小学生になると、学期ごとに持ち帰ることになる通知表。そんな子どもの通知表が気になる保護者は多いのではないでしょうか。成績がよければ嬉しいですし、悪ければがっかりしてしまうものですが、保護者の声かけや反応が、子どものこれからのやる気に大きく影響するため、注意が必要です。
そこで今回は、小学校低学年の保護者に向けて、小学校の通知表に対する声かけについてお伝えします。
文/マムズラボ
通知表とは
通知表とは、学校が保護者に対して、子どもの学習の到達度や行動、態度などをお知らせし、家庭の理解や協力を求める目的で作成しているものです。
通知表の発行は義務ではない
通知表は学校が発行する義務があると思われがちですが、実はそうではありません。実際、長野県伊那市にある伊那小学校や神奈川県の茅ケ崎市立香川小学校など、通知表を廃止している小学校もごく少数ながら実在します。
そのほか、書式や内容も学校長に委ねられていますが、『指導要録』をベースに作成されるため、どの学校でも書式はだいたい同じです。『指導要録』は学校教育法施行規則24条、28条で作成・保管を義務づけられている書類で、先生が指導に活かすのはもちろん、転校や進学にあたっても活用されています。
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通知表で見るべきポイント
子どもが持って帰ってきた通知表のどこを見るべきでしょうか。ポイントを表にまとめました。
成績 | 子どもの学習状況や理解度を示すひとつの指標です。評価に一喜一憂せず、学習姿勢や努力を評価する視点も重要です。 |
総合所見 | 子どもの学校生活全般について記載しています。子どもの学校での振る舞いや人間関係などについて、先生が何を伝えたいのか、じっくり読みたいところです。 |
そのほか | 生活リズムや学校生活への取り組み方を反映しています。出席日数や遅刻、欠席の回数なども確認しましょう。 |
通知表を受け取った保護者のNG対応
それでは、通知表を受け取った保護者のNG対応の具体例をいくつかお伝えします。
思わずため息をつく
ため息をつかれると誰しもいい気はしません。それは子どもも同じで、保護者をがっかりさせてしまったとつらく感じたり、自信を失くしたりしてしまいます。
思わずため息をついてしまったときは、そのまま息を吐きだして深呼吸に変えてみましょう。深呼吸は感情のコントロールにもつながります。
「もっとがんばれ」と言う
がんばっているのに「もっとがんばれ」と言われると、努力が足りなかったんだと自分を責めてしまうかもしれません。
子どもはみんながんばっています。「がんばれ」よりも「がんばっているね」と努力を認めてあげましょう。
「ママパパは子どものころはもっとできたよ」と言う
保護者と子どもを比較するのもNGです。自分より保護者やほかの人のほうができると感じると、「自分はダメなんだ」と自己肯定感が下がってしまいます。
できていることや成長したと感じるところに目を向けてほめてあげましょう。
「うちは体育苦手家系だからなあ」と言う
運動、音楽、算数など、苦手な分野のある子どもに対して「私もできなかったよ」と同情するのもNGです。
一見よいように思えますが、「ママやパパができなかったんだから、自分もできなくて当然」という意識を植えつけかねません。子どものなかの「やればできる」という自信をなくしてしまいます。
子どものやる気をアップさせる声かけ
通知表を持ち帰ってきた子どもに対して、保護者はどういうことばをかけると、やる気がアップするのでしょうか? その子どもがやる気アップすることばの例をいくつかご紹介します。
子どもは通知表をだすとき、保護者がどんなふうに反応するのかドキドキしています。できるだけ明るいトーンで、穏やかに伝えることを心がけましょう。
「がんばったね」
通知表の成績がよくても悪くても、「がんばったね」と今学期の努力を認めてあげましょう。次の学期への意欲の向上につながります。
なかには、「がんばってなんかいない」という子どももいるかもしれませんが、学校へ行って授業を受けるだけでも「がんばっている」と評価してあげましょう。
「先生がこんなふうにほめてるよ!」
とくに低学年のうちは、「所見」「総合所見」で多くの先生はほめてくれているものです。そんな部分はぜひ読み上げてあげましょう。プラスのフィードバックを伝えられると、意欲がアップします。
「国語が得意なんだね!」
親心としては、「ここがイマイチ」というところを見つけてなんとかしてあげたくなりがちです。しかし、まずはできているところ、得意な部分に焦点を当て、ほめてあげましょう。
通知表をきっかけに子どものやる気をアップさせよう!
子どものやる気は、保護者のことばが伸ばします。大切なのは、子どもが「がんばっている」「努力している」という前提でことばをかけることです。
通知表の成績がよかったときもイマイチだったときも、その内容に一喜一憂せずに、子どもの努力や成長に焦点を当てた声かけをしましょう。
この記事の監修・執筆者
作家/子どもへの言葉かけ、「子育てNGワード」の専門家。「言葉」を扱うコピーライター経験から、子育て中の子どもへの言葉かけに関心を持つ。
三人の娘の子育ての実感(成功も失敗も)を活かした書籍を執筆している。
『お母さん、ガミガミ言わないで!子どもが勉強のやる気をなくす言葉66』
『決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』
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