❝賢い子=人生を楽しめる子❞になるために――子どもの力を最大限に伸ばす親の関わり方/藤田敦子さんの“賢い子”を育てるポジティブ教育法

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❝賢い子=人生を楽しめる子❞になるために――子どもの力を最大限に伸ばす親の関わり方/藤田敦子さんの“賢い子”を育てるポジティブ教育法

シングルマザーで2人の息子さんを難関私立中高一貫校、そして公立大学医学部現役合格へと導いた藤田敦子さん。現在は一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会代表理事として、主に小学3年生までのお子さんのいるご家庭を対象に、“受験子育て”にまつわる相談を多く受けていらっしゃいます。

ここでは小学3年生までのお子さんがいらっしゃるご家庭向けに、親子関係や家庭学習、中学受験に関することなど、さまざまな視点から藤田さん流の“幸せな子育て&賢い子を育てる”ためのアドバイスを発信してきました。今回は、その最終回です。


取材・文/細川 麻衣子 写真提供/日本ぺたほめアカデミー協会

目次

≪最終回(毎月1回公開/全12回)≫

「子どもの楽しみを削っても、勉強時間にはならないんですよ」――そう語り、連載を通して、日々の体験や親子の関わりの大切さを伝えてくれた藤田さん。この最終回では、これまで語られてきた子育て観を総まとめ。❝学校はコミュニケーション養成場❞という視点をはじめ、❝賢い子❞とは何か――その本質に迫ります。

入学直後の4月“安心すること”が一番重要!

もうすぐ小学校入学を控えるお子さんを持つおうちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。幼稚園や保育園から小学校に上がると、子どもの行動範囲や保護者の関わり方など、多くのことが劇的に変わります。とくに入学してすぐの4月は、子どもにとって本当に大きな変化のタイミングです。環境も人も全部変わって、「できる・できない」以前に、まず慣れることだけでも精一杯なんですよね。だからこそ、この時期に一番大事にしてほしいのは、「ちゃんとできているか」ではなくて、「安心して過ごせているか」という視点で子どもを見てあげることです。

学校でのルールを覚えたり、新しい友だちができたり、先生との関係を築いたり……子どもは見えないところですごくエネルギーを使っています。帰ってきたらぐったりしている日もあると思います。そんなときに、「忘れ物しちゃったでしょ!?」「宿題はすぐやる!」ではなくて、「今日もがんばったね」と言ってあげられるかどうか最初の1か月で、❝学校って安心できて楽しい場所❞だと思えるかどうかが、その後の学校生活にも影響してきます。ここで無理に頑張らせすぎてしまうと、❝学校=しんどい場所❞という印象が強く残ってしまうこともあります。

親としては心配になることも多い時期かと思いますが、まずは「慣れること」「安心すること」を大切にしてあげてください。それが結果的に、その後の学びや❝賢い子❞につながる土台になっていきます

学校は❝コミュニケーション養成場❞!

私はよく「学校はコミュニケーション養成場や!」とお話をしています。もちろん学校は勉強をする場所ではあるんですけど、それと同じくらい、いやそれ以上に大切なことは❝人と関わる力❞を育てることだと思うのです。

人生は、人との関わりで幸せにもなりますし、不幸にもなりますよね。だからこそ、小学生のうちは「どれだけ人と関われているか」「その中でどんな経験をしているか」を大切に見てあげてほしいなと思います。

そこで、我が子の人との関わり方を確認するのにおすすめのポイントがあります。それは、❝休み時間の過ごし方❞です! 新学期を迎えてしばらくすると、授業参観や学校公開(地域によって異なるので学校からの情報を確認してくださいね)がありますよね。その時に見るポイントが❝休み時間❞です

授業はあらかじめ先生が決めた学習内容で、しかも参観用に整えられていることが多いですが、休み時間は子どもたちが自由に過ごす時間です。我が子が誰と遊ぶか、どう過ごすか、自分で選ぶ――その中で、いろんなやり取りが生まれているはずです。

例えば、みんなで遊ぶのが好きな子もいれば、少人数で落ち着いて過ごすのが好きな子もいますし、一人で好きなことをする時間が心地いい子もいます。大事なのは、「どう過ごしているか」と「その子がどう感じているか」を、見ることです。

「一人でいる=かわいそう」と決めつける必要はなくて、その子なりに楽しく過ごせているなら、それも一つの形です。でも、もしぽつんとしてしんどそうにしているなら、そのサインには気づいてあげたいところです。

人と関わりながら学校生活をおくることで、子どもの❝賢さ❞は自然と磨かれていくのです。そこにつまづいていないか? を、これからの時期はそっと、見守りながら確認できるとよいでしょう。

春におすすめ! 親子でチューリップの観察♪

連載の最後に、この季節にぴったりの親子での取り組みをご紹介します。春は、新しいことを始めるのにとてもいい季節です。暖かくなってきて、外にも出やすくなる時期ですよね。

例えば、公園で遊ぶついでに草花を観察してみるとか、週末に家族で釣りに行ってみたり、アスレチックに挑戦してみたり……親もいっしょにやってみてはいかがでしょうか。

また、これからの時期は、チューリップを使って植物観察をするのがおすすめです。ちょうど生花店でも季節の花として出回ることと思います。おうちで鑑賞したあとは、お花の仕組みがどうなっているのかを、調べてみることも良いでしょう。花びらを一枚ずつ外してみたり、中をのぞいてみたりすると、「こんなふうになってるんだね」と、子どもなりにいろんな発見をします。正解を教えるというより、「どうなってると思う?」と声をかけながらいっしょに観察していくと、それだけで立派な理科につながる学びにもなります。もちろん、このような楽しい時間が、親子の絆を深める経験にもなります。

身近なものの中に、学びはたくさん! こういう体験を積み重ねることが、あとから❝賢い子❞につながる力になると感じています。

❝賢い子❞とは「人生を楽しめる力」を持っている子

「賢い子に育てたい」と、きっと多くの保護者の方々は思っていることだと思います。でも、その賢さとは何かと考えたときに、私は「勉強だけではだめ」だと思っています。

もちろん、勉強ができることは大事です。でも、それだけでは人生、生きていく中でしんどくなってしまうこともあると思うのです。ですから、学力だけに偏らない子育てを大切にしたいと思って、子育てをしてきました。

私が思う❝賢い子❞は勉強ができるだけの子ではなく、もう少し幅のあるイメージです。優しさや思いやりがあって、親子やきょうだいとの関係もあたたかい。そして、スポーツなどでのリーダーシップ、コミュニケーション力など、いろんな力をバランスよく持っていること――これらが、❝賢い子❞につながっていくのかなと思っています。

中でも、すごく大切に思っていることは、「人生を楽しめる力」です。どれだけ能力があっても、毎日がしんどかったり、自分に自信が持てなかったりすると、できることもできなくなったりしてしまいます。日々のことを前向きに受け止めて、自分なりに楽しめること……これはとても❝賢い子❞に必要で大事な力のひとつだと思っています。

その土台になるのが自己肯定感です。できることも、できないことも含めて、自分をありのまま受け止められる力。その感覚があるからこそ、新しいことにも挑戦できるし、うまくいかないときも、また立て直していけるんですよね。

だから私は、「何ができるか」だけではなくて、「どう生きていけるか」という視点で、子どもを見ていきたいと思って、育ててきました。それが、私の考える❝賢い子を育てる❞です

子どもの楽しみを奪っても勉強時間にはならない!

これまでたくさんの保護者の方からさまざまな相談を受けてきましたが、その中でも多かったのが「勉強のために、遊びや行事を制限した方がいいですか?」という質問。これについて私は、子どもの楽しみを奪ったからといって、それがそのまま❝実になる勉強時間❞になるとは思っていません

例えば、運動会や修学旅行、家族のおでかけや遊びの時間……これらは子どもにとって一生に一度の大切な経験なんですよね。それを削ったからといって、その時間に集中して勉強できるかというと、そうとは限りません。

むしろ子どもは、楽しい時間があるからこそ気持ちがリフレッシュされてまたがんばれることも多いと思います。それに体験の中で得られるものは、ただ机に向かっている時間よりも、本当に大きいんです。友だちといっしょに楽しく過ごした時間、何かをやり遂げた経験、家族と笑った時間、自然の中で感じたことなどは、あとから取り戻そうと思っても、なかなかできません。逆に知識はあとからでも積み上げることができます。

子ども時代にしかできない経験は、その瞬間にしかありません

だからこそ私は、子どもの「楽しい」「やってみたい」という気持ちとその時間を、大切にしてあげてほしいと思っています。

≪関連記事≫【非認知能力を育てたら勉強が好きになる⁉】今すぐ実践してほしい“体験”とは/藤田敦子さんの“賢い子”を育てるポジティブ教育法

「幸せな中学受験」にするために

中学受験についても、よくご相談をいただきます。「やった方がいいですか?」とか、「どれくらい勉強がんばらせたらいいですか?」といった内容です。でも私は、まず先に考えてほしいことがあると思っています。それは「この受験、子どもにとって幸せな時間になっているか?」ということです。中学受験ってどうしても結果に目が向きがちですよね。日々のテストや模試、合格か不合格か、どの学校に入れるか。でも本当は、中学受験の結果が出るまでの過程のほうが、子どもにとっては大きな意味を持つ時間だと思うのです。例えば、「やらされている」と感じながら続ける勉強と、「やってみたい!」と思って取り組む勉強では、同じ時間でも全然ちがうものになります。もちろん、中学受験は実際しんどいこともありますし、❝頑張り❞が必要な時期もあります。でもその中で、「できた」「わかった」「成長した」と、親子で感じられる瞬間があるかどうか――それがすごく大事なんです。

そこで、親の関わり方が最も大きく影響します。「もっとやりなさい!」と追い込む関わりになってしまうと、子どもにとっては苦しい時間になってしまいます……。だからこそ、「この子にとって、今この選択は合っているのか?」「無理をしすぎていないか?」を、ときどき立ち止まって見てあげてほしいんです。

これは我が家の❝中学受験で息子が成長した❞と感じた経験のひとつです。
次男の中学受験のとき。2年くらいずっと毎朝マラソンを続けていたんです。寒い日も暑い日も、コツコツ走り続けていて、マラソン大会を目標にしていたりもして。本人にとってすごく大事な時間だったと思います。でも受験が近づくにつれて、どうしても両立が難しくなってきたんです。そのとき「受験に集中する」と決めたのは、私ではなく本人でした。ずっと積み重ねてきたものを、自分から手放すって本当に簡単なことじゃない。その姿を見たとき、この子はちゃんと自分で考えて選べるようになってるんやなと、胸がいっぱいになりました。結果以上に、あの経験が大きな成長のひとつだったと感じています。

中学受験は、ゴールではなく、あくまで人生のなかでは通過点です。その経験を通して、「がんばるってこういうことなんだ!」とか、「自分で乗り越えた!」という実感が持てること。それが、その子の人生において、きっとこれからを支える力になっていきます。

結果だけではなく、その過程も含めて、「やってよかった」と思える受験にすること。それが、私の考える「幸せな中学受験」です

子育てに正解はありません。でも、「自分らしく生きていける力を育てたい」という思いは、どのご家庭にも共通しているのではないでしょうか。勉強だけでなく、人との関わりや日々の体験、そして自己肯定感を大切にすること。その積み重ねが、やがて人生を楽しめる力を持った❝賢い子❞へとつながっていきます。これからも、親子での時間を楽しみながら、成長を見守っていってくださいね。

この記事の監修・執筆者

一般社団法人日本ぺたほめアカデミー協会 代表理事 藤田 敦子

一般社団法人日本ぺたほめ®アカデミー協会代表理事。ぺたほめ®医専アカデミー代表。日本心理学会認定心理士・日本心理学会正会員。同志社大学文学部心理学専攻卒業。

息子二人を洛星中学校・高等学校卒業後、京都府立医科大学医学部医学科現役合格(現在は二人とも現役医師)に導いたシングルマザー。現在は、ご自身の子育てで培った「ぺたほめ®教育法」で多くの保護者から教育・育児相談を受けている。

子どものやる気と自信を育てる「ぺたほめ7日間無料メール講座」

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著書『受験も人生も楽しめる! 3~9歳 理系脳・運動脳が育つぺたほめ親子あそび』1,650円(税込)/小学館

著書『母親が変わればうまくいく第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』1,650円(税込み)/講談社

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