【新1年生を事故・不審者から守る!】通学路の「危険な落とし穴」入学前チェックリスト[セコムIS研究所監修]

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4月からの小学校入学を控えたお子さんのご家庭では、そろそろ親子で通学路を歩いてみるなど登下校の練習を始めるころではないでしょうか。子どもだけでの登下校では、交通安全面・自分の身を守る防犯面の両方で注意しておきたいポイントがたくさんあります。今回は「登下校の入学準備」として、子どもに安全な歩き方を教えるコツや、不審者から身を守る方法などについて、セコムIS研究所の舟生岳夫さんに伺いました。

取材・文/FUTAKO企画

目次

【交通安全】ルールや危険なポイントを確認する

小学生の交通事故では、横断歩道など横断中の事故が約8割を占め、なかでも小学校低学年では「飛び出し」が最も多くなっています。
その理由としては、次のようなことが考えられます。

・交通安全への知識や経験が十分ではないため、判断を誤りやすい。
・視野が狭く、近づいてくる車やバイクなどが見えていないことがある。
・好奇心や衝動性が強く、歩くときに注意力が散漫である。

交通事故を防ぐためには、飛び出しや道路横断時の事故を防ぐための基礎的な知識をしっかり教えておくことが大切です。お子さんの入学を控えて、多くのご家庭で「親子で実際に通学路を歩く練習をする」機会があると思いますが、その際は次のことに注意して行いましょう。

基本的な交通ルールの確認

実際に通学路を歩く練習をする前に、まずはお子さんと基本的な交通ルールの確認をしておきましょう。最低限のルールとして、次の3つを理解しているか質問してみるとよいですね。

1.歩道を歩く
「通学路に歩道や路側帯がある場合は必ずそこを歩き、車道には出ない」こと、「歩道や路側帯がない場合は必ず道路の右側を歩く」こと。
2.信号を守る
歩行者信号が赤のときは必ず止まり、青になったら「危険な車や自転車がいないか、周囲を確認してから」渡ること。
3.横断歩道を使う
道路を横断する必要があるときは、必ず横断歩道を使うこと。

「注意が必要な場所」の確認

交通ルールの確認ができたら、お子さんと実際に通学路を歩いてみましょう。その際、「注意が必要な場所」を具体的に教えるとよいと思います。子どもの交通事故が多く発生しているのは、次のような場所です。

・交差点や横断歩道
・道路の横断が必要だが、信号や横断歩道がない場所
・車のスピードが出やすい道
・建物や植栽などで見通しが悪い場所
・駐車場や施設の出入口
・ガードレールや歩道がない道

「どこにでもあるような危険がなさそうな場所」に見えても、事故が起こりやすいポイントというのはあるものです。通学路を実際に親子で歩いてみて、「注意が必要な場所」を一緒に探してみましょう。
また、大人と子どもでは目線の高さが違うので、見えている景色が異なるものです。時には「子どもの目線でどのように見えるか」確認してみることも大切です。

事故発生数No.1! 横断歩道の注意点

特に交通事故の発生が多いのが横断歩道です。お子さんと実際に通学路を歩くときは、「道路を渡る必要がある」場所を確認して、次の点に注意して渡るように教えましょう。
■必ず立ち止まって、前後・左右、周囲をよく見る
信号の有無にかかわらず、道路を横断する際は「自分が動き出す前に一度止まって様子を見てから進む」ということをお子さんに徹底させましょう。歩行者信号が青になったからといって、「信号が変わった途端にダッシュする」というのはとても危険な行為です。
たとえ、きちんと車が止まっていても、自転車が走ってくることなどもあります。前後・左右、周囲の安全確認をしてから道路を渡ることを習慣づけるようにしましょう。

■車や自転車が見えたら、渡らずにその場で待つ
信号のない横断歩道での渡り方には、特に注意が必要です。視野や認識力が未発達な、年齢の低い子どもは、近づいてくる車や自転車との距離感やスピードを正しく判断できないことがあります。車体の大きさや、時間帯によっても見え方が異なるため、距離があるように見えても「行き過ぎるのを待ってから渡る」と教えましょう。

■手を上げる、運転者と目を合わせてアピールする
子どもは体が小さいので、運転者から見えていないことがあります。横断歩道で停止している車の前を横切るときは、手を上げる、運転者と目を合わせるなどして、「自分の存在をアピールして渡る」ことも教えてあげてください。

■交差点では曲がってくる車にも注意
歩行者信号が青であっても、左折や右折の車が交差点に進入してくることがあります。車のすぐ近くを歩いていると、運転者の視界に入らず巻き込み事故にあうかもしれません。 交差点では、運転者から見えるよう車から少し離れたところを歩くように教えましょう。

その他、通学路を歩く練習での注意点

■複数の時間帯で歩いてみる
交通ルールや地域の情報など注意することが多く、子どもには一度で覚えきれないことが多いので、できるだけ何度もお子さんと歩いて練習することが大切です。昨今は、学童保育などに入っていて、帰宅時間が夕方以降になる場合もあるでしょう。その際、想定される下校時刻に合わせて、明るい時間だけでなく夕方の時間帯にも歩いてみるとよいと思います。
子どもは周りの景色が少し違って見えただけでも、不安になることがあります。低学年では「家の近所で迷子になってしまう」ケースも珍しくありません。
また、西日が差してちょうど交差点の信号が見えづらくなることなどもありますし、「薄暮」と言われる日没前後の約1時間は、視界が徐々に悪くなるため交通事故が多くなります。 実際にその時間帯に歩いてみないと気づけないこともあるので、季節や時間を変えて何度も一緒に歩くことが大事です。

■雨の日も歩いてみる
登下校の練習の際、できるだけ雨の日にも親子で通学路を歩いてみるとよいですね。お子さんの傘の持ち方や歩き方、「何に気を取られるか」など、大人の目で気づくことも多いと思います。
雨の日は「傘で視界が悪くなる」「(傘や雨合羽などによって音がさえぎられるため)車の音や人の声などが聞こえにくい」「すべりやすい」などと危険が多くなります。子ども用の透明な傘、透明窓がついた傘やすべりにくい靴なども用意しておくと安心ですね。

雨で視界が悪くなるのは歩行者だけではなく、自動車や自転車なども同様です。「相手から見えていないかもしれない」という前提で、ふだんよりしっかりと安全確認をすることが大切です。歩きにくくなるため、時間に余裕を持って出発し、「急がない・焦らない」ことも話しておきましょう。

また、友だちと帰るときに水たまりではしゃぐ、傘でふざけるなど、注意力が散漫になって事故に結びつく場合もあります。通学路を歩く際には、「一列になって歩く」「ふざけない」「前が見えるように傘を持つ」といったことを改めて確認しておきましょう。

【不審者対策】不審者の手口や対応を教える

親子で登下校の練習をする際には、あわせて不審者への対応も教えておくことが必要です。
子どもには「知らない人について行かない」「知らない人には近づいてはいけない」などとよく言いますが、この「知らない人」という定義について、親子で認識を合わせておくことが大切だと思います。
子どもにとっては「公園でよく見かけるおじさん」「犬を連れて散歩している人」その他、よく会う人は「知っている人」なのです。「知らない人」を強調しすぎてしまうと、子どもが「(よく会う人のことを)この人は知っている人だから大丈夫」と思い込んでしまうこともあります。
「こんにちは」「おかえり」などのあいさつだけなら善意の場合が多いかもしれませんが、基本的には「声をかけてくる全員に注意が必要」だと思っておいてよいでしょう。
通学路で不審者に狙われないために通学路を歩く練習をする際には、次のことに注意しながら歩くことも教えましょう。

不審者に狙われない歩き方と注意点

■まっすぐ前を見てキビキビと歩く
きょろきょろしたり、下を向いたりすると、「何しているの?」と不審者が声をかけやすくなってしまいます。よそ見をせずに歩くのはとても大事なことです。

■子ども110番の家などの確認
親子で通学路を実際に歩きながら、「子ども110番」のステッカーがある家、コンビニやスーパー、児童館や図書館などの施設など、「助けを求められる場所」を一緒に確認しておきましょう。いざというときにどの方向に逃げたら助けを求められるか、など地域の情報を持っておくことは大切です。

■死角になる場所に注意
・人通りが少ない住宅街
・見通しが悪い公園
・駐車場や道路脇に停まっている車の近く
通学路にも、こうしたところは結構あるものです。親子で「死角になりそうな場所」を意識しながら、実際に歩いてみるとよいでしょう。ポイントごとに「ここも危ないから、しっかり周りを見て歩こうね」などと声をかけてください。

声かけ事案の「あるある」と対処法

知らない人はもちろん、相手が「知っている人」であっても、お子さんを勝手に連れ出そうとしたり、何かをさせようとしたりしたときは警戒するように教えてください。

【不審者による声かけなどの事例】
・「芸能人に会わせてあげる」「お菓子をあげる」などの誘惑。
・「道を教えて」「警察だけど交番まで来て」など助けを求めたり、権威を装ったりする。
・「お母さんが事故に遭ったから今すぐ一緒に病院に行こう」など緊急を装い不安にさせる。
・「名前を教えて」「学校どこ?」など個人情報を聞き出そうとする。
・「腕やランドセルをつかむ」「勝手に撮影する」などの迷惑行為。

「相手は誘惑してきたり、不安にさせる言葉を言ってくることもある」と教えて、簡単に信じないように言っておくことも大切です。実際に「不審者と思われる人」が現れたときの対応もしっかりと教えておきましょう。

不審者への対応
・相手との距離を常に「相手が腕を伸ばしても届かない程度」に保つ。
・「個人情報を教えない」「ものをもらわない」「ついて行かない」「車に近づかない」。
・危険を感じたら走って逃げる(危ない、こわいと思ったら、荷物をその場に置いて逃げてよい)。
・危険を感じたら近くの人に大声で助けを求める、または防犯ブザーを鳴らす。
・コンビニなどの店舗や公共施設、「子ども110番の家」など、安全な場所に駆け込む。
・「こわかった」「いやだった」ことを親や先生に伝える。

子どもは、友だちと話に夢中になっていたり何かに気をとられていたりすると周りが見えなくなりがちなので、知らない人に近づきすぎないように、相手との距離は充分にとっておく必要があることを教えておくようにしましょう。
また、「あわてて逃げて、勘違いだったらどうしよう」「あとで怒られたらどうしよう」といった迷いやためらいは相手に隙を与えかねません。たとえ間違いだったとしても「不安があればすぐにその場を離れて逃げていい」と教えておきましょう。

その他、登下校のリスク管理

「持ち物」「衣服」での危険を避ける

入学準備をするうえで、お子さんのさまざまなものに記名をする必要が出てくると思いますが、不審者からの声かけのきっかけになりやすい、外から見えるものへの記名には注意が必要です。子どもの持ち物、身につけるものには、外から見えるところに名前や住所など個人情報を書かないようにしましょう。

【記名に注意したいもの】
・ランドセル/ランドセルカバー
・通学帽 ・上履き袋 ・体操着入れ
・手提げバッグ
・防災頭巾カバー
・防犯ブザー
・傘
・ハンカチやティッシュ(移動ポケット)
・上着や靴など
・鍵や鍵カバー

なお、ここで挙げたものは、他のお子さんと同じもの、見分けがつきにくいものが多いです。お子さんが自分のものだと識別しやすいように表に記名しがちなので、注意が必要になります。そのため、
バッグの内側など、外からパッと見ただけではわからない場所に記名する。
名前の代わりに、目印となる「★」「♪」などの記号や簡単なマークを見やすい場所につける
といった工夫をするとよいでしょう。

また、小学生になるとお子さん自身がその日着ていく服を選ぶことも増えてくると思われますが、出かける前に必ず保護者の方の目で見て確認することが大事です。お子さんの安全のためには、
露出が多いもの
ひもやフードなど事故につながりやすいもの
サイズが大きくて動きづらいもの
日が落ちたときや悪天候の際に見えづらくなる、黒っぽい服装
などは避けたほうがよいでしょう。

キャラクターグッズを外に見せない

その他、不審者からの声かけのきっかけをつくりやすいものとして、キャラクターグッズがあります。ゲームやアニメなどキャラクターのキーホルダーやTシャツなどを身につけていると、「これが好き」と不審者にアピールすることになり、リスクが高まってしまいかねません。
「おじさんも○○が好きなんだよ。家にたくさんグッズがあるから、あげようか?」などと声をかけられるかもしれません。自分が好きなものの話で声をかけられたら、子どもも気を許してしまう可能性があります。
ですから、そうしたキャラクターグッズはなるべく他人の目につくところで身につけない、話しかけられても絶対について行かない、ということを親子でもう一度確認しましょう。

危険な野生動物への対策は

ニュースでもかなり話題になっていますが、クマなどの野生動物が住宅地に現れることも今や珍しくありません。保護者の方の対策として、まずは学校や地域で発信される出没情報やメールなどを見落とさないようにすることが大切です。

子どもが身に着ける安全対策グッズでクマ鈴やスプレー、笛などいろいろとありますが、いざというときは過信せず「とにかく逃げる」と教えておきましょう。
逃げる際はじわじわと後ずさりをして、距離が開いて見えなくなったらダッシュで逃げること。
それから、一人にならないということ、人が通らない場所を通らないということも確認しておきたいですね。できるだけ人がたくさんいる安全な道を通ることを徹底させましょう。

「どう行動するか」子ども自身に考えさせる

子どもは、親に一方的に言われたことはあまり覚えていないものですが、自分自身で口にしたことは割と覚えていることが多いので、「自分で考えさせる」のはとても大事だと思います。
登下校の練習の際、危険があると思われる場所で立ち止まって「こんなとき、どうする?」とお子さんに聞いて答えさせてみるのは有効だと思います。

・「お母さんが呼んでいるから一緒に行こう」などと言われたら?
・「〇〇駅に連れて行って」などと言われたら?
・「ゲームのカードをあげる」などと言われたら?
・「ねえちょっと来て」などと呼ばれたら?
・急に肩や腕をつかまれたら?

他にもさまざまなケースを想定して、「こんなときはどうする?」とお子さん自身に考えさせましょう。そうして考える機会が多いほど、安心・安全に対する意識も高まっていくはずです。
小学生になると、登下校に限らず子どもだけで行動する機会も増えてきます。子どもの「安心・安全」を守るために、ここでご紹介したように親子で道を歩く練習をできるだけたくさん行い、不審者から身を守る方法について親子で話す時間を持っていただけたらと思います。

この記事の監修・執筆者

セコムIS研究所 リスクインテリジェンスグループ所属 舟生 岳夫

ふにゅう たけお/セコムIS研究所 リスクインテリジェンスグループ所属。キッズデザイン協議会理事、防犯設備士、インテリアコーディネーター。子どもを守るための調査・研究に日々取り組み、各種防犯セミナーの講師をはじめ、学校のセキュリティポリシー策定コンサルティングなどを行う。2006年2月にオープンした「子どもの安全ブログ」では、モデレーターとして、子どもたちが安心して健やかに育っていくための情報を発信し続けている。

HP
https://www.secom.co.jp/kodomo/

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