【小1初めての通知表】「がんばりましょう」にチェックがあったら?

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【小1初めての通知表】「がんばりましょう」にチェックがあったら?

夏休みももうすぐですが、その前に、3学期制の学校では、1年生にとって初めての通知表が渡されます。
わが子が学校でどのように「評価」されているかを知ることのできる機会です。現役小学校教諭の舟山由美子先生にお話を伺いました。

目次

最近の通知表はパソコンで管理されています

通知表といえば、ひと昔前はすべて手書きでした。現在は、多くの学校でパソコン処理されています。文字などもすべてパソコンで入力され、印刷した状態のものが渡されます。
手書きの通知表の頃は、私などは身を清めるほどの思いで、間違いがないよう下書きをし、集中して清書していました。書き終わると紙の束の重さがずっしりと感じられ、「これは、子どもたちと私との汗の結晶だ!」などと感慨に浸ったものです。


今は、出力後にタッチミスが見つかっても文章を直すことが可能ですし、字に自信がない先生のなかにはパソコン処理になったことを喜んでいる方もいます。

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1年生1学期の評価は「よい/がんばりましょう」のみ

評価項目は学校ごと、あるいは自治体ごとに形式が違います。例として私の勤務先の例を中心にご紹介していきましょう。

学習の評価

国語・算数・生活科・体育・図工・音楽ごとに《絶対評価※》によって、「たいへんよい/よい/がんばりましょう」のチェックがつきます。ただし、多くの学校で、1年生の1学期だけは、各教科とも「よい/がんばりましょう」の2点のどちらかになります。

上にきょうだいがいるならともかく、初めて見ると、うちの子は「たいへんよい」がなぜないの?と、あせってしまう人もいるかもしれません。また、1学期は教科への評価ではなく、「関心・意欲・態度」だけを評価する学校もあります。

※指導目標をもとに設定された基準で評価すること

生活の評価

おもな項目は、あいさつをしっかりとしているか、身の回りの整理整頓ができているか、なにごとにも一所懸命取り組んでいるか、忘れ物をしないか、給食やそうじなどの当番の仕事をしっかりしているか、友達と協力して仲よく過ごしているかなど。「できる/もうひとがんばり」で評価されるところが多いようです。

担任からの「所見欄」

いわゆる、先生からの言葉です。1人わずか5行から10行くらいの欄に、びっしりと今学期をまとめる言葉が入ります。文字通り、先生がどのように見ているのかを知る欄であり、ほとんどの先生は、この「所見欄」に多くのエネルギーをさきます。それだけ家庭に伝えたい、見てもらいたいという思いがあるからと言っていいでしょう。
このほかに出欠の欄や自治体によっては英語の評価などが入るところもあります。

うまく学校生活を送れているかを知ることが目的

1学期は学習成績よりも、学校に慣れたか、授業や学校生活にまじめに取り組んでいるかなど、学校生活のスタートがうまくいっているかを知ることが、通知表の主目的といっていいでしょう。ですからまずは、通知表をもらってきたら、1学期を無事に終えたことについて「よくがんばったね」と、子どもをほめてください。

そして学習面について「がんばりましょう」の項目にチェックがついた教科があったら、それはなぜなのか、お子さんと一緒に考えてみましょう。多くの場合、その教科の授業に集中できない理由があるものと考えられます。

また、生活面で「忘れ物がある」「当番の仕事をしない」などにチェックがある場合もそのままにせず、連絡帳はしっかり書いているのか、お知らせのプリントを持ってきているのか、などを一度担任の先生と確認をするとよいと思います。

先生からの「所見欄」については、「先生はうちの子を正しく評価していない」と思われる方もいるかもしれません。私は、教師からの評価とは、外からビルの窓をのぞいて中をうかがうような作業の結果だと思っています。この場合の「ビル」という建物は子どものこと。その中を知りたくても入る事はできず、窓からのぞくしかありません。

どんなに目をこらしても、見えない部分が必ずあり、窓から見える範囲でしか「評価」できないのです。つまり、「評価」とはそれぐらいのもどかしさがあるということです。ただし、たくさんの死角があるのに、そこが見えたのですから、ある意味では真実のひとつであるともいえます。

もし、通知表について疑問に思ったことがあったら、先生に尋ねましょう。クレームという形ではなく、その子どもについての双方の見方を「すりあわせる」ということです。夏休み前の個人面談などは、すりあわせの機会を学校が作っていると言うこともできます。

もし個人面談が設定されていなくても、学校は、基本的にいつでも保護者との面談をします(ただし日程の調整は必要)ので、ぜひ相談してください。質問や疑問をそのままにせず、子どもの「次」につなげていきましょう。

この記事の監修・執筆者

小学校教諭 舟山 由美子

ふなやま ゆみこ/東京都の現役小学校教諭。
長年の小学生の指導経験に基づいた、
教育・子育てアドバイスに定評がある。

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