの長さが7cm以上ある帽子は顔への紫外線を約60%カット、目に入る紫外線を約20%カットできるというデータもあります。

肌の露出を防ぐ衣類を着用。ラッシュガード(紫外線カットやケガ防止効果に優れた水着のような素材の衣服)がおすすめ。※気温や湿度が高い日に長袖を着用する際は、熱中症に注意。

日焼け止めの使用は生後6か月以降から

紫外線が強い時間帯の外出を避ける……などの対応をした上で、さらなる紫外線対策として有効なのが「日焼け止め」の使用です。最近は「子ども用」と称した商品も市販されています。外での活動量が増えてくる幼児や小学生は、日焼け止めを上手に利用していきましょう。

ただし、日焼け止めの使用は生後6か月未満のお子さんにはおすすめできません。生後6か月未満の乳児は、肌がデリケート過ぎるため、原則的に日焼け止めではなく、衣類や日除けを使った「物理的な遮光」で対策しましょう。外出は午前10時~午後2時の紫外線が強い時間帯を避け、ベビーカーの日除けや帽子、長袖の薄手の衣類で紫外線を遮るなどの工夫が必要です。

日焼け止めの種類と特徴。子どもには?

日焼け止めには、大きく分けて2つのタイプがあります。

●紫外線吸収剤(ケミカル)…紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変えて放出することで日焼けを防ぐ。

●紫外線散乱剤(ノンケミカル)…紫外線を反射・散乱させて日焼けを防ぐ。

子どもに使用する場合は、肌への負担が少ないノンケミカルタイプがおすすめです。または「紫外線吸収剤不使用」という表示のある商品を選びましょう。

「SPF」と「PA」って何?

日焼け止めのパッケージに表示されている「SPF」「PA」。これは、紫外線から肌を守る効果の高さを示しています。

【SPF(Sun Protection Factor)】

・肌の表面の炎症や赤みを引き起こす紫外線UV-Bから肌を守る効果の指標。

・数値が高いほど効果が高いですが、その分肌への負担も大きくなります。

・公園遊びなど日常生活では、SPF20~30程度で十分。

【PA(Protection grade of UV-A)】

・肌の奥まで届き、シミやシワの原因になる紫外線UV-Aから肌を守る効果の指標。

・「PA+」から「PA++++」まで4段階あり、「+」の数が多いほど効果が高くなります。

日常生活なら「PA++」~「PA+++」程度で十分。

「SPF50」や「PA++++」などの強力なタイプは、肌への負担が大きくなるため、子どもに使用するのは避けましょう。

生後6か月未満の乳児には、原則的に日焼け止めの使用をおすすめできませんが、どうしても直射日光を避けられない場合に限り、顔や手の甲など露出部分の小さな領域に少量の日焼け止め(SPF15程度)を使ってもよいでしょう。

日焼け止めはどのくらい塗ればいい?

日焼け止めは、塗る「量」が重要です。まずは、医学的な推奨量をご紹介します。

※クリームタイプの場合

●顔…パール粒大1個分(約0.3g)を塗り、さらにもう一度、同量を重ね塗りする(合計パール粒2個分)。

●腕…片腕に10円玉硬貨2個分。

もしかすると、推奨量を満たす量を塗っていない方もいるかもしれません。なぜなら、推奨される量は意外と多めだからです。分量が少ないと十分な効果を得ることができません。ご自身が思っているよりも多めに塗ることを意識してみましょう。

日焼け止めの正しい塗り方は?

日焼け止めの推奨量を守るとともに、塗り方にも注意が必要です。ごしごしと擦り込むような塗り方は塗りムラができやすく、日焼け止めの効果が半減してしまうのでNGです。肌を膜で覆うようなイメージで、均一に塗り重ねていくのがコツです。

《塗り直す》

お子さんには、肌への負担が少ないノンケミカルタイプの日焼け止めをおすすめしています。しかし、ノンケミカルタイプは、耐水性が低く、汗や水遊びなどで落ちやすいという弱点があります。ですから、2~3時間おきを目安に塗り直すことが大切です。

《塗る場所》

日焼け止めは、顔や手をはじめ、衣類から露出している部分に塗ります。忘れがちなのは、首の後ろ、耳、耳の後ろなどです。海など裸足で遊ぶ水辺では、足も日焼けしやすいので注意しましょう。

《虫除けとの併用》

アウトドアレジャーなどで、虫除けスプレーを併用する場合は「日焼け止めが先」と覚えておきましょう。先に日焼け止めを肌に密着させてから、虫を避ける成分を重ねると、両方の効果を最大限に得ることができます。

《洗い落とす》

日焼け止めを塗ったら、しっかり落とし、肌に残さないことも大切です。ノンケミカルタイプなら、水や石けんで落とせるものがほとんどです。お風呂などでやさしく洗って落としましょう。

日焼け止めを塗るのを嫌がるお子さんの場合は?

大人は「日焼けすると、赤くなって痛い」「あとでシミになるかも」というように未来を想像できますが、子どもは起きていないことを想像するのが難しいです。日焼け止めを塗るのを嫌がるお子さんには、「あとで痛くなるよ」と怖がらせるよりも「今、日焼け止めを塗るのが楽しい!」というところに関心が向くように心がけるとよいでしょう。

たとえば、腕に日焼け止めを塗る際に、ニコニコした目や口のイラスト風に描いて「この子が、あなたを日焼けから守ってくれるヒーローだよ」などと保護者の方が楽しく演出しながら、塗り伸ばしてあげるのはいかがでしょう。そして、日焼け止めを塗れたら「しっかり塗れたね、すごいね!」などとほめてあげると、お子さんも喜んでくれるはずです。

うっかり日焼けしてしまったら、どうする?

日焼け止めを塗っていても、途中で落ちてしまったり、長時間にわたって外にいたりして、日焼けで肌が赤くなってしまったら、まずは十分に冷やすことが大切です。やけどに準じたケアをしましょう。たとえば、流水で冷やす、冷たいシャワーをかける、冷たくしたタオルを当てる……などです。日焼けは、肌の細胞が一時的に壊れた状態です。炎症を抑えるために、保湿剤を塗ってもよいでしょう。

お子さんが痛がったり、肌に水ぶくれができてしまったりしたときは、すみやかに小児科・皮膚科など医療機関を受診しましよう。

太陽の下でお子さんが元気に安心して遊べるように、保護者の方はしっかりと紫外線対策をして、親子で夏を楽しんでくださいね。

この記事の監修・執筆者

森のこどもクリニック 小児科・皮膚科 院長  大熊喜彰

日本医科大学医学部卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務など。医学博士。

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