それって迷惑?子どもだけの利用で注意したい図書館でのマナー15【専門家監修】

更新日: 公開日:

それって迷惑?子どもだけの利用で注意したい図書館でのマナー15【専門家監修】

夏休み、宿題や自習をするため、本を借りるために多くの人で混雑する図書館。友だち同士で行く機会も増える中、子どもが施設利用のマナーを知らずに周囲の人に迷惑をかけたり、トラブルに巻き込まれたりすることがあります。意外と気づかない図書館でのマナー違反やお子さんへの声かけの方法について、キッズマナーインストラクターの赤名麻由子さんに伺いました。

取材・文/FUTAKO企画

目次

公共施設でマナーを守るということ

夏休み、お子さんが「友だちと図書館で勉強してくる」と言ったら、不安なく送り出せるでしょうか。
近年は予約システムや開館時間など利便性の向上やサービスの充実、物価高騰の影響もあって、公共図書館の利用者数が増えています。特に夏休みは集中して勉強や課題に取り組める場所として、学生の利用も増える時期です。
身近な場所だけに、学年が上がると子ども同士での利用が増えますが、同時にトラブルやクレームなども少なくありません。幼い頃から通っている地域の図書館だとしても、油断は禁物です。
図書館に限らず公共の施設は、赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな人が利用する「みんなの場所」。自分のことだけ考えて行動していては、誰かの迷惑になるかもしれません。 お子さん自身が気づかないうちにマナー違反をすることがないよう、保護者の方と一緒に考える時間を持つことも大切です。

知らずにやっている図書館でのマナー違反15

1 友だちとのおしゃべり

友だちと偶然会い、その場で雑談。小声のつもりでもずっと話し続けていたり、くすくす笑いをしていたりする。
→静かな場所での話し声は想像以上に周囲に響くもの。会話を続けたい場合は、話せる場所に移動します。

2 読書用テーブルの占領

友だちグループで荷物を置くなど閲覧用テーブルを占領する。
→他に利用したい人が席を使えなくなってしまいます。荷物はテーブルに置かず、足元などに置き、多くの方が利用できるようにしましょう。

3 本を元に戻さない

手に取った本を元の場所に戻さない。元の場所がわからないとき、適当なところに置く。
→図書館の本の並べ方には一定のルールがあるため、本が行方不明になる可能性もあります。戻す場所がわからないときには図書館の方にお渡しする、戻す場所をよく覚えておくなど方法を伝えておきましょう。

4 何冊も自分の手元にためこむ

読んでいる本が別にあるのに、何冊も自分の手元に置いたままにする。
→他に読みたい人が手に取れなくなります。借りることが決まっているのであれば先に手続きをします。

5 汚れた手で本にさわる

食事の後に汚れた手を洗わずに本にさわったり、ペットボトルなどの水滴で濡れた手をよくふかずにさわったりする。
→本のシミ・カビ・変形や破損などにつながる可能性もあります。図書館に行くときにハンカチとティッシュを持っているか確認しましょう。
手の水分や汚れがあったら自分で洗うように声かけをしておくと良いですね。

6 本の破損

ページを折る、マーキング、書き込み、切り取りなど故意に破損させる。自転車のカゴに放置。
→誤って破損してしまった場合も、自分で修理をしようとせずにすぐに係の人に伝えることが大事です。

7 返却期限までに返さない

返却期限をきちんと把握せず、返却しそびれる。
→他の利用者や次に予約している人の迷惑にもなるので、返却期限のチェックを忘れずに。

8 貴重品、ゲーム機やスマホの置きっぱなし

荷物を置いたままの離席は、紛失や盗難などの原因に。
→短時間の休憩であっても、貴重品は必ず持ち歩きましょう。

9 図書館内での飲食

館内での飲食ルールを守らずに自己判断で飲食をする。
→「蓋つきなら良い」「この場所なら良い」という図書館のルールを必ず確認しましょう。

10 居眠り

「少し休憩」と机に伏したまま寝てしまう。
→図書館での居眠りは迷惑行為なので絶対にNGです。

11 スマートフォンでの通話

他の利用者がいる場所でスマホで会話をする。
→着信はマナーモードにしておき、館内での通話は決められた場所で行いましょう。

12 PCの使用

使用可能な場所以外でPCやタブレットを使用する。
→館内で使用できる場所は決まっていますし、荷物を置いたままの離席は盗難の恐れがあります。

13 資料の撮影・コピー

資料の撮影、友人同士で撮影をする。
→スマホやタブレットでの勝手な資料撮影はNG。また、館内での撮影は他の利用者の映り込みも 考えられます。資料のコピーは図書館内のコピー機のみ、他では禁止されています。

14 音楽を聴く・動画を見る

館内で音楽を聴いたり、動画を見たりしながら利用する。
→視聴可の場所以外での音楽・動画視聴はNG。視聴可の場所でも、イヤフォン・ヘッドフォンなどの音漏れに注意します。

15 コンセントの無断利用

館内で勝手にコンセントを使用して充電などをする。
→公共施設などで、管理者の許可なくコンセントを無断利用することは窃盗罪(盗電)にあたります。スマホやPCの充電を確認してから図書館に向かうようにしましょう。

図書館では、「勉強場所がない」「家だと集中できない」という子どもたちのために、夏休み期間などに専用のスペースを作ってくれる場合もあります。事前にその時期の情報をチェックしておくとよいでしょう。
また、図書館の資料は公共の財産です。本が破損した際の弁償は「故意」か「過失」かに関係なく発生します。「みんなで使うものだから大切に扱う」ということを教えておきましょう。

マナーをどう教える? 子どもに響く声かけとは

伝えるときの「ペーシング」と「リーディング」

幼い頃から一緒に図書館を利用している親子であれば、「図書館では静かにする」「本は大切に扱う」という基本的なことは当然知っているでしょう。
しかし、子どもだけで利用するときは楽しさや興奮が勝ってしまい、利用する本来の目的(宿題をする、本を借りるなど)が疎かになってしまうかもしれませんね。

「図書館に友だちと行く」と聞いたタイミングで、保護者の方とお子さんとで利用方法や図書館での約束事を確認できるとよいでしょう。
ただ、その際に「図書館では本を雑に扱ったらだめだからね! おしゃべりしないで勉強するんだよ!  他の人に迷惑かけないようにね!」などと早口や命令口調でルールだけを伝えようとすると、「わかってるよ!」「知ってる!」といった反応で終わってしまいがちです。
そのようなときには「ペーシング」と「リーディング」を意識してみてください。

「ペーシング」とは?

ペーシングとは、「相手に合わせること」。姿勢や言葉づかい、呼吸のリズムなどを合わせ、寄り添う気持ちを表します。
例えば、子どもが「お母さん!! 今度〇〇くんと図書館で夏休みの宿題やってきてもいい?」とテンション高く、うれしそうに話しかけてきた場合。お母さんが「え、お友だちだけで? 騒がない? うるさくしちゃダメだからね。まわりの人に迷惑かけないでね」と低い声で伝えてしまうと、子どもには警戒心や「わかってもらえない」という気持ちが生まれてしまいます。
ですから、ペーシングの段階では呼吸を合わせることが大切です。 「そうなんだ! 〇〇くんと図書館行こうって話が出たんだ、いいじゃない! お友だちと勉強することはいいことだよ~」のように共感しながら話します。
すると、お子さんに安心感や信頼感が生まれます。「お母さんは自分を受け入れてくれるんだ」と感じ、相手の言うことを受け入れよう、という準備ができます。
本当に言いたいことは、楽しい話の流れで伝えることが大切なのです。

「リーディング」とは?

そこからリーディングです。 リーディングとは 「行動を変容するよう相手に働きかけること」。導くことです。
「お友だち同士で行くのなら、自分たちで図書館のマナーを守らないとね。」
「何に気をつける?」
……というように子どもから出る意見を受け止めます。そして足りないと思った部分を加えていくようにします。子どもがわかっている部分は尊重し、まだ気づけない部分を補ってあげましょう。

そのためには具体的な例を挙げて話すと効果的です。
例: 「隣同士の席に座れなかったらどうする?」
⇒空いている席を利用して、お互いができるところを進めておく。隣同士の席が空いたら移動する、など。
落ちついている状態のときは考える余裕が出るので、事前にさまざまなケースを想定して、クイズのように質問してみるとよいと思います。
「こんなときはどうする?」と聞いて、お子さんに考えさせることで記憶に残り、実際に似たようなことが起こっても対処しやすくなります。

その他、事前に伝えておくとよいこと

そして困ったことがあったら、すぐに図書館の方に声をかけて相談することを伝えておくと、「どうしよう」の時間が短くなり、解決に早く結びつくでしょう。
また、他の利用者の迷惑行為を見たときに、「相手に直接言わず図書館の方に注意してもらう」ということも、トラブルを防ぐために必要だと思います。

さらに、保護者の方への連絡方法や帰宅時間の確認も大切です。
子どもだけで外出するときには、保護者の方にすぐに連絡できるようになっているか(スマホへの番号登録や充電ができているか、電話番号のメモなどを持っているか)確認しておきましょう。
本や宿題に夢中になり、帰りの時間が過ぎてしまうことも考えられます。帰宅時間を守ることも大切です。

そして、夏休みは受験生向けにスペースが用意されたり、子ども向けのイベントが行われたりするなど、「普段とは違うことがある」と教えておくことも大切です。よく通っていて知っていると思っていても、使っていい場所や守るべきルールが変わっている可能性もあります。
事前に保護者の方が、直近の図書館の情報を確認しておくと安心だと思います。

最後に

「図書館はみんなで利用する場所だから、お互いに気をつけて気持ちよく過ごそう」という気持ちが根底にあれば、お子さんの適切な行動につながるはずです。
とはいっても、不意に知り合いに出くわしたりすると、テンションが上がってまわりが見えなくなってしまうこともあるでしょう。勉強している人、音に敏感な人、体が不自由な人なども訪れる場所なので、「まわりをよく観察しなさい」と伝えておくことも大切です。
公共の場所でマナーを守った行動をする経験も、お子さんの将来の大切な財産になります。親子で事前によく話し合って、公共施設を正しく利用できるとよいですね。

この記事の監修・執筆者

マナーOJTインストラクター/キッズマナーインストラクター 赤名 麻由子

一般社団法人日本マナーOJTインストラクター協会(JAMOI)認定

マナーOJTインストラクター/キッズマナーインストラクター

前職では、企業博物館のご案内、受付を担当。講師になってからは、企業の接遇・マナー研修、保育園・幼稚園でのマナー教室を開催。個人のスキルアップ、魅力アップのためのソーシャルマナー講座を随時開校している。二児の母。

個人ブログ
https://ameblo.jp/manner88/

こそだてまっぷ

こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪

あわせて読みたい

おすすめ情報

こそだてまっぷ

こそだてまっぷから
人気の記事がLINEに届く♪

関連記事

この記事の監修・執筆者の記事